高知県民が今すぐ行うことは?
 今週のゲストは(有)夢千年の暮らし PRODUCE&DESIGN代表であり、日本民家再生リサイクル協会の黒田武儀さんと、地元高知でNPO法人「我が家を見直す会」事務局長の西田政雄さんです。
 2人は3月19日、ソーレで開催される「震災からの復興〜今 そしてこれから」の実行委員会を担われています。今日のテーマは「高知県民が今すぐ行うことは?」でお話を伺います。近い将来30年以内に起こるであろう南海地震。東南海地震であれば、2分間の強い揺れと大津波が高知県各地を襲います。どのような対策をすべきなのでようか?
西田 やはり家の問題、耐震補強がいわれています。問題なのは就寝中に家が壊れないことでしょうか。ただいま言われています「耐震補強」ですが、大事なことがあります。
 今の耐震補強は市民の皆さんは「家を守ること」と勘違いされています。それは「命を守る耐震補強」であることを覚えておいてください。
 やはり寝ている場所ですね、家族が寝ている場所をまず守る。それからどういう状況下でも逃げ出せるように、足を切らないように、履きやすい靴を準備することです。
 ちょっとした心掛けで、命が守るか守れないかがはっきりします。
 建物だけではなくて、非常用持ち出し品も用意が必要です。
 次に、逃げた後で何日生きるのかがポイントでしょうね。
 よく言われていますのは、最低限3日間の非常食、水、着替えなどを用意するべきだと言われています。東南海地震と言うことになりますとそれではすまないようになるのでしょうか?

西田 すまないでしょうね。1週間とか、10日間とか孤立状態を覚悟しなければなりません。高知県内全体が山古志村状態になるのですから。
 道路は寸断、港は破壊され船は着岸できない。来るのは自衛隊の空からの救援物資の投下ぐらいでしょうね。

 (間伐体験をされる西田政雄さん)

 
 そうしますとそういうことが十分想定されるのに、県民の意識や、行政の意識や備えはどうなのでしょうか?西田さんから見られてどう思われますか?
西田 行政に災害の時は頼ってもいけないと思いますよ。最初の数日間は特にそうです。行政官もみんなまた罹災者になりますし。
 昨年末に高知の大型量販店とのお話をしました。災害時にお店を空けるかあけないか。そのあたりでも議論がされています。
 コンビニなんかでも議論がされています。「開けたらどうなるのか?」「開けなかったらどうなるの」。
 それと同じように家庭の中で、リーダーが誰なのか。リーダーシップが誰が取るのか。私達はどう命を守るのか。やはり考えていただきたいと思いますね。
 黒田さんにお伺いします。明日のフォーラム第2部で、討論会があります。長島忠美新潟県山古志村村長、石井弘利神戸市鷹取商店街振興組合理事長、手島慶考土佐清水市祖下川口区長が出席されます。
 橋本大二郎高知県知事も出席されます。リーダーとして「今すぐ行うこと」と言えばどのようなことがあるいのでしょうか?
黒田 明日橋本知事にお目にかかるのをひじょうに楽しみにしています。リーダーが市民の前で、これからやってくるであろう災害に対しどう対応されていくのか。1市民としても、首長としてもどのような対応をされるのか楽しみにしています。
 今回予測される地震なり、南海地震は未曾有の規模になる可能性があり、広域を被害が多い尽くすことも想定されます。
 その時に、今までのように局地的な地震であれば、周りから救援を受けることが出来ます。これだけの大きな地震で罹災が広範囲になってしまった時に、高知県は「辺境の地」になっています。

収録の様子です。黒田武儀さんも、西田政雄さんも具体的事例を上げられ、「即実践」出来る防災対策、避難方法、罹災時の生活の方法、罹災の現実など詳しくお話いただきました。

 実践を踏まえたお話は、説得力があり、あらためて自分の防災・避難対策が不十分であると思い知らされました。

 周辺の地域はどういう状態におかれるのか。これは高知県民がみんなで予測しなければならないと思います。特にそのリーダーである橋本知事は、周りの地域が誰も助けてくれない状況の中で、県民の命と財産をどう守るのか。
 私はいつも不思議に思ってきたことがあります。神戸や新潟の地震の時もそうでしたが、日本国憲法の第25条が一度も語られたことがないのですね。
 そこでは、国が「国民の生命と財産を守る」と言っています。その憲法を持っている日本国民が何千人もあえなく亡くなったり、すべての財産を失ったりする。高知でも繰り返される可能性があります。
 その時にリーダーである橋本大二郎さんが、敢然として憲法第25条に基づいて、県民の命と財産を守るんだと是非明日会場で宣言していただきたいですね。
 それを実行に移す具体策を是非,提示いただきたいのですね。
 山古志村の村長さんなどは、リーダーシップが強いのでしょうか。
黒田 そうですね。たった2千百人のリーダーですが、若い長島さんが全村民の責任を背負って、「みんな全員で村へ帰ろう」と日夜努力されています。
 しかも3月末に合併を控えた忙しい最中に飛んで来てくれます。とにかく地震をきっかけに人と繋がることがどんなに大切なことなのか。それを「思い知った」と言われて高知へ駆けつけて下さるのです。
 これもリーダーの学びあい、助け合いではないかと思います。
 それを大いに私は期待しています。
連絡先
        NPO高知市民会議  電話088−820−1540 FAX088−820−1665

                       

 

mailto:npokochi@siminkaigi.com
3月番組に戻る