英語と生涯教育について
 
 今週のゲストは高知大学大学院生(英語教育専修修士課程)の野村美穂さんです。今日のテーマは「英語と生涯教育について」でお話をお聞きします。
 小学生からの英語教育も最近では特別なことではなくなりました。また学校教育を終えた社会人や年配者も熱心に英語に取り組んでいる人たちも多いようです。
  野村さんの話を聞いていますと、学生時代から独自に英語を「生活習慣」にしているようです。英語を「生活習慣」にする手立てがあれば、おかまい範囲でご披露下さい。私なども「英語嫌い」であり、苦手な人間です。直す手立てはあるのでしょうか?英語も人生もやり直せるのでしょうか?
 人生につきましては、私は若輩者ですので語ることは出来ないと思います。

 とてもシンプルなところを話すとすれば、自分の生活環境を英語で埋め尽くしてしまえばいいと思います。例えば、私が行った実例を挙げますと、私は料理が好きですが、調味料の入ったビンの表示を英語にする。英語の番組や英語圏のFMを積極的に流してみることです。また、輸入雑貨や食品店などに行くのも面白いと思います。例えば、輸入のお菓子でパッケージが英語表記のものだと、どういった表現方法を使ってその食品について説明されているかなど、生活に密着した英語が楽しめると思います。

 私の楽しみ方なんですけれども、輸入菓子のパッケージでおしゃれなものは部屋にインテリアとして飾り、気が向いた時や、暇で何もすることがないときはそのパッケージをみて楽しんでいます。
 家中のもののほとんどを英語に変えてしまうと、家族に迷惑がられるかもしれませんが、自分の部屋ぐらいならきっとおもしろいとおもいますよ。

野村美穂さん

 そうですね・・・嫌いを直す手立てはもう好きになるしかないんでしょうけど。・・・
 どのようにして、好きになるかということが大きな問題なんですよね。
私が、提案する方法とすれば、まず英語が母語または公用語の国に興味を持つことが英語嫌いを直すきっかけになると思います。母語の国はイギリスとかアメリカがあげられます。公用語の国はインドやシンガポールなどがあげられます。興味の対象はその国の文化や生活習慣でも経済でも何でもいいと思います。


 そういえば、私の友人の話ですが、英語嫌いを軽減したというよい実例が有ります。その友達は、英語が大嫌いでした。私の部屋に来ると、英語の本だらけでうんざりしていました。しかし、彼女はガーデニングに興味があり、私の部屋においてあった日本語で書かれた、イギリスのガーデニングの本に大変興味を示しました。


 私もガーデニングには興味があり、私がイギリスにいるときには、バラ園を見に行ったり、ラベンダーの花の匂いをかいで楽しんできたということを話すと、彼女はとてもうらやましがって、「私も自分でイギリスにいき、そういった体験ができたら幸せなんだろうな」と、私に目を細くして話しかけてきました。
「イギリスには興味があるのだけど英語が嫌いだから海外旅行はこわいんだよね。」という彼女の不安を知った私は、英語が嫌いで怖いというリスクを少しでも軽減できる方法はないか自分なりに考えて協力してみることにしました。
 そして、その方法を彼女に伝え、まずはその方法で英語の学習を進めることにしました。

 

 その、自己学習の際に私が彼女に薦めた方法は、フォトディクショナリーを読むことでした。私が薦めたものは日常生活で使用頻度が高そうな単語や、文章が主に沢山掲載されているものでした。
 フォトディクショナリーとは辞書では有りますが、それぞれの単語や文章を、分かりやすく絵や写真を使って示してくれている辞書です。
私が彼女に薦めたフォトディクショナリーは、イギリス英語とアメリカ英語が約2400語収容され、初級から中級レベルの学習者を対象としたものでした。
また、家族、人体、お金、旅行、自然環境、食品など幅広いトピックをカバーしていました。

 

