東京と高知の落差について
 
 今週のゲストはインターネットでコロッケを全国に販売されている(有)デリンベイク専務取締役の細川泰伸さんです。今日のテーマは「東京と高知の落差について」です。
細川さんは大学は東京の明治学院大学進学され、卒業後は伊藤ハムに5年間勤務され、高知へ戻られ、家業を継がれました。
東京に学生時代4年、社会人5年と9年間居られたわけですね。いわば東京時代に大人の遊びを覚え、仕事も覚えられたわけですね。 高知へ戻られたときは、生まれ育った街なのに慣れるのに大変だったのではないでしょうか?
とにかく「お酒」を覚えました。というより、飲みまくりました。
その中で、人間関係を築く事を覚えました。酔って人間関係を壊した事も多々ありましたが・・・高知は育った町ですから、逆に東京に慣れるのが大変でした東京の飲み方といった方が正確かもしれません。高知に帰ってきましてホッとしました。
なにせ東京と高知では経済規模が違います。どの業界でも2桁ぐらい規模が違いますね。
細川さんは関東一円を巡回されていました。消費者気質は各地ではどうだったのでしょうか?
東京・千葉・栃木と5年間で転々としました。特に東京は人が多いのです。いきなり行ったときは毎日が鏡川祭りかと思いました。当然すごいリッチマンもいればそうで無い人もあの狭いところにウジョウジョしてます。当然、消費するものも違うし、圧倒的な人口のボリュームで売れ行きなんかも全く地方と異なります。
最近の東京では高級食材が売れ、駅にも高級食材スーパーがいくつか出来ています。昔なら紀伊国屋などの高級食材店しかありませんでした。最近は庶民が出入りする駅周辺に出来ています。それはなぜでしょうか?バブルのときレストランへ行った世代が、家庭で食を楽しようになったからなのでしょうか?
それもあると思いますね。レストランも流行っている所は流行っているようです。
手軽に高級なものを楽しめるというニーズが増えたのではないでしょうか?
日本人は、ユニクロを着て、ヴィトンを持つという外国では考えられない国民性を持っいるようです。要は、ケースバイケースで使い分けしているのだと思います。昨日は、100円の回転寿司だけど今日は、松坂牛のしゃぶしゃぶ・・・ そんな方って結構いると思います。お腹を張らすためではなく、どこそこの何々を口にするという「体験」を買っているのではないでしょうか?
食文化も東京中心なのでしょうか?
安いところは安いところではやっている。高いところは高いところではやっている。「楽しみ方」がキーワードではないでしょうか。
それから、食べ物を作らずに済むという労力も・・・
細川さんは、「逆カルチャー・ショック」は高知へ帰られ時、感じられませんでしたでしょうか?すぐに高知に慣れましたか?
こんなもんだと思ってました。人の多さが全く違うものですから・・・
食文化の違い、差は感じますか?
やっぱりありますね。うどんは関東は真っ黒いし(お汁が醤油味)、コロッケも関東は必ずソースをかけます。うちも冷凍のコロッケを関東地区へも送りますが、「ソースはないか」というメールも来ます。また「初めてソースなしで食べて美味しかったよ」という感想を寄せられる方もいました。確かに、関西・関東ではあると思いますがそれほど、いうほどないと思いますし逆に、関東の人は関西の物を食べたがってました。
学生時代から含め9年間東京に居られました。その後家業を継がれました。普通なら量販店やメーカーの代理店をされたいたのなら、そのあたりの展開を考えられるのではないでしょうか。惣菜や弁当の販売の展開などですね。
それが今では、巨大な東京市場を攻略しようと思い立ったのはなぜですか?
攻略しようというそれほど大げさなものではありませんが
例えば、羽田空港にしても高知の乗り場が一番遠いんです。要は、高知は全く知られて無いという事だと思います。
東京の人は、高知に行くなら沖縄・九州に・・・といった感じです。当然、高知のものより、北海道・沖縄などより遠い所の方が重宝されます。だから、そうなると、北海道・沖縄などより遠い所の方はすごく商売や観光が上手という感じを受けました。私は高知が好きなので、東京で高知のことがアピールできたらなと思っていました。
ハワイの海岸
沖縄万座ビーチ
高知は「遠いし」「高い」。時間と費用をかけるなら、バリ島、ハワイ、韓国、香港、台湾、東南アジアのレベルですね。その競争の中に、沖縄や北海道は入れても高知は入れませんね。寂しいですね。
寂しいですね。「よさこい」も北海道の方が有名になったのそんな背景もあるように感じます。自分は高知がとにかく好きなので、東京の人に高知のよさを知って欲しいそんな気持ちが一番です。
東京で通用するためには、細川さんの業界では何が必要なのでしょうか?
東京ディズニーランドはいつでも盛況
物売りですが、物を売るためには物だけではないと思います。「人から買う」ものだと思います。メッセージだと思います。どれだけ良さを相手に伝えられるか!
量と質のメッセージ力だと思います。自分も購入する場合は、いろんな情報を収集してから買います。「人との繋がり」であり、「メッセージ力」ではないかと思います。
細川さんが東京市場で学んだことはどんなことがありますか?
移りが早いことを学びました。去年まで大繁盛していたお店が、今年は駄目だったり、なくなってしまったりしていました。日本人は「飽きやすい」「熱っぽい」「冷めやすい」のではないでしょうか。
細川さんの関わりの深い食文化の業界もそうした現象なのでしょうか?
たとえば「もつ鍋」なども流行しましたね。1年で終わりました。その店は「しゃぶしゃぶ」の店に変わっていました。
食文化関係というか、フードサービス業界は不況に関係なく繁盛していると思っていましたが・・・・。
そうでもないですね。繁盛している店でも「あれ?」と思うときがあります。

今東京ではなにが流行っているのですか?
豆腐の専門の居酒屋が流行っていました。若い女性が行列を造っていました。私も並んで食べました。お洒落で豆腐料理という感じはしませんでした。
それは健康志向で、お洒落で、ダイエットも兼ねると流行るのですか?
ええ。女性にターゲットを絞ると良いようですね。あと昭和22年生まれ前後の「団塊の世代」にターゲットを絞った商品開発、販売を考えています。