ストレス社会と癒しについて
 今週のゲストは土佐町で農業に取り組まれている川田雅敏さんと、川田さんの師匠で本山町で自然農を実践されている北村大助さんに来ていただきました。
 今日のテーマは「ストレス社会と癒しについて」でお話を伺います。
 日本では年間3万人を超える人達が自殺しています。うち3分の2が中高年以上です。自ら命を断つ人が、交通事故死の2倍いること自体異常な社会ではないのでしょうか。
 暗い話が先行しましたが、北村さんのお話を聞きますと、定年になってから農業を始め、ワーキングホリディなどの構想実現のために行動されています。ストレス社会とは対極にあるよいうに思えます。

北村
 やはり3万人の自殺者がいるということは、将来への展望を失ったからではないかと思います。定年期をを目指して、農のある暮らしをしました。
 今「100万人ふるさと回帰運動」が、日本1のNPOが提唱しています。連合とJAが支援しています。私はこういうことも含めて私の役割は、定年帰農して、こういうことが出来ると強く言うのではありません。私が実践することにより、私の農園へ来ていただき体験していただきたいのです。
 やはり生きていっている姿を、後から来る人達に見せ、その道しるべになれば良いと思っています。
 川田さんは団塊の世代ですね。一番人口の多い世代が定年を迎え、医療費や年金が破綻するなどと言われていますね。介護保険や年金が破綻するなどと言われています。
 農業に実際に取り組まれて感じられたことはどうなところでしょうか?

団塊の世代は、全共闘世代、ビートルズ世代とも言われています。受験戦争ー大学闘争ー猛烈社員ーニューファミリー、Gパンやロック音楽文化を広めた世代です。

今団塊の世代が、定年を迎え「リタイヤ」の準備に入ってきています。年金ー医療費ー介護保険など社会制度の変革に繋がるのでしょうか?

川田 農業を始める前は、私はNHKの記者でしたし、高知県議会議員も2期勤めました。わたしの身近に生産手段として農地があったり、借りやすい条件にありました。
 年金生活と言いましても、これからは安泰ではないでしょう。そう考えたときに少しでも収入のある道を考えたいと思いました。実際に農業で収入を上げたいと思いました。
 実際に取り組んでいますと、ストレスがなくて良いんですよ。そういう意味でも団塊の世代に、企業戦士の仲間達が、年金をもらいながら農業をして収入を得る地域社会も現実的に考えられるのではないかと思います。
 私もその先駆者となるべく頑張ってみたいと思っています。
地域の人達との共同作業もあります。 仲間との懇談でストレス社会とは無縁の川田雅敏さん。(作業小屋落成式にて撮影しました)

 沢山の人が参入してきましたら、世の中変わりますね。

北村 そうですね。各市町村に、私達(都会に住んでいた地方出身者)が」帰れる場所を提供してほしい。という「受け皿」を要求しています。

 わたしも自分が実践することで、その人達のために、勇気付けていただいて、ふるさとへ回帰してこうしてのびのびと生きていける。
 一歩踏み出すことが出来れば良いことですね。

北村大助さん
 普通定年と言いますと、会社一筋人間には,放心したように目標を失う人達も大勢いるようです。体や精神が弱ったりします、皆さんは定年を目標に、農業をされています。北村さんはもっといろんな人にお勧めしたいと思いますが・・
北村 口で薦めません。何よりも定年後の10年の自分の姿を見ていただくことが何よりだと思います。ワーキングホリディによって、交流を深めたいですね。田舎のよさを都市の人に知っていただきたいので・・。
 
川田 私も農業は全くしたことはありませんでした。鍬1本から買いまして、土地も借りました。
 私が農業で成功すれば、後に続く人に参考にあると思いますし。
川田雅敏さん
 癒しについては、農業セラピーについても聞いたことがあります。以前番組ゲストに来ていただきました池脇純一さんからも聞きました。
 また川田さんは、以前外国に行かれて「先駆例」を見られたように伺いましたけれども。

川田 一昨年の4月にイギリスのファームスティに行ってみました。意外だったのは、行く飛行機の中で客室乗務員の人に、私がイギリスでファームスティの行く話しをしました。すると「実は私も来月イギリスでファームスティに行きます」という話をされましたので驚きました。
 都会でストレスの多い人達が、イギリスの農家に滞在されて心が癒される。そういうことを求めているのだなと思いました。


 実際にイギリスに行きまして、どういう形でイギリスのファームスティが成り立っているのか。シャワーとかお風呂とか。家族とのやりとりとか、部屋の間取りなどを見てきました。
 日本でも受け入れ態勢をしっかりこしらえればいけるのではないかと思いました。

 北村さん自身の個人的努力によってかなり実現できると思います。また地域社会の協力も先ほど川田さんも言われましたが、必要であると思います。仕組みづくりも大事になりますね。
北村 そのとうりですね。私はふるさとに帰り農業をしているにも地域を元気にしようと思ったからです。平成11年から町議会議員をしていますのも行政にも携わるようになりました。
 やはり行政がまだまだ立ち遅れている。本当は地域ぐるみでこういう元気な町に取り組んでいくことが必要なのです。その為には人口を増やしていくことが必要です。ふるさと回帰運動の「受け皿」が必要だからです。
川田メダカ農園での作業の様子です。(川田雅敏さん撮影。川田メダカ農園のホームページより転載しました)
川田 そうですね。三位一体とか市町村合併の問題も、「がらがらぽん」で考えなければなりません。そのほか郵政の問題、役場の問題なども必要です。農協の問題もそうです。

 がらがらぽんで白紙にして、これから農業問題なり、高齢者の問題なりを、どのような形で地域をこしらえていくか。もはや今までの既存の考え方では問題を解決することは難しいのではないかと思いますね。
*北村大助さんが言われていました「ふるさと回帰」運動は、連合とJAが連携して展開されています。
   ふるさと回帰支援センター  http://sv38.bestsystems.net/~daxpy000/about.html
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