路面電車の魅力について
 今週のゲストは「土佐電鉄の電車とまちを愛する会代表幹事」の浜田光男(てるお)さんです。今日のテーマは「路面電車の魅力について」です。
 低速でしか走れなく、雨の日の乗車は辛い路面電車。かつては東京や京都など全国各地の都市を走行していましたが、今や走行している都市は少なくなりました。
路面電車の魅力はどのようなところなのでしょうか?浜田さんは大学では交通工学を
専攻されたようなのですが?
 私は生まれも高知市です。小さな頃から、路面電車の音、姿をずっと見てきました。だから何が魅力と言われても困りますが、すべて「自分の体のなかに土佐電鉄の路面電車が沁み込んでいる」状況です。必然的に好きなものに興味が出てきます。そこから勉強も、路面電車に関する勉強とか、大学も工学部へ行きましたし。言葉では言い表せません。
 浜田さんは、私より相当若い(11歳年下)と思います。物心付く頃は路面電車は相当衰退していたのではないのでしょうか。
自分が生まれてからは高知の路線は全く変わってはいません。
私は子供の頃は知寄町に住んでいました。当時宝永町に路面電車の基地がありました。非常にみじかに路面電車ーと土佐電鉄は身近な存在でした。しかしその基地が移転したり、なくなったりして衰えたのを見てきました。私も子供の頃は路面電車の運転手に憧れていました。絵も描いたこともあります。
しかし大人になるにつれ憧れが薄くなり、他のものに興味が移りました。浜田さんは幼少の頃の憧れを今も強く持たれているのでしょうか?
自分でもわかりません。「一種の病気ではないか」と自分では思っています。だから自分自身が旅行するときは基本的には路面電車のある街を意識的に探していますね。実は大学も路面電車のある街(鹿児島市)をということで、選びました。
全国で路面電車のある都市は、現在日本では19都市でしょうか?
そうです。
土佐電鉄の路面電車について伺います。確か全国の路面電車のなかでは路線が一番長く、現存している路面電車では一番歴史も古いと聞きましたがそうなのでしょうか?
明治37年に土佐電鉄は創業しています。今年がちょうど創立100年になります。
創業100年ということで「土佐電鉄の電車とまちを愛する会」のほうで、行事の計画などはあるのでしょうか?
10月の下旬に「土佐電鉄の電車とまちを愛する会」主催で、「全国路面電車サミット」を高知市のほうで開催させていただきます。
 (土佐電鉄のほうでは記念式典や記念乗車券の発売、外国電車の運行などを行うように聞いています。)
路面電車の愛好者同同士の交流はどのようにされるのでしょうか?写真を撮影したり、乗車したりして交流されるのでしょうか?
愛好者と言えば鉄道マニアとかファンのイメージが強いですね。私たちの「土佐電鉄の電車とまちを愛する会」は、「支援愛好団体」と言いまして、単純に路面電車が好きと言うだけではなくて、「まちづくり」の一環、まちを元気にしようではないか。そのなかに路面電車がある。もともと「路面電車サミット」は札幌市で行われました。その後2年おきに、広島や岡山とか熊本で開催してきました。たまたま高知が開業100年ですので、2年おきの間に入れさしてほしいと開催地に立候補しました。
 全国の仲間は路面電車サミットでお会いしています。最近は路面電車だけでなくLRTという言葉が使われるようになりました。その勉強会などで、いろんな人達尾と交流をしています。
 路面電車というだけになりますと範囲が狭くなります。まちのなかに線路がある、車両が走っている。それに関係ある団体が、勉強会を開いている。と言うことです。
 
マニアックなイメージがありましたが?

土佐電鉄の電車とまちを愛する会の取り組み218号の塗装を登場時の「ツーマン塗装」に全国に呼びかけてカンパで復元する。現在は機器類を新型電車2000型に供給し、高知市のわんぱーく高知に車体は保存されました。

土佐電鉄に新型電車が登場した祭には、「土佐電鉄の電車とまちを愛する会」から記念ヘッドマークを車体に取り付け、祝っています。
そういう人もいます。普通の人達もいますし。
現在走行している土佐電鉄の路面電車。外国製の路面電車も走行しています。何カ国のどういうタイプの電車なのでしょうか?
オーストリア、ポルトガル、ドイツがあります。ポルトガルは2種類あります。計5台ですね。日本製の維新号をあわせて合計6台がイベント電車ですね。
なにせ「2マン車両」と言いまして、車掌さんがなかに必要なタイプの路面電車です。なかなか普段から全部の車両が走行することは出来ません。
土佐電鉄も、企業努力をされています。乗客減少に歯止めがかかったのでしょうか?
利用者は以前に比べると減っていると思います。ただ数ヶ月前から文殊通りから領石(りょうせき)通りまで路線が延長されましたし、数年前にはJR高知駅前まで乗り入れしましたので、その部分は乗客は増えています。
 
生活の足として路面電車は高知で活用する必要性はどのようなところにあるのでしょうか?
そうですね。現在の路面電車がそのまま良いとは思いません、その時代、その時代にあった交通手段になるべきですね。LRTというものを目指して進めていきたいなと思います。
LRT light rail transit ヨーロッパで発達した新交通システム。低床式で高齢者、障害者の乗降がしやすい。デザインも優れています。環境や高齢化社会配慮した戦略的な交通システムであります。