ばらけんの健康フォーラムー1
 
今週のゲストは健康問題に詳しい「ばらけん」こと、柏原健さんです。今日のテーマは「健康フォーラム」を開講、アドバイスをいただきます。
 生活習慣病や、運動不足や、テクノストレスなど現代人をとりまく環境は厳しいものがあります。生活習慣にについて、アドバイスをお願いします。

食事ですが、「腹八文目」と昔の人は言いました。そのあたりの目安はどうですか?

「もう少し食べたいなと思った時が丁度です。胃に負担を掛けることなく、次に食べる楽しみを残して置けます」
お酒や煙草などの嗜好性の強いものとの程よいつきあいについてはどうですか?
「お酒は少量なら、血液の流れが良くなり食欲も増しますので、何かを肴にして飲んだ方が身体に良いでしょう。量については個人差もありますが、一般的に言われている程度が良いでしょう。それから、どうせ飲むなら美味しく飲める品質の良いお酒が良いでしょう。
煙草はできるなら止めた方が良いでしょう。
コーヒーは、胃への刺激を避けるために、空腹時は避けて、ブラックより少量の砂糖を入れるか、どうしてもブラックでないと駄目な方は、何かコーヒーに合うものを食べながら飲むと良いでしょう」
生活は便利になりましたが、食生活はむしろ貧しいのではないかと思いますが?
  若い人たちの食生活のありかたについてコメントをお願いします
「確かに貧しくなったと思います。問題は食事の取り方です。昔は家庭でお母さんが味付けして作っていました。そんなところから各家庭には、食事にそれぞれの家庭の味、つまりお母さんの味があり、たまに友達の家でご馳走になる時などは、味の違いに戸惑ったものです。卵焼きひとつとっても各家庭で味が違っており、家に帰って母親の作った卵焼きを食べただけでほっとしたものです。
 食事も家族揃って家庭で取っていましたから、少ないおかずを見て、子ども心に文句を言うと、おじいちゃんとかおばあちゃんとか母親が自分の分を回してくれたものです。兄弟の多い家庭ではおかずの争奪戦もあったようですが、お母さんが作ったものを、家族揃って食べられるというところに安心があったように思います。
食事の準備をしている母親の後ろで「腹減ったー。飯食わせー」なんて、何か近くにあるものを叩いてリズムを取りながらよく言っていましたから、確かに食事の内容は貧しかったと思いますが、そんな中に、食事代を稼いでくる父親のすごさとか、食事を準備する母親のやさしさを感じたりして、また隣近所のおばちゃんが、たくさん作ったからと言っておかずのおすそ分けをしてくれたりして、食生活に人間的な暖かさがあったように思います。
 栄養学の観点から言うと、栄養のバランスは偏っていたと思いますが、みんなそれなりに成長しましたから、一概に栄養はバランスよく取りましょうなんて言わなくてもいいように思います。それよりも、少々まずくても喧嘩しながらでも、家族のふれあいを感じながら食事を取る方が、子どもは元気に育つし、お父さんだって奥さんの愛情を感じて元気に仕事ができると思います。
 ところが、今のご家庭でどんな食事をされているかよくは知りませんが、冷凍食品とかインスタント食品がよく売れ、ファミリーレストランとかの外食産業が増えてきたということは、家庭で食事の準備をすることが減り、家庭の味というものはなくなって来たのではないでしょうか。
 お父さんは忙しく働いている。お母さんも仕事をしている。子どもは塾通いでは家族揃っての食事も減ってきているように思います。お金さえあればコンビニですぐ食べられるものが買え、お腹をすかしてお母さんに「腹減ったー、飯食わせー」なんて叫んでいる子はいないように思います。
 今や、日本において食糧は溢れ、好きなものばかり食べるために栄養は偏り、子どもが生活習慣病になる時代です。一方、若い女性は、いや若い女性に限りません。だいたい女性はダイエット、ダイエットと叫んでいます。若い時は、基礎代謝能力が高いので、普通にしていれば本人にちょうどの体型になるのに、それが嫌だといって痩せよう痩せようと努力していますが、それで痩せたところで、自分の身体の作られ方に逆らっていますから、身体は元に戻そう戻そうとします。無駄な努力は止めなさいと言いますが聞いてくれません。また、中高年の女性は、遺伝的なこともさりながら、長年の食習慣と生活習慣で今の体型になっているわけですから、そう簡単にはダイエットできません。ご自分のお母さんの体型を見て痩せ型であるならば努力してみて下さい。薬は駄目ですよ。運動して下さい。それからご自分のお母さんの体型を見て太っているならあきらめた方がよいと思います。それでも痩せたいなら努力してみて下さい。運動ですよ。
家庭の味がなくなり、家族揃っての食事の回数が減り、食べられることに感謝することを忘れてしまって、これで食生活が豊かだと言えるでしょうか。これも時代の流れだと言ってしまえばそれまでですが、健康には良くないですよ。僕たちより先に亡くなる若い人が増えてくるかもしれません」
最近「スローフード」という考え方が広まりつつあります。ファーストフードの
  蔓延に危機感を、持ったイタリアの料理人たちから始まりました。「地産池消費」
  と「伝統食の復活」がスローガンなのですが。
「良いことだと思います。ただし、家族揃って取り組んでもらいたいです。そうすれば家庭の食生活が豊かになりますし、日本の農業が再生するかもしれません」
サプリメントが流行しています。「栄養補助食品」なのですが、どう思われますか
  ?ええかげんな食事をして、サプリメントで補充するという考え方は正しいので
  しょうか?
「基本的には賛成しかねます。自分に不足しているビタミンとかミネラルを補充するのですが、本来は食事から取った方が良いと思います。実際サプリメントが必要な方がどんな食生活をしているかで変わって来ます。ええかげんな食事をしていたから、ある栄養素が不足して来て、一時的にサプリメントで補充するという考えは構わないと思いますが、あくまでも一時的なもので、本来は食事から摂取した方が良いでしょう」
体にいい食べ物の「定義」を手短にお願いします。
「完全無農薬有機栽培で、見た目がきれいで食べて美味しいもの」