ネット販売が市場を創造する
 
今週のゲストはインターネットでコロッケを全国に販売されている(有)デリンベイク専務取締役の細川泰伸さんです。今日のテーマは「ネット販売が市場を創造する」です。
細川さんは、産業振興センターの「E 商人塾」の卒業生です。インターネットで商品を全国に販売される仕組みづくりを研究し、実践する塾ですが、細川さんは数少ない成功者です。
インターネット販売は、ホームページの維持や更新が大変ではないのでしょうか? 製造・販売の仕事をされ、パソコンでの作業はそれこそ大変だと思いますが・・・。
仕事はどの仕事も大変だと思いますのでそんなに辛くはは思ってはいません。
それにホームページは最近あまり触ってませんし・・・
(もっぱらメールです。)メールマガジンに力を入れています。
独自のホームページ以外に、インターネットのショッピングモールである、楽天にも
出店されています。それぞれの反応はどうのようなものでしょうか?
 
ここが一番のポイントだと思います。売る商材によって、どっちで売るかが変わってくると思います。大ざっぱに分けて
  
   独自・・・コンテンツで売る(ページで売る。探してくれるページです9
   楽天・・・メールで売る(バックオフィスがしっかりしているから)

  検索してくれる商材は、「独自」向きだと思います。
  探してくれない商材は、「楽天」向きだと思います。

「あ〜、お腹がすいた〜」
パソコンの電源を入れて、インターネットエクスプローラーを立ち上げてヤフーを開いて、「コロッケ」で検索!そんな人はそうそういないでしょう!
しかし、パソコンをしている人は、ほとんど「メール」をしております。そのメールのなかへ、「今日はこんなコロッケがあります」「こんな思いでコロッケにしました」「いかがですか?」 提案すれば、購買モードへスイッチが切り替わります。
簡単ではありませんけど・・・

楽天の場合、いわゆる「買い物カゴ」が全店共通なのでお客様の方が買い物慣れしており
途中でやめた!なんてケースはあまりないようです。
あと、楽天だと「楽天」というバックがありますので詐欺に合わずに済むという安心感があるのでしょうか?

楽天は月に5万円程度コストがかかりますね。メリットはどんなところにあるのでしょうか?
メールマガジンですね。どこかで借りて配信する。それは自分の保有しているアドレスを管理するのは非常に大変です。楽天はそのあたりしっかりしていますから、管理は楽です。授業料と思えば良いのです。考え方でしょう。
メールマガジンといえば、まぐまぐだとかマッキーとかメルマなどもあります。そのメールマガジンと楽天のメールマガジンの違いはどこにありますか?
まぐまぐの場合は、差出人が「まぐIDなになに」になっています。受信者はどこから来たかわかりいません。楽天の場合はデリンペイクという差出人がわかります。あと「セグメント配信」がしっかりしています。どういうことかと言いますと、男女別、県別、今回利用した人、利用していない人という具合に分かれます。この人はこのメールを送信するのは初めてとか、わかります。そんな場合はいきなり「分厚い」メールを送るのではなしに、自己紹介的なメールを送ります。使い分けが出来ますから、結果として購買率が高いと言えます。
たしかに無料のメールマガジンは、「余分な」情報までどんときますね。すぐにはどこから来たかわからない。最近の迷惑メールもメールマガジン風なつくりになっています。そこで消費者に警戒されるとところもあります。
それはないですね。後アドレスの管理が楽です。なんにもしなくて良いですから。
ちなみに細川さん発行のメールマガジンの読者数はどのくらいですか・
約4万人です。プレゼント企画などで、集めたメールもあります。全然注文をくれないメールアドレスもありますし。北海道の業者さんのメルマガ読者数は50万人というのもありますので。「待つ営業」ではなくて、「打って出る営業」が出来ますね。

細川さんの顧客の男女比はどうですか?
女性が殆どですね。なかには仕事場のパソコンから注文される方もいらっしゃいますね。ないなに会社営業所からのメールで「仕事場なのでこっそりお願いします」なんていうメールもありました。
売る方も、メールの出し方が非常に楽というメリットがあります。
ただ、費用がかかるというデメリットもありますのでいい事ばかりではありません。要は、自分の商材をどのようにしたら売れるか?という事を、「PLAN」「DO」「SEE」試行錯誤を繰り返して自分のスタイルを見つけることだと思います。

細川さんは「伝えたいことがダイレクトにエンドユーザーに伝わる」と言われていました。
どのような工夫をされていますか?メールマガジンの発刊などもそうなのでしょうか?
最近の消費者には変化はありますか?
ズバリ、メールマガジンです。只今、発行部数は約4万人週2回ペースで配信しております。
メールマガジンが氾濫しておりますのでかなり、反応が薄れてます、ほとんど「ゴミ箱行き」かそのままフォルダの中で眠っているようです。そこで対策としていきなり、送りつけるのではなくまずは、「はじめましてメール」「ご購読ありがとうございましたメール」を出して、自己紹介してから本メルマガに合流という形を取ってます。

