新たなコミュニケーションの創造 その1
 
 今週のゲストは、4月から新番組をスタートされる大西みちるさん笹岡和泉さんです。今週で「けんちゃんのどこでもコミュニティ」も終了しますので、番組制作者であるけんちゃんこと西村健一も出演します。高知シティFMの戸田健史さんも議論に加わっていただきます。
 今日のテーマは「新たなコミュニケーションの創造 その1」でゲストの皆さんも含めてディスカッションをします。
高知シティFMも含めたコミュニティFMですが、電波が弱く、伝達する地域も限られています。
 しかし高知県の大部分の人口をカバーしています。ですのでローコストで伝達する長所はあります。提携しているJ−WAVEの番組構成が素晴らしいのでローカルも頑張ればなんとかなると思います。」そのあたりはどう思われますか?
笹岡和泉さん 笹岡 皆さんが「また聴きたい!」と思っていただけるようないい番組をつくっていく事で、せっかく与えていただいた情報発信の機会を生かしていきたいと考えています。
大西みちるさん

大西 J−WAVEという強力な番組が聴けるのは素晴らしい。トータス松本、森山直太朗、スガシカオ、葉加瀬太郎ら若者や女性に人気のミュージシャン。みうらじゅん、リリー・フランキーなどツウ好みの文化人。

 これだけ若者や女性に支持されている局に、けんちゃんや我々のようなローカリティ(地域性)がカバーされたら完璧です。最強の布陣であると思います。
僕のやっているコミュニティシネマもそうなのですが、コミュニティFMという地域に根ざした情報発信局というのはなくてはならないものです。

戸田健史さん 戸田 わたしは最初感じていましたのは、いわば東京の情報を主体としたJ−WAVEでいいのかなと思っていました。でも「そのことがきっかけになって高知シティFMが県民に知っていただいたら良いのではないか」と言われる人がいました。私もそうなのかと思うようになりました。
 現在全国でJ−WAVEを流しているコミュニティFMは40から50あります。それだけ強力なコマがあることはコミュニティFMにとってはとてもよいことなのです。
西村健一(けんちゃん) 西村 5年後にテレビがデジタル化します。専門ではないので想像しにくいですが、コミュニケーションの手段が今よりより多様化するのではないでしょうか?
そのあたりはどう感じられますか?
笹岡 テレビも双方向になる時代が来るという事なんですよね。可能性は数段広がるのではないでしょうか。ただ、そうした情報についていけない高齢の方なども
無視しないような、アナログな情報発信も継続していって欲しいです。わたしも継続していきたいと思います。
大西 デジタル化ということで、単純に高画質とか音がよくなるとかは勿論ありますが。そうですね。一番心配なのは茶の間とTVなどのメディアとの距離が縮まるという番組が主流になることだと思います。リモコン一つでの視聴者参加型の番組が増えて安易な作りの番組が増えたり、自宅で気軽に映画やDVDが鑑賞出来ることにより、映画館やホールに足を運ぶ人が益々減ったり、もしくは引きこもりが増えてしまったり。双方向番組だと言えば聞こえはよいですが、僕もアナログ人間なのでそんなくだらない心配は少しあります。

戸田 テレビではデジタル化は2011年ですね。報道されていますので皆様方ご存知であると思います。ラジオはどうなるのか意外にもみなさんご存知ないと思います。ラジオは阪神・大震災や新潟県中越地震のような大災害時にその効力や役割が広く社会で認められました。


 現在のラジオのアナログ放送は現行の形で行うことが決まりました。ですから高知シティFMも76・2MHzの周波数で変らず放送し続けます。最初はすべてデシタル化するような話でしたが、そうはなりませんでした。
 世界で現在デジタルラジオの方式は4つあるそうです。そのなかで日本が採用している方式は、諸外国で採用している方式とは全く異なります。ということは受信機も変わって来ます。受信機を国外で輸出しても売れません。安価な受信機はつくることは出来ません。受信機の高価なラジオは売れません。


 今までもBSデジタルラジオはありましたが、普及しませんでした。
 またコミュニティFMは災害時に24時間生活関連情報を流せると言いますけれども、その間はCMは一切流せません。それは経営的には大変なのです。そこも考え皆様方にご理解をいただきたいのです。
 全国のコミュニティFMの9割以上は何らかの形で自治体からの支援や援助を受けています。第3セクターの運営も多いです。独立民営できちんと経営している高知シティFMは大変珍しいコミュニティFM局と言えます。

