キャリア・カウンセリングとは何か?
 
 今週のゲストは、ジョブカフェこうちのセンター長の竹内隆志さんとスタッフの皆様であります松木瑞恵さん。高鴨美和さん、大利忍さん、堅田典子さんに来ていただきました。また香川県からキャリアコンサルタントの小亀重喜さんにも来ていただきました。小亀さんの同級生で同じくキャリアコンサルタントである石井秀臣さんにも来ていただいています。
 今日のテーマは「キャリア・カウンセリングとは何か?」でお話を伺います。
 自分の職業適性ややりたいことなどを見定め、職業選択をすることが望まれる社会になりました。一方で若者の就労率は下がり気味です。そのあたりはどうなのでしょうか。
まず伺いますが「キャリア」という言葉が就労支援関係の事業で使用されています。
一般的には専門性や、資格のように思われています。就労支援活動事業ではいかがですか?
竹内 キャリアとは仕事に関連する職業、進路を指すだけではありません。個人の人生と深く関わる人の生き方という幅広い概念をさします。一人一人が自分の軌跡を自分で眺めてそこで、自分なりの仕事を関わり方、意味をみつめていただいて将来に目を向けることが必要であると思います。
 ジョブカフェこうちでは、「直結的」に仕事をご紹介するのではなくて、若者自身が、「何が出来るのか」「何をしたいのか」を把握しながら、自分で納得のできる仕事をされるように努力されることを援助します。
 将来への夢と希望を持って、多くの人の話しを聞きながら、自らの進む道を考えていただき、気づいて行動する場所として、活用していただきたい思います。
ジョブカフェこうちのフリースペースでは、「キャリア形成」「キャリアコンサル」関しての書籍が設置されています。
 将来の大きな職業選択のためにジョブカフェがあることは良く理解できました。とは申しましても最近就職難もあり、大学生などが在学中から国家試(行政書士や税理士など)を取得するために孟勉強をしています。それにつ専門家としてどう思われますが?
竹内 資格ブームになっているのではないかと思いますね。なんか資格をとっていれば将来就職に役立つのではというないかという漠然とした気持ちであれば取得した後で、十分に活かしきれない事例が多いのでないかと思います。
キャリアと言いますとMBL(経営士)とか、特別専門職のようにイメージをしてしま  いますが。また高級官僚のことを言ったりしていますが。保菌者のことを示したりも
います。やはり「定義」が必要だと思います。
竹内 キャリアの定義はあるにはありますが、なじみにくいものですね。概念的なものを申しますと、生涯において個人が占める一連の立場、または人生の年齢や場面や様々な役割を組み合わせという風に表現されています。
 確かにご指摘のある意味合いに日本では使用されてきました。経歴とか経験。職業、専門的な知識。そして中央官僚の俗称が定着しています。
 キャリア発達のキャリアの明確な定義はなく、従来の意味を当てはめて使用されていますのでそこに混乱の原因があるかもしれません。
 就労希望者本人の能力や希望、能力をどのような方法で「見極める」のでしょうか?
またジョブカフェこうちには、キャリアコンサルタントや相談員スタッフが常駐しています。どのような相談が多く、またどのように対処されているのでしょうか?
様々な診断項目が入っているパソコンが4台設置されています。また奥の部屋などでは個別相談もおこなわれています。

竹内 どのような方法で能力を見極めをするのかという質問でしたが、キャリアカウンセリングでは十分な知識のもとに適切なキャリア決定ができるように援助することです。
 クライエントと専門的には言いますが、所謂相談者の方が、ジョブカフェこうちではキャリアコンサルタントと呼んでいますが、カウンセラーとクライエントの人達との対話を通じて、個人が主体となっていただいて職業選択の主体となっていただくことです。
 それがキャリアプランニングと言われています。そのキャリアプランニングをより効果的にするためには、フォーマルアセスメントと言われている「職業適性診断ツール」、当ジョブカフェこうちではパソコンの中に職業適性診断プログラムというものを入れていますが、ご自由に利用できます。それを当センターで活用いただくことがフォーマルアセスメントといわれているものです。


 とくに基準や形式はありませんが、インフォーマルアセスメントがあります。
 コンサルタントが相談者のことを良く理解し、また相談者自身もご自身のことも良く知っていただくために必要に応じて使うやりかたもあります。何かのいろんな項目をチェックリストにしてあげる。そうした中で聞き取りをしていく。カードに答えを書いていただきまして、相談者の気持ちを理解していくやりかたをします。ある程度のイメージをこちらが想定します。ガイドイメージといいます。場面を想像していただきまして、相談者に「あなたは今こういう岐路に立っています」とか想定して考えていただきます。いろんなやり方としてのインフォーマルアセスメントというツール(道具)もあります。

収録の様子です。
 フォーマルアセスメントやインフォーマルアセスメントの説明は詳しくしていただきました。
 ジョブカフェこうちにはパソコンが設置してあります。私もその適性検査や、性格診断などの項目もやってみました。ちなみに私の
場合は、適性な職業が、「外科医」とか「ネールアーティスト」とか全く予想しない職業になりましたが。その結果は信用できるのでしょうか?やりかたが間違っていたのでしょうか?
竹内 良く質問が出ます。まず大事なのはコンサルタントが相談者のことをより良く理解し、相談者もご自身のことを良く知っていただくことです。そうしたツールは必要に応じて使うものだということです。実施するにあたりましては「心構え」も必要だということです。
 アセスメントを実施しますと、面接などで同じ情報を収集するよりも、コンピュータを使ったように、容易に短時間で得られますので、アセスメントの結果に頼りすぎるきらいも出てきます。
 ただ次の点を十分に注意していただいて、シールに取り組んでいただきたいと思います。

まず1つめは「具体的な目的がある場合」にしかそのアセスメント・ツールを使わない。ということです。
2番目に実際に活用する場合に診断ツールについて、活用する前に十分に熟知していることです。

3番目に事前に相談者にアセスメントの実施方法の理解をしていただくこと。それも相談員、キャリアコンサルタントの使命です。

4番目に 結果の解釈は柔軟に行っていただくことです。
5番目に 結果を相談者自身に留めずに我々コンサルタントとともに共有していただくことです。
6番目に決してアセスメントの結果がすべてではありませんので、頼らないようにしてください。ということが上げられると思います。

ジョブカフェこうちセンター長竹内隆志さん。開設以降県民の期待をひしひしと感じます。