特別職知事秘書とは?
 
 今週のゲストは高知県特別職知事秘書である今城逸雄さんです。今城さんは昨年から高知県特別職知事秘書をされています。
 初代の高知県特別職知事秘書は現在安芸市助役になられた川竹大輔さんでした。川竹さんにも以前番組に出演いただいたことがありました。一般行政職員と異なる特別職。県では副知事や収入役がこれに当たります。
 今城さんは以前は高知商工会議所に勤務されておられました。仕事の内容がかなり変化されたと思われます。休みなども少なくなったのではないでしょうか?
 そうですね。特別職なので、勤務時間とか休暇とかいうものがありません。残業の扱いにならないので、残業残業手当もつきません。かなり仕事の内容もリズムも変りました。 特別職知事秘書室での今城逸雄さん
 世間が休日と言う時も働いているときが多いのでしょうか?
 土日のイベントとか、いろんな集まりがあり来てくださいと言われることがありますね。
もちろん振り替え休日なんかもありません。
 大変な仕事ですね。
 自分でスケジュール管理をしています。

 前特別職知事秘書でありました川竹大輔さんは「知事は1人であります。私が現地へ出向くと若造ということもあり、県民の皆さんも「身構える」ことなくお話ができます。住民同志では対話がしにくかった伊野町の「放水路問題」でも双方の言い分に耳を傾けることが出来ました。」と言われていました。
 知事の「分身」のような存在なのでしょうか?

 川竹さんが言われたらそのとおりなのでしょう。私のイメージとすれば、水戸黄門に登場する「風車の弥七」といつも思っています。よく特別職知事秘書は「常に知事の傍にいるのではないか。」「スケジュール管理が大変でしょう。」と皆さん言われます。


 そういう仕事は県職員である随行職員やスケジュール管理の職員がいます。その方達2人がいつも黄門様の隣にいる「助さん、格さん」なのですね。私は必要なときに出てくるとか、先回りをして、いろいろ調べものをすると弥七かな。


 でもへたするとうっかり八兵衛かなと。そういう風に思ったりすることが多いですけれども。

今城逸雄さん
 風車の弥七はなかなか意味深な存在でもありますね。密偵のような存在ですね。
 密偵ということもないのですが、若造ですので。皆さん気楽にお話していただけますし、県民の声を聞いて歩くことが、一番大きな仕事です。
 今城さんは、ご自身のホームページのコラムの中で、「商工業界にはなじみがありましたが、農林業分野の人たちとのお付き合いは経験がなかったので大変でした。」と書かれています。特別職知事秘書は「オールラウンドプレイヤー」を要求されるのでしょうか?
 そうですね。県から市町村に60名の地域支援企画員が派遣され、地域の問題やプロジェクトに取り組んでいます。彼らは地域ごとの支援員ですねが、私の場合は全県下のいろんな問題を解決するように動いています。
 オールラウンドプレイヤーかも知れませんが、できる事には限界もありますし、優先順位とか、これは面白いということをピックアップして活動をしています。
 橋本知事について伺います。以前のように外から見られていた頃と、現在のお立場のように「密着」されている立場では何か違うことはありましたか?

 知事をそばで見ていまして思いますのは、人の話をじっくり聞き、そのなかで得られたいろんな情報を処理する力は凄いなと思います。
 上手く言葉で表現して、相手に的確に伝えるのを聞いていると、そばにいて勉強になります。そして発想も柔軟だと思います。でも普通に、あ、お父さんだなというところもありますね。ひじょうに親しみやすい方です。
 知事から言われていることは「県民と知事との間をつなぐこと」「県庁職員の悩みを聞き、改善すること。」「プロジェクト起こしをしてほしい」です。
 県議会県庁の一般職の皆さんや、市町村の人たちとはどのような交際をこころがけているのでしょうか?

 この仕事になる前には商店街の仕事もいろいろさせていただきました。そのときから心がけていることの 一番は直接出向いて話すことです。FAXや電子メールで済ますのではなくて、話すことを心がけています。

 ご多忙の中収録に来て頂きました。初めてお会いしましたが、事前にメールのやりとりもしていたので、スムーズに進行しました。

 特別職知事秘書は「知事の分身」ではなく、先回りして事情を調査する「風車の弥七」という新解釈をされました。

 「プロジェクトをこしらえる」という大きな役割も担っているようです。

 直接対話ということなのでしょうか?

 そうですね。目を見てお互い話しをしませんと、「ああいう風に言っているけれど、本当はどうなの?」となってもいけないので、直接お会いして話をするようにしています。
 しかし直接会って話をするとなりますと、時間がいくらあっても足らないのではないでしょうか?
 だからいつもばたばたしています。
 特別職知事秘書は、知事が失職されますとご自身も失職されます。橋本知事は来年任期満了となります。以後どうされるのでしょうか?おかまいない範囲でお答え下さい。
 今からどうしますとは申し上げれらませんね。一生懸命やっていればまた道は開けるのではないでしょうか?
 そう思い1日、1日を大事に、1人1人お会いする方を大事に考えてやっています。
 自分なりの思惑は、公表できないにしてもあるということでしょうか?
 いや。それは人生一寸先は闇ですから。どういう風に転がるのか予測などつきません。そう思っています。それに現職でまだ半年しか経っていませんし。
 さきほども言われましたが、知事が失職してしまえば、今城さんも同時に失職しますね。まだ若いのに大変だと思います。ご家族は心配されたり、就任に反対意見などなかったのでしょうか?
 この話(特別職知事秘書就任)を知事からいただいたときには、もちろんよく考えました。家族に相談しますと「なかなかこういう仕事は簡単に誰でもできまないし、声がかかるものではないだろう。せっかくのチャンスだから頑張ったら」ということでした。
 妻も背中を押していただきました。
 家族の多大なサポートがあったわけですね。
 

橋本大二郎高知県知事より高知県特別職知事秘書の辞令の交付を受け取る今城逸雄さん。

 (2005年4月 高知県ホームページより転載)

 
 普通だったら自分なんか知事のそばで仕事をするなど出来ません。いろなんな人にもお会いできますし。得がたいことなので頑張らせていただいています。
 また、この仕事は本当にいろんな方にお会いします。商工会議所時代の2年分を1ヶ月足らずで名刺を配りましたから。

 何枚配られましたか?
 5箱ぐらい(500枚)でしたね。
 名刺交換したものの、なかなか顔と名前を覚えられず大変です。
でも覚えようと努力していますので、脳は商工会議所時代に比べ活性化していると思います。
 

 人に会うのが楽しいという人でないと続かないお仕事でしょうね?。
 そうですね。いろんな分野の人に会えますから。楽しいですよ。