第3世界との連帯は?
 今週のゲストは生活協同組合高知こだわりコープ専務理事の北岡徹さんです。今日のテーマは[第3世界との連帯は?」でお話を伺います。
 日本政府の農業政策は国内農地をつぶし、外国産農産物を大量に安く輸入する方針です。しかし商品経済のなかでの農産物の扱いは消費者本位とは言えず、産地偽装や農薬大量使用(ポストハーベスト問題)、遺伝子組替え農産物、加工品の輸入などが目立っています。
国内産地の生産者とは契約栽培などされていますが、国外の農産物などは取り扱いされていますか?
 一番今、コープ自然派として取り組んでいますのは、フィリピンで有機認証のバナナを栽培していただいています。そこと提携しまして、扱っています。専用コンテナーで運んでいます。
 青いバナナをもってきまして、熟れさせるために、一般的なガスは使用しません。
高知こだわりコープのチラシに「アフガンの子供たちに虹色マフラーを編もう」という記述がありました。第3世界との連帯事業は進行しているのでしょうか?
 以前番組ゲストで出演いただきました田岡真由美さんは、かつて青年海外協力隊でタイへ行かれ、女性たちの特産品作りの指導をされていました。
 随分前から取り組んでいます。タイの方ではエコシュリンクをしています。アジアの周辺の国は日本に売ればお金になることで、経済活動の一環として自然破壊が行われています。マングローブの林を切り倒して、ため池をこしらえ、ブラックタイガーという海老を養殖します。日本に輸出しています。バナナも輸出しています。
 私たちは現地の人達の健康問題や自然環境にもも配慮し、自然のため池で海老を作っていただいているところと提携します。当然現地の人達の雇用も生まれます。安全な作業が出来ますので、健康被害もありません。

 アフリカのジンバブエの手工業と言うことで、Tシャツなども扱います。ケニアの紅茶なども扱っています。

 第3世界は失業率も高く、そのことが原因で戦争や内乱が耐えません。あちらの産物を日本で販売すれば、雇用を創出し、平和的な国際貢献が可能です。高知でも高知商業高校がラオスに学校を建てる運動を10年前からしています。高知こだわりコープでも構想はありますか?
 現在正直なところそこまでは至っていません。今後そういう部分も考えて行くべきではないかと思います。なかなかまだまだ小さな生協ですのでどこまでやれるのかなと言うところです。

 昔3世界ショップがありました。第3世界の産物を日本で販売し、途上国の地域を支援 しようという取り組みでしたが。連携などはないのでしょうか?
 今もあります。以前から高知こだわりコープとの付き合いもあります。例えば民族楽器のようなものもありました。衣料品やぞうりのようなものを扱い事もありました。
収録の様子。こちらの質問に豊富な実践事例をもとに、わかりやすく丁寧に答えていただきました。 収録の様子です
  配布チラシにドミニカの生産者との交流もあるようで、チョコレートなども販売され ているようです。コーヒーなどは取り扱いはされていないのでしょうか?
 コーヒーのほうも、実はオーガニックの認証を受けたものを取り扱っています。
 アルゼンチンの蜂蜜などもあります。移民された日本人の農園から輸入しています。
切り口としては、国産でということですが、外国からのもの有機認証を受けたものを扱っています。ワインなども「オーガニックワイン」を扱っています。余分な添加物のないものを取り扱っています。
 国際的に流通しているもので、安全なものを仕入れて供給できたら、商品点数は増えますね。結果的に生産者との連携、より安全なものを組合員に提供出来ますね。
 そうですね。紅茶なども日本で栽培しているところもあります。しかしお茶になりますね。嗜好品ですので、安全であれば、現地の人達の雇用増にもなりますので、提携はしていきます。
 コープ自然派の新しいチラシを見ますと、「フェア・トレードフェア」と書かれています。「お買い物で国際協力」とありました。ヤクの毛で編みこんだカーディガン、手編みのバック、香辛料のブレンド、ネパールの女性が造る手すき和紙でのレターセットなどがありました。この取り組みについてお話下さい。

「フェアトレードフェア」と書かれたコープ自然派のチラシ。「お買い物で国際協力」と訴えています。

 産地の雇用を作り出し、対等な商取引を実現させることです。無添加や自然生態系への配慮の「国際化」事業とも言えるのではないでしょうか。

 以前から取り組んでいましたが、これからの大きな課題だと思っています。商品の幅を広げることもしています。従来の日本の第3世界への援助のやりかたは、ODAなどもお金をばら撒き、資材を送りつけるだけでした。現地の雇用など産業おこしにはなりませんでした。
 それがNGOなどが中心になり、地域の自然環境や伝統文化を守る取り組みから、中間搾取をしない形で、市民と市民の対等な交易を実践していますのが「フェア・トレードフェア」です。
 それを支援していくことです。毎月ではありませんが、季節季節でいろんな商品を扱っています。
   
 手工芸グループは、「技術を見につけ、仕事を持つことで他斜の支配から逃れ自立することができる」というマハトマ・ガンジーの思想のもと織り、染め、縫製をされているインドの女性グループもあります。