買い物を通してライフスタイルを見直そう
 今週のゲストは、元看護師で、自力整体指導員である外京ゆりさんです。今日のテーマは、「買い物を通してライフスタイルを見直そう」でお話をお聞きします。
 外京さんは、環境問題について高い関心を持たれています。市民グループとして活動されているのでしょうか。
量販店等で買い物をしますと、可燃性のプラスチックであるトレーや袋、持ち帰り袋 で家中がかさばります。しかし買い物客で辞退されている人を見たことがありません。
それはどうしてなのだと思われますか?
 私は出来るだけ辞退しています。私の周りの人たちも辞退しています。テレビコマーシャルなどで大量消費生活に馴らされ、大量廃棄時代に慣れてしまったということでしょうか。
 大量消費とは、「安かろう悪かろうでも結構」、「使い捨ておおいに結構」「かんたんでべんりじゃん、どこがいけないのよ」ということでしょう。大量廃棄とは、日本の場合燃やすということでしょ。ゴミ焼却場が、この狭い日 本に世界一多くあって、結果としてダイオキシン問題が深刻になったのですよねえ。

 高知市にも、りっぱな焼却場兼火力発電所がありますね。でも、焼いたあ との灰を溶かして金属をとりだしているそうですが、なぜ先に分別しないのでしょう。なぜとりだしやすいように作らないのでしょう。

 何でも燃やして、あと から無駄な作業をしているように思います。となりにある旧焼却場は、まだ処理できず、巨大な粗大ゴミとなっていますよね。日本の廃棄物処理対策も、大きな建造物をつくることが目的化しているように感じます。

外京(げきょう)ゆりさん
 一方環境問題に関心の高い国民が多数いるドイツなどでは、「量り売り」でお酒や食品が販売されているように、以前番組に出演いただきました内田洋子さんに聞きました。日本もそうすれば良いとは思いますが、なぜそうならないのでしょうか?
 難しいですね。馴らされ慣れた結果でしょう。
それに、使い捨て容器の処理に、どれだけの人手と時間と税金が使われているか、地球を汚しているか、知らないし考えないからでしょう。
 結局は石油製品の資材が安いから簡便に出回っていると思います。使いきりのペットボトルやワンウエイ容器が増加しているのは何故なのでしょうか?やはり製造コストが安いからなのでしょうか?
 そう思いますね。そう、売る側に都合がいいからでしょう。現在の「容器包装リサイクル法」では、製造者責任が軽いから、高知市のプラスチック処理負担金だけで年間 6000万円だそうです。それに買う人がいるからでしょう。購入する時は安くともペットボトルは、きれいに洗ってラベルも取ってつぶさないと運搬経費や処理経費がかさみます。
 それなら始めから水筒とコップを持ち歩いた方が他人に迷惑をかけないですみます。でも、迷惑という発想する人は、なかなかいませんね。ドイツの環境 保護団体の方が日本にまで愛用の容器を持ってきていて、私は無性にうれしかったです。
 外京さんは市民団体で「お買い物コンテスト」を企画されたと伺いました。その狙いや目的はどのようなものでしたでしょうか?また目的どうり達成されましたでしょう か?
 高知の消費者運動を40年近くリードしてこられて、2005年2月末に亡くなった吉川豊子さんのアイディアだったのです。「買い物という日常的な行動をとおし て、私たちのライフスタイルを見直してみませんか」というキャッチコピーでした。15組募集して20数組の応募だったでしょうか。
 「合成洗剤がどうし ていけないか考えたこともなかった」という方から、「プラスチック袋入りの干物を買いたくないから保冷剤入り専用袋を持参した強者まで出場されていました。生活 の知恵や工夫の交換会のようであったと聞いています。吉川さんは会場内の交流に満足されていました。
 私は自力整体の教室と時間帯が重なったため、「品物の選択理由や買い物容器の工夫の内容などを もっとマスコミには伝えていただきたかった」と、私は残念に思っています。マスコミはたくさん来ていただけに残念でなりません。
 消費者団体の消費者運動は随分盛んな時期から言えば、今は低調になっています。今「消費生活だけ」になってしまっているのではないでしょうか。なんでもお金を出して買えば良い。捨てて燃やしてしまえばよい。そういう発想(使い捨て)ではなく、昔の人の暮らしを見直すことが大事であると思いますね。
 昔の人は「消費」しなかったですね。「使い捨て」ではなくて、先祖のものを大事にして、工夫して使いました。戦後60年経過しまして、消費生活の見直しの時期が来ていると思います。
 量販店などでは大量のトレーが使用されています。ごく一部は写真右の「トレー回収箱」で回収はされていますが・・むしろ回収によって以前よりトレーの使用数量が格段に増加しています。抑止には全くなっていません。
 地域のイベントでもごみの始末が大変です。ごみが少なくなる具体的、現実的な対応が必要になると思います。それはどういう方策があるのでしょうか?
飲食にまつわるごみが多いと思います。参加者それぞれに食器を持参してもらえばいいのですが。私が所属するグループではそうしています。ごみについて価値観を共有できるとは限らない大人数で飲食するイベントは、たいへんですね。
 最近「スローフード」運動や、「、高知県では地産地消」運動が唱えられています。、結果的にごみを減らすように思いますがそのあたりはどう考えられますでしょうか?
 「スローフード」の対極にあります「ファーストフード」は、使い捨て容器を惜しみなく大量に使用しますね。でも地域の伝統に根ざした「スローフード」には、使い捨て容器は似合わないと思います。
 「地産地消」運動は流通にまつわるごみが減りますね。高知県民は「穀物菜食+魚」で、「身土不二」と「ごみ減らし」を実践したいですね。
 「身土不二」と言いますのは、その土地で採れたものが、そのまま体をつくるのだ。という考え方です。そういう理念でごみ減らしを実践していきたいと思います。
 量販店などもレジ袋を辞退して山に植林する運動もされてはいます。どの程度の削減になっているのかは疑問です・