国際人の条件とは?
 
 今週のゲストは高知大学大学院生(英語教育専修修士課程)の野村美穂さんです。今日のテーマは「国際人の条件とは?」でお話をお聞きします。
 日本では英語が出来ること=国際人というイメージが強くあります。昔は「洋行帰り」ということで社会的な尊敬もあったようでした。
異国の文化や習慣を理解し、相互交流をはかるべきであると思います。「国際人」というのはそういう理解でよろしいのでしょうか?
 
  

 私自身がまだ国際人の正式な定義というものは探せていませんが、異国の文化や習慣を理解し、交流を図ることは国際人になる条件として必要な要素であると思います。


 英語教育の国際理解という観点からお話しますと、平成11年告示の高等学校学習指導要領の一部に、「世界やわが国の生活や文化についての理解を深めると共に、言語や文化に対する関心を高め、これらを尊重する態度を育てる」という内容があげられています。「寛容で柔軟な思考力や、文化に対しての順応性」ということも国際人の条件にはいるのでは?と私自身は思っています。


 例えば、食事の話を例に上げて言うと『イギリスの料理は味が薄いしおいしくなかった!』というコメントをよく耳にします。味の感じ方は人にとって違うものなので味覚の違いや味の感想の違い理解は出来ますが、ここからがポイントで、「イギリスの料理はおいしくない」というままで終わらすよりも「おいしくないということの裏には何か理由でもあるのか」という疑問をもち、それを自ら探求し自分なりの答えを得られることが国際人の条件としてあれば良いかなという気はします。

野村美穂さん

   私のホストファミリーの場合だと毎日のように丸のまま焼いたジャガイモと煮ただけのベジダブルミックスとグレイビーソースがかかった肉が夕食として出てきました。そしてテーブルの上にはコショウと塩がありました。その料理は私の味覚では薄味に感じました。
もう少し味をつけてくれたらいいのにと。おっくうに思いました。しかし、何口か食べているうちに、もしかしたら、イギリス人はその食物自体を味わうのが好きなのかもしれないし、またはじめから料理人の主観的な味付けはせず、食べる人の好みでどうぞという、思いやりがこもった料理なのかも知れないと。
 もしくはあまり考えたくないですが、単に料理に対しては興味が薄かったのか?いろいろ考え方はあると思いますが、しかし、それがもし美味しくなかったとしても、これがここのやりかたで、ここの味なんだと思い感じられたとしたら、少しだけ楽しい体験になると思うのです。

 だから、私の思う国際人とは自分の中に今まで存在しなかった部分の世界や考え方に対し、いかに、寛容で柔軟な思考力、そして前向きな態度をもって文化に順応性していくということは、国際人の条件の中に入っていてほしいかな、と個人的には思います。そうは言いましても文化が違えばなかなか理解できないことや受け入れられないことも多くあると思いますが、せっかくだから異文化を積極的に楽しむ余裕があれば、いいなと感じました。

  ピーターラビット博物館を訪問した野村美穂さんです。
 
  一口に国際人といいましても、様々な定義があるということを聞きました。野村さんがイギリスに留学されていました時に、の日本の文化や伝統、慣習などを外国の方に説明されてこともあると思います。
 それはどのような方法でされましたか?また彼らは野村さんの説明で良く理解されましたか?
 そうですね。イギリス人だからということではないでしょうが、日本人というと「サムライ」「刀」「ちょんまげ」と言われてしまいます。一番ショックでありましたのは、イギリスにあるB&Bという宿泊施設で見たテレビ内容でした。そこで見たテレビで日本の事を紹介した番組がありました。なんと生の生きたままの魚をそのままかじっていた場面があったのです。
 きっと刺身の事だったのでしょうが・・・。日本人が食べる刺身が異なる映像になっていまして、笑いました。異文化交流や理解という話となりますと、わたし達が今している生活と、海外で流れている情報にギャップがある可能性があるように思います。

  私がホストファミリーに対して行った小さな異文化交流は、日本から持参したティバックや折り紙などを実際に紹介しました。とても文化の理解に役立ちました。シンプルに日本茶をたててあげて、日本では食事のときにお茶も一緒に飲んでいますと説明をしました。そこでお箸の使い方なども教えますと異文化交流になります。
 それから私はよくしましたことは、イギリスにも夏には日本の祭りのようなものがありますが、そのときに、敢て日本の浴衣を持って行きまして、自分が着ます。それも異文化交流になると思います。
 着てみせる、やって見せるということが、向うの人には楽しんでいるようです。文化交流は大げさなものではありません。


 また私の大学の教授がおっしゃるには「旅行者も1人1人が外交官」という考え方です。私たちのような留学生や、日本からの旅行者がそのような意識を持つことも、面白い考え方であるのではないかと思いました。
 旅行先で教授が取った行動は、旅行中に手元にあった紙で、イギリス人の子どもに折鶴を折ってあげたそうです。その子どもは初めて折り鶴を見るものですから面白がって喜んでいたということです。私たちにとっては、ささいなことでも、自国の文化と思えるものを紹介してあげることとで、日本の文化を外国の人たちが体感することができると思いますね。

  作家ワーズ、ワーフの生家を訪問された野村美穂さんです。週末は旅行されていたそうです。
* イギリス滞在中の写真は野村美穂さんに提供いただきました。