(当初英語嫌いであった野村さんの友人はこの本に興味をもたれました。それが英語嫌いを直すきっかけになったそうです。

   そして一週間に一回彼女と会うときは、出来る限り英語で話すというルールを作っていました。始めのうちはもちろん上手くコミュニケーションは成り立ちませんでしたが、話していて意味が良く理解できなかったところは、お互いに相手の言いたいことを時間をかけて何回も確認をしながらコミュニケーションをとりました。
わたしの修士論文の中でもコメントしていることですが、発話者の不安をなるべく軽減するためには、聞き手は、まず話しての発言を、一回受け入れる体制を作る必要性があると考えています。
 そのような学習を数ヶ月続けた後友人は、少し英語を話すことに自信がついたのか、イギリスに旅立ちました。
 実際に旅行から帰ってきた彼女の話を聞くと、結局はボディーランゲージの回数がおおくなってしまったものの、不安の中でも自分が習った英語が実際に使えるということは楽しかった。もっと、勉強してまた海外に行きたくなったという話が聞けました。
 それ以降彼女は海外旅行に積極的に出かけるようになっています。


 だから、私の意見としては、とにかく自分が英語を好きになるきっかけを探せばよいと思います。そして、可能ならば英語が使える場所に勇気を出していってみることだと思います。
言語習得能力やコミュニケーション能力をつける過程において個人差が生じるということは否めない現実かもしれませんが、まずは英語を好きになるきっかけを作ることが、英語嫌いを直す手立てとなる可能性は考えられるような気がします。

オックスフォード フォト・ディクショナリーです。身近な話題、関心ごとを英語でどのように表現するか、などの表現方法が掲載されています。
 市民を英語好きにする方法ややり方などがありましたら、ご披露下さい。
  今年の1月に高知にトーストマスターズクラブという会を創立しました。
このトーストマスターズクラブは1924年(大正13年)にアメリカのカリフォルニア州に設立された総合的なコミュニケーション能力の向上を目的とした非営利の国際教育団体です。世界60カ国に約1万のクラブがあります。高知支部は72番目のクラブとして発足しました。

 ト ーストマスターズクラブは、毎月第4月曜日に高知大学教育学部1号棟で行っております。18歳以上なら誰でも参加可能です。
 私が思うこのクラブの魅力としては、さまざまな年齢や職種の方と英語という言葉を使っていろいろな話題を話すことができ、またつながりをもてることだと思います。
 話す内容は、時事問題や、趣味、素朴な疑問など、なんでも話の話題を作ることが出来、いろいろな人の意見がきけるということもあって、今までの自分になかった世界が、英語を通じて広がっています。私の場合でしたら、様々な違った観点からの意見は、研究を進める上でのアイデアになったりしたこともありました。
 また、海外にいるトーストマスターズクラブのメンバーが私たちのサイトを見つけてメールを送ってきてくださったりします。
 最近のミーティングの中で紹介されたものは、インドのコウチという場所にあるコウチトーストマスターズの会から、日本の高知トーストマスターズの会員様へというものでした。意外な展開だったので笑いと喜びの両方で会員同士湧き上がりました。
 このように、トーストマスターズの会員になることによって、自然に世界中とつながりが出来ます。
 ミーティング自体もお茶を飲みながら、会員の用意したスピーチを楽しんだり、意見交換したりと和んだ雰囲気の中行われますので、英語を話すことに興味がある18歳以上の方は、トーストマスターズ高知のサイトから次回のミーティング予定日を確認し、まずは見学にいらしてみてください。きっと楽しい経験になると思います。
   
  外国人の異性を好きになることなども語学取得の有力な方法であるとも言われていますが?
  少し面白いというか、赤面するお話にはなりますが、私の身の上に起こった経験から語るとすれば、英語を母語とする異性に恋愛するということも有効な方法だと思います。
 私の場合だけかもしれませんが、恋愛をすれば自然に相手のことを知りたくなり、質問や口数が多くなりがちだと思います。
 まるで、インタビュアーのように「どんな音楽が好き?」「なぜここの学校に通っているの?」と毎日相手を質問攻めにしたような記憶があります。
そして、相手が話した言葉を確実に理解したくて、こと細かく辞書で引いた記憶が有ります。そのような意味でも、英語を母語とする人たちに興味を持ち触れあうことも英語嫌いをなおすきっかけとなりうるかと思います。
 高知トーストマスターズの様