それから、内容ですが。あんまりセールスレターにならないように身近な楽しい話題を中心にお届けしております。

E商人塾での仲間達との交流は続いていますか?またE商人塾では現在どのような活動に力をいれているのでしょうか?
はい、今も絶好調で続いております。今は、データベースを活用したメールマーケティングなんかをみんなでやってみようと考えてます。
例えば、カレーコロッケばかりご利用にお客様だけを抽出して新作のカレーコロッケが出来たら特別に案内するなどです。
マスのメールではなく、パーソナルなメールをうまく展開できればと考えています。(購買率が高くなると思います)
それから、ネットでのお客様ですから実際に会った事がありません。
実際に会うともっと親近感が沸くといいましょうかもっと、こちらのメッセージも伝わると思いますので。東京で実演販売したときも、「いつも買ってます」というお客様が来られました。親近感がわくものです。ネット販売のお店でも「オフ会」をやっているところもあるようですし。
お客様を高知に呼ぼうという、壮大な計画をしております。
しかし、なかなか魅力がないと高知まで来てもらえません。
高知の一番の魅力といえば・・・ よさこい祭り!お客様を呼んで一緒に「よさこい」を計画してます。
東京原宿でのスーパーよさこい 2003年のスーパーよさこい
オフ会まで発展させて、実際の顔合わせ会まで実現するわけですね。E 商人塾の仲間達と共同して企画されているのですね。
もちろんです。10店舗集まれば、10人引っ張ってくれば100人ですね。よさこいのチームがひとつできますね。
 ホームページを開設して、それまでとの変化はいかがですか?
現在インターネットでの販売は、細川さんの会社の何割を占めていますか?
1割から2割ですね。お問い合わせが増えました。みなさん探すのはネットでまず探していますね。量販店や生協のバイヤーさんなどもそうですし。雑誌の記者もそうですね。
今後もインターネット販売は伸びると思われますか?
もちろん伸びると思います。やりかた次第ですね。
  その根拠は
  ・パソコン人口は確実に増えます。ネットの店も増えますし、淘汰もされます。
  ・ADSL、光ファイバーなどの環境が良くなります。
  ・一度経験すると本当に便利です。やみつきになりますね。
また今後はどのような商品開発に力をいれておられますか?
手作りの良さをアピールできる商品です。たとえば、カキがそのまま乗ったクリームコロッケなど機械ではまずできないコロッケです。
海鮮コロッケ
蟹クリームコロッケ
 メールや掲示板でのお客さんとのやりとりで、なにか感じられるものはありますか?
そうですね、ありきたりのコロッケに飽きているようです。 手作りのコロッケはやっぱり相手に気持ちが伝わるんだと思います。
細川さんの今後のネット戦略をお聞かせ下さい。
ネットの魅力は、
実際の店頭では「○○コロッケ 100円」としか表記できないところ、いろんな事を表現できます。膨大なメッセージを盛り込むことができますね。
コロッケは一つの挑戦です。
当店では当初、「これぞ、日本一のコロッケ」を目指しておりました。それで、有名なお店のコロッケはどんなコロッケなんだろうと いろいろ食べ歩いたり、取り寄せたり、社内外でアンケートをとったりしました。 その結果は、非常にバラつきがありました。
いろんな有名店の味は、それはそれで美味しいと思いますが全員の好みがバラバラで、これだ!というのが無いんです。
その中で、私が考えた答えは・・・コロッケって、その人が子供の頃食べなれた味が一番なんだということです。思い出が一番いいといいましょうか
「うんうん、この味なんだ!」が一番ホッとするのかもしれません。
当店のコロッケを大絶賛の方もいらっしゃれば全くそうでない方もいらっしゃいます。
それはそれで当たり前だと思っております。
そこで当店では「日本一のコロッケ」は「皆様の思い出のコロッケ」に譲り「皆様にとって二番目のコロッケ」を目指すことにしました。
コロッケは、もともとフランスから「クロケット」としてクリームベースで
ジャガイモがつなぎ程度のものが伝わったのが最初だそうです。
それが、日本に来て当時の時代背景もあってか手軽に手に入るジャガイモが主で大衆に好まれる今の形になって全国に広がったといわれてます。

当時は、食べ物が満足にない時に安価なサクサク、ホクホクのコロッケは大のご馳走だったと想像しております。

物があふれ、空腹感をしらない現在コロッケをどのように提案したらいいのか
それが私たちの仕事のように感じております。

私は、コロッケには割った時に出てくる中身の驚き素材の意外な組み合わせで出来る未知の美味しさそして、みんなで楽しめるという魅力があると思っております。

創意工夫を繰り返し、当店の看板コロッケを作ると共に「こんな風なコロッケもあるんだぁ〜」と皆様に楽しんでもらえる、食事が楽しくなるご家族皆様でハッピーな時間を過ごして頂けるそんなコロッケ作りを目指していきたいと思っております。