有機無農薬栽培のお茶について
 今週のゲストは国友林業代表者の国友昭香さんです。国友さんは土木建設業や他の事業も手広く展開されています。数年前から有機栽培の日本茶の栽培にも取り組まれています。
 今日のテーマは「有機無農薬栽培のお茶について」でお話をお聞きします。国友さんはいの町の旧吾北村地域で独自に数年前から有機栽培の日本茶の栽培に取り組まれています。
栽培されているお茶の種類は山茶とお聞きしました。どのようなお茶なのでしょうか?
また栽培地に適しているお茶なのでしょうか?
   

国友さんによれば、山茶は吾北地域に自生していたお茶です。杉の林のなかで自生しています。

(写真は国友さん提供)

 
 山茶を栽培し始めまして6年目になります。山茶と申しますのは、わたしどもの山の自生している在来種と言われております。これは日本にもともとあったのか、古い時代、弘法大師の時代に中国から帰化したのか学説的には分かれているようです。
 現状では杉の林の中にひじょうにたくさん自生しています。自生しているということは、その植物にとりましては適地ということです。そうとらえまして山茶に限定して栽培しております。
山茶の栽培の様子です。
(写真は国友さん提供)
 
 お茶の栽培で苦労されたことはどのようなことなのでしょうか?また農薬を使用しないと言うことは、作業にも大変労力がかかると思われますが、労働力の分配はどのようにされたのでしょうか?
 わが社がお茶に取り組みだしましたのは中心である土木建設業が、今後国や県の財政状況では、補正予算などがつかなくなりました。そうしましたら春先に社員の首切りをしなければいけない状況になってしまいます。
 それを精一杯避けたい。春先に作業員が出来る仕事を構えるということです。お茶は1年を通じて労力が沢山いるわけではなく、4月、5月、6月に一番労力が必要です。そういうことでお茶に取り組みました。
 昔吾北のお茶は「もみの木山の青茶」と言いまして江戸時代から京阪神のほうへも有名であったとの資料もあります。それと静岡へ「ノーブランド」で送られていました。香りがひじょうに良いということで、静岡茶にブレンドされまして、日本でも香りの良いお茶ー土佐茶というような背景がありました。
 ですので、「香りのよいお茶を再現したい。」「社員の首切りはしない」ということでお茶の栽培を始めました。
国友昭香さん
 山茶と言う独特の自生のお茶を有機無農薬栽培をされておられます。
問題はお茶の販路であると思います。国友さんはどのような販路を想定されているのでしょうか?

 夢としましては直接販売といいますか、今の生活にかけていることを感じます。火を身近に感じたり、煙を身近に感じたりとか、自然の香りを身近に感じたりとか。そういうことが今の現代人為は欠けています。そういうことが出来る場所を可能であれば、自社でつくって、スローフード的なことを無農薬有機栽培のお茶を自分で、囲炉裏で沸かして、自分で炒って飲んでいただく。
 そういう空間をぜひとも造りたいと思っています。
 また完全無農薬有機栽培のお茶は意外にありません。非常に難しいのです。地域のお茶栽培の方が消毒されますと影響を受けます。完全無農薬の場合、病気が発生したり、害虫が発生しますと近隣の農家にご迷惑を掛けます。
 かなり根性の入った栽培農家ではないと、こういう完全無農薬栽培のお茶はつくれません。うちは近隣に田畑の無い山の奥地で、他の農作物に影響を受けないですので、林業の関係で自分の環境を生かした特性や、セールスポイントをインターネットも活用して販売していきたいとも考えています。
 それと全く違った発想で、いままでのお茶と違います。高級フレンチの後で飲んでいただきます。レストランへの提案も考えています。

「無農薬・有機栽培」された山茶。「りぐり山茶」と名付けられています。

 「りぐる」は土佐弁で「丹念に仕上げる」という意味があり、絶対的な品質への自信が溢れているようです。


 お茶に合うお菓子とか、料理とか提案もどんどんされていかれるのですね。地元でその雰囲気を味わえる。その自然環境の中で味わっていただきたいという構想をもたれているのですね。将来はレストランなどもなさるのでしょうか。

 レストランは「都会に田舎の切り売りをする」ということで、青山や麻布のレストランに食後のお茶にしてみたいということです。そういう部分です。田舎を都市のボリュームのある人に「切り売り」することですね。
 商売としてなりたちはしないかと。都市生活の方はそういうものを求めているようです。私都市生活が長かったですので感じます。
 それと国道の改良が地元でも進みました。地域でそういう空間をこしらえまして提案する。両方の観点をやっていきたいと思います。
いの町を流れる清流に淀川。水質は日本1ともいえます。