NPO法人化の意義目的は?
 今週のゲストは、高知市こども劇場運営委員長の北村絵理さんです。今日のテーマは「NPO法人化の意義目的は?」でお話を伺います。
  1971年に設立されました高知市こども劇場。来年4月からは特定非営利活動法人(NPO)として活動をされるようなのですが・・・。
今まで高知市こども劇場は、会員の会費で運営されてこられました。活動に独自性が あったと思います。今あえてNPO法人にされる理由はなにでしょうか?

 法人化しても会費で運営することには変わりはありません。活動内容に関しても殆ど変化はありません。ただ意識と言いますか、ずっとやってきた35年間になるんですけど団体として、社会になかでの声というものをはっきりさせたい。


 なにか役割があると思いますので、それを意識して、自分達のこの状況の中で出来ることは何か。運営側も考えながら、やりたいと思っています。

北村絵理
法人格を持つことは、事業計画を立て、決算もしなければなりません。会の理事の法 的な責任も取る形になります。当然今までもそれはされてこられています。
NPOになることで、「縛り」はないのでしょうか?
 いろんな話をしました。何年もかけて。具体的な話になったのは1年ぐらい前からです。準備会と言う形でずっと話をしてきました。皆、いろんな考えを言ったりしていました。「縛り」という感覚はありません。
NPOになることは、企業や団体からの寄付や協賛金が得られやすいのでしょうか?
またそのことも活動目的にされておられるでしょうか?大きな目的ではないでしょうが。
 そうですね。具体的にはそうないのですが、「共感を得られる団体」になるために、共感を得ることが大事だといろんなところでお話を聞くのですが。自分達がやりたい活動。社会の中で果たす役割。こういうことをしたいと思っていること。たくさんの人達に「共感」を持っていただいて、一緒に考え行動してもらうということは大事ではないかと思っています。
 確かに会費で運営されて、事務局経費も払って来られたわけですから、その団体がNPOになるということは、考え方によっては「プラス・アルファ」の要素があると思いました。NPOは私も関わりがありますが、経理面といいますか、財政面が大変で、会員の負担が大きくなってしまう。
 結局「助成金」を貰わなければやっていけない状態で、申請のためのエントリーばかりするようになりますね。本末転倒でおかしくなるNPOもあるようです。こども劇場の場合はそうなることはありえないですね。
 会員数もどんどん増えていくわけではないので、運営も厳しいと言えば厳しいです。でもやはり活動内容をしっかりさせて、やりたいことに対して、助成金をいただけるように活動していきます。独自性を保ちながら、共感を得てお金を集めて、運営していきたいなと思っています。
 何とか財団とか助成金を申請すればいただける団体はたくさんあります。でも審査は厳しく、締め切り期限も短いようです。それこそ専門の人が業務でしないと無理な助成金申請が多いようですね。
 それこそ助成金申請に振り回されたら大変です。自分達のやりたいことがあって、いつもそういうたくわえがあって、その申請の時期があって、うまく合うと良いのですが。
収録の様子です。北村絵理さんは慎重に言葉を選びながらおはなしいただきました。こども劇場の歴史、活動の様子がよく理解することができました。
 北村さんは「社会に対して広がりを持つために、社会的顔と言える法人格を持ちたいと思います。」と述べられています。従来の会員獲得のしくみだけではなく、いろん  な形の会員や賛助会員、特別会員をこしらえていかれるのでしょうか?
 今は会員というのは、正会員と賛助会員です。その形は変わりません。賛助会員を増やして行きたいと思っています。自分達の会に共感を持って、いろんな意味で支えてくださる会員を増やしていきたいと思っています。
 会の運営をサポーターとしてのボランティアの組織化はどうなっているのでしょう か?学生などは参加していないのでしょうか?こども劇場の「卒業生」を組織されたらいかがでしょうか?
 そうですね。大学生や高校生に参加していただきたいと思っています。高知大学とか高知女子大学とか高知工科大学とか。学生さんたちに応援団とか、サポーターとして関わっていただければなあと思いますが。
 卒業生の青年は殆ど県外に出られた人達で、今何人か活動をしていただいています。なかなかたくさんの人達がサポーターになっていただけるじょうきょうではないので、募集したいと思っています。
 学生、高校生、大学生は元気ですからね。いろんな事業を準備する、運営するということは、マンパワーとしてはかなり力もありますね。
 先般は、はりまや橋商店街で、ラオスに学校を建てると言う名目で高知商業高校の生徒達がストリート・フェスティバルを開催されていました。最初は戸惑う生徒もいましたが、慣れるにつれ、声も出るようになりましたね。
 インターン・シップなんて、今就職難で言われています。学生の研修の受け入れなども考えられたらいかがでしょうか。
高知商業高校生徒会がラオスに学校を建てる運動として展開している「はりまや橋ストーリー・フェスチバルの様子です。

 なんかの形で協力いただけば嬉しいなと思うのですが。
 生涯会員制度はあるのでしょうか?福祉の分野であるデイサービス等では、高齢者のために童謡教室などもありますし、寸劇もあります。介護予防や痴呆予防に演劇や人形劇は効果があると思われますが・・・こども劇場としてやれそうなこともあると思いますが
 生涯会員制度というのは是非採用してみたいですね。できればです。後予防には効果があると思いますので、おじいちゃん、おばあちゃん、孫という参加も多いので、お年寄りだけ、若者だけでなくて、一緒に暮らしていける。同じ空間で笑いあえる。そういう空間を造って行きたいと思っています。