災害体験を高知でどう生かす その1
 今週のゲストは(有)夢千年の暮らし PRODUCE&DESIGN代表であり、日本民家再生リサイクル協会の黒田武儀さんと、地元高知でNPO法人「我が家を見直す会」事務局長の西田政雄さんです。
 2人は3月19日、ソーレで開催される「震災からの復興〜今 そしてこれから」の実行委員会をされています。西田さんは実行委員長。黒田さんは討論会の進行役です。主催者側として関わっています。
 今日にテーマは「災害体験を高知でどう生かす その1」お話を伺います。
 山古志村村長や、神戸市の商店街理事長、土佐清水市の区長などのパネラーが「震災からの復興 今そしてこれから」の討論会にも参加いただきます。
 そもそもフォーラムをこの高知で開催する意義について、西田さんに
伺いたいと思いますが・・・。実行委員長としてどのような企画の中から出てきたのでしょうか?

西田 ご存知の方も多いと思いますが、毎年12月に「市民が作る防災フォーラム」というのをやっています。第6回終了し、今年は7回目を立ち上げる予定です。
 これはあくまで、防災といいまして、災害に備えるということです。今回の目的、従来の防災フォーラムなどでは「罹災後の復興」と言うのものが殆ど語られていません。


 現状やっていることを知っておれば事後の復興もスムーズに行くのではないか。それで、神戸市や山古志村に学ぶべきではないかと。
 今回招聘を確認するために、1月16日、17日に神戸に伺いました。鷹取の公民館で山古志村の長島村長さんと、鷹取商店街の石井理事長さんを口説くために「地震など来ないと思っていた神戸と、新潟の経験を、来るぞ来るぞと言って何も備えをしない高知県民にその経験を伝えてくれませんか」とお願いしました。
こういうことから今回の企画と開催に繋がりました。

西田政雄さん
よく高知では「南海地震が30年以内に確実に起こるだろう。」と聞きます。シティFMのスタジオにも津波がきたら高知市内のある市街区域は相当の部分が水没するように印刷物に掲載されています。
 では具体的に市民が何か用意をしているかと言いますと、それほど意識が高いとは言えません。役所のほうはどうかなと思いましても知る由もありません。そのあたりは西田さんはどう思いわれますか?
 調査された結果はいかがでしたでしょうか?
西田 私は横内に住んでいます。たまたま横内公園で、今60トンの備蓄水の基地を公園で作り始めました。
 高知を含めてですが、地震直後から3日間は自分で生き残れと言われています。高知県は3日間では無理だと思いますね。
 高知県全体が山古志村状態になります。恐らく道路は全部崩れるでしょう。海の港はバースが津波で崩壊するでしょう。なってみねければわかりませんが、そうなる可能性が高いですね。
 となると本当の復旧活動が始まるのは、5日も6日も経ってからでしょうね。酷い場合は10日の先になる可能性もありますし。なんらかの備えを自分たちで守りなさいよと。
 何の供えも無くて、大変な思いをされた神戸や新潟の人達が来るわけですから、いろんな言い話を聞いて自分なりの復興や準備に繋げていただいたらなと思いますね。
 来るぞ来るぞと言いましたも、学校では火事の避難訓練はしましても地震のはあまりしませんね。
西田 そうですね。自主防災組織の立ち上げを各地で進めていますが、そのなかで面白いのは、町内会で半分負担して消火栓をつくりなさいというのがあります。ライフラインが破綻する可能性があるのに、消火栓が意味があるのでしょうか。
 有事の時ですから、地震だけでなく火事もありますから無駄ではないでしょうが。地震対策ではちくはぐですね。

 

(2004年12月19日に開催されました。)
第6回市民がつくる防災フォーラムでの西田政雄さん
 
黒田 むしろ手押しのポンプの井戸を確保するほうが良いのではないかと思いますね。電動では駄目です。手押しのポンプが罹災時に有効なのですね。
 黒田さんに伺いしますが、何度か高知のほうへも来て頂いていますが、各地の罹災状況を見られ、、また高知を見られてどのようなう印象をもたれたのでしょうか?
黒田 そうですね。古い木造の建物がありますね。神戸の大震災の時に木造の建物が多数倒壊いたしまして、木造はもう駄目なんだとも言われていました。
 実際に木造住宅がたくさん倒壊しているのは、木造住宅の数が圧倒的に多いからです。日本はそうなのです。倒壊比率が木造が高いわけではない。古いから壊れやすいわけではない。
 私は神戸の時にかなり重点的に廻りました。しっかり建てられた余り大きな改造をしていない古い木造住宅については、びくともしていない住宅のほうが多いように記憶しています。
黒田武儀さん
 今度の新潟の震災でも古い民家と言われている木造住宅で被害を受け提案すのは、あのあたりは豪雪地帯ですので、3階建てにしてかさ上げしたところとか、下に下駄を履かせているような住宅は被害を受けていました。
 比率から言いますと、古い住宅の被害の程度はそう多くはありませんでした。
 住宅のほうの観点からしますと,以前番組に出演していただきました高知市消防局の神岡俊輔さんは、「昭和56年以前に建てられた建物は倒壊の恐れがある」と言われていました。耐震診断をすべきであるとも言われていましたが・・・。
黒田 それは建築基準法とか、その時点から耐震の基準が始まっていると言うことですね。それ以前は法律の規制がありませんでした。
 じゃあそれ以前の建物は耐震性能が非常に劣っているのかと言いますと、そうは言えません。古い家で全く損傷がない家が多い。今回の新潟でもそうでした。
 高知の人の災害に対する意識については、どのように感じられましたでしょうか?
黒田 高知市の旭という地域でしょうか。たぶん高知の人たちは旭の風景を見ますと、これは道路を拡幅しなければいけない。道路を直さなければいけないと思われますね。
高知市の旭地区。路地も多く、道も狭い。黒田さんはもしろ街路整備よりも「コミュニティ」がより重要であると言われています。
 火事だとか、災害には路地がネックにあんるかと言えばそうではないですね。ホースは伸びるわけですから。そこまで消防車が行かなければ火が消えないというわけではありません。
 路地があることで、地域のコミュニティが維持できるのであれば、むしろその風景、そこでも「地域コミュニティ」を大事にされた方が宜しいですね。
、今度の神戸市長田地区の復興計画というものが、実現したものと比較してた時に、長田地区は実は旭とよく似ていたものですから全体が。
 これは大きな教訓になると思います。

第2回「民家の甲子園」最優秀個人賞

「変わるぬ街並み」

学校法人中越高等学校 

(日本民家再生リサイクル主催の写真展より)

日本民家再生サイクル協会では、「民家の甲子園」として全国の高校生に呼びかけ、古い民家の写真展を開催しています。