介護相談お助けハンドブックについて
  今週のゲストは薬剤師の川添哲嗣さんです。今日のテーマは「 介護相談お助けハンドブックについて 」についてお話を伺います。
 川添さんの働きかけで県下187店舗の薬局・薬店が介護保険についてなどの研修を受け、「介護まちかど相談所」の登録をしています。しかしまだ県民各位に浸透するのはこれからの課題であると思われます。
県民市民への広報活動が必要であると思います。実は私も福祉住環境コーディネー  ターの笹岡和泉さんに紹介受けるまで、知りませんでした。社会的に意義のある活動な ので、広報活動は大事であると思いますが・・・・。
はい。まちかど相談所を知らないと言う方が結構いらいしゃいます。
 実は1昨年は新聞、昨年はTV取材が3回と県の広報に1回載せてもらいましたが、反応は今ひとつでした。それで、昨年の年末「待っていてもダメだからこっちからどんどん聞き出していってみよう」ということで「介護のことで何かお困りのことはありませんか?」と質問をなげかけるようにしたところ、87件の相談事例が挙がってきたのです

 実は声かけをした人数は県下全域で891人です。つまり、1割の方が何かしらお困りのことがあったと言うことですね。これからも相談を待っているんじゃなくて、どんどん声かけをしていく方針です。お金をかけて継続した広報活動ならまだしも、単発の広報活動をしてもそんなに相談件数が上がるとは思えませんので。

介護相談お助けハンドブック。介護に関する情報がまとめられています。対処法、相談方法が一目瞭然。

ハンドブックは介護まちかど相談所の看板がある薬局か市町村役場に置かれています・

今後も声がけをされて、単発の広報活動ではなくて、関心をもたれている方に、きちんと広報され、介護相談お助けハンドブックを活用されていくのですね。

行政機関の協力はどうなのでしょうか?介護施設や、市町村の福祉窓口の電話番号な  ども「介護相談お助けハンドブック」には掲載されていまして、大変便利ですが。

各市町村にはとりあえず少しずつお配りしています。これから各地の薬局で手分けしてさらにおいてもらう様にしようと思っています。
介護まちかど相談所を設置されまして、市民から持ち込まれている相談内容の事例はどのようなものがありますか?おかまいない範囲でご紹介下さい。
 76歳男性の奥さんからの相談。主人の尿失禁回数が増えてきました。脳梗塞がもとで、手が利かないためにズボンを下げることが間に合いません。家のトイレは部屋のそばゆえ間に合いますが、外出時は間に合いません。頻尿治療薬は服用中ですが、効果はまだはっきりしません。また、ご主人は近所なのに道に迷うことも多くなってきました。ちなみに介護認定は受けていません。いろいろいっぺんに悪くなり、奥様もパニック状態で、どうしていいやらわからなくなっていました。

 こちらのアドバイス内容としましては、外では尿パッド、はくパンツなどの使用も考慮。薬の指導だけでは限界がありました。。迷子になることについては、痴呆の疑いも出てきていますので、専門医に受診したほうがよいとアドバイスしました。また、介護に関する相談を一度しておくほうがよいと思い「介護お助けハンドブック」で相談の仕方を伝え、市町村窓口や在宅介護支援センターを紹介いたしました。

 市町村窓口へ相談した結果、要介護認定を受けることになりました。ご主人の判定は介護度2。ベッドのレンタル開始。家族負担軽減の意味もあります。心不全ゆえ少しの運動でもしんどくなり、リハビリは困難。専門医ではアルツハイマー型痴呆とも診断され、抗アルツハイマー薬開始となりました。このごろは一時期ほどひどくなくなり落ち着かれています。家族の方も医療介護両面からのアドバイスを喜んでくださいました。

 なるほど大変大きな社会的な役割を果たされましたね。

介護に関する相談も多様な事例にたいし、きちんと対応しています。関係機関の紹介もされています。

 

(相談風景です)

 「医療と介護」両方の橋渡しが私たちは出来ます。ドクター(医師)とも話が出来ますし。薬剤師は口をはばかりませんし。介護のお立場の方々は、少し医師には遠慮方なところがあるようですので。薬剤師は両方の立場がわかる存在ですので、大いに活用をしていただきたいのです。
 「介護相談お助けハンドブック」はどこで配布されていますか?どちらへ行けば手に入るのでしょうか?
 まず「介護まちかど相談所」と書かれた黄色い看板のシールが薬局の店頭に貼られています。それを目印に行ってください。その薬局でもらえます。あと市町村にも少しありますが、もしかしたらないかもしれません。
 県下全所帯に1冊と言う発想もありましたが、なかなか経費がかかるもので、実現はしていません。各市町村の役場へは置いていただけるように今後は働きかけていきます。
「介護相談お助けハンドブック」の活用のしかたを説明いただけますか?実際の活用の仕方を今一度説明いただけますか。
イラストや4コマ漫画を見てください。当てはまる事例があると思います。
 中味ですが、ひじょうにイラストが沢山あります。まず楽しみながら読んでいただきたいです。そして自分に当てはまる相談事例があるかもしれないと思って読んでください。4コマ漫画もあります。これに該当することがありましたら、相談いただいたら良いですね。
 また事業所や行政の相談窓口の住所や電話番号も掲載されていますから活用してください。
 パンフレットともよりのまちかど相談所で相談され、市町村の窓口へ行く。介護お助けハンドブックと介護まちかど相談所と両方活用すれば良いのですね。役にたつハンドブックと思いました。 配布は全所帯には行き渡ってはいませんが、必要とされている人には渡っているのでしょうか?必要な人に行き渡る方針なのでしょうか?
 そうですね。薬局側にもきちんとした知識が要ります。研修を受けた薬局以外はまだ置いていません。お配りする時は、全体のシステムはこうなっていますと付け加えながらお配りしています。

 なかなか一遍には行かないものです。

 社会的に意味のある活動だと思いました。市民の側も「介護お助け相談所」なり「介護お助けハンドブック」を積極的に活用すべきだと思います。
 薬剤師さんの役割は、薬を調剤して出すだけではなくて、社会的な役割があるということがよく理解できました。社会的なサポーターと言うか、コーディネーターのような役割を果たされています。
 医療ー介護ー福祉は一つのものと考えてください。
全部の面からアドバイスをさせていただきます。