新潟中越地震(左写真)や阪神淡路大震災(右の写真)などで、コミュニティFMの重要性が認識されました。
西村 インターネットの影響力についてはいかがでしょうか?従来のメディアである新聞、ラジオ、テレビ、とともにインターネットもメディアになりつつあります。今後の利用方法について作戦はありますか?
笹岡 私は分からない言葉があれば、インターネットで検索すれば、膨大に情報が出てくる。新聞もホームページで記事の内容が見られる時代ですから、私達の世代にとってもすでにインターネットはなくてはならないものになっています。
 私はあまりパソコンには詳しくないのですが、やはり今後考えていきたいのは
双方向ということですね。
 根がアナログ人間ですから、まずは会って話を聞くというフェイスツーフェイスを基本に動いています。インターネットを活用するとしても、そこに近づけたいという思いはあります。
大西 インターネットはラジオやTVよりも強力なメディアです。音の配信、映像の配信も出来ますし、今や誰もが自分で放送局を構えることが出来る世の中です。セルフ放送局になるのでしょう。
 ブログにしてもここ1年で本当に利用者が増えました。近所のおばちゃんもブログやっています。ヨン様がどうしたとか書いています。誰もが気軽にライター、フォトグラファー、アーティストになれます。ただリアルな世界でのコミュニケーション無くしては、ネット上のコミュニケーションは成立しないと思います。そのためにも画面上だけでなく、みんなが外に出て動き出すように働きかけたいです。そうした放送にしたいと思っています。
新聞も最近ブログを取り上げるようになりました。 第1回番組出演者交流会はブログサロンでした。

戸田 まさしくお2人が言われましたけれども、ラジオとインターネットは大変相性が良いものです。既にいろんな番組にも活用されています。今のところは、メールでネタ募集程度のことですが。
 インターネットべったりになりますと周囲が見えなくなります。それはラジオべったりでも同じです。ですからひとつのツール(道具)として取り扱っていただきませんと、独りよがりの恐ろしいものになってしまいます。
西村 現在のWEBラジオより簡便な情報発信が簡単な方法はもうすぐでてくるのではないでしょうか?そのあたりはどうなのでしょうか?
戸田 そうですね。WEBラジオひとつについても、一昔前からすると簡単になったとは思います。わたしが昔インターネットもどきをこしらえようとしたときは、その変換ソフトは英語版しかありませんでした。
 なんとなく、手探りで苦労してこしらえました。それでもある環境の人は全然聞こえなかったりしました。そういう意味で今はその当時よりは簡単にはなってはいます。よりWEBラジオは今よりも簡単になっていくでしょう。
 ブログやXOOPSなども簡単になっていくでしょう。tagなどを知らなくても度pんどん出来るサイトや仕組みが登場していますし・・・。
大西 化石になっているようですが、けんちゃんどうなのでしょうか?
西村 わかりませんね。紀元前の人間ですからね。なにせ謄写版世代ですからね。
   ただ私は高知シティFMの番組をやるようになってから、パソコンも覚え、。ホームページの作成も覚え、ブログまで作成できるようになった中高年親父です。さきほど戸田さんのお話もありましたが、個人で動画配信も可能になってくるのですね。その場合も中味が大事になるでしょう。
 デジタルビデオの編集も簡単に出来まして、パーソナル放送局も可能であるということですね。そのあたりはどうでしょうか?
大西 僕自身5年間映像(テレビ)の仕事をしていました。編集作業などもある程度はわかります。一度自分で挑戦いたしまして「大西みちる局」のようなものをこしらえ、そこから番組をつくって見たいと思っています。今の知識では駄目ですね。戸田さんに聞きながらやろうと思っています。
戸田 そうはいいながらも動画配信も随分技術革新をしまして、性能の良いパソコンさえあればなんとかなる時代まで来ています。
 ようはインターネットラジオでアレ、テレビであれ中味が勝負です。そこをぬるいものにしてしまえば何にもなりません。そこを肝に銘じませんといけません。
笹岡 固まってしまいました。これから勉強させていただきたいと思います。
高知シティFMホームページ http://www.kcfm.net/index.html
J−WAVE http://www.j-wave.co.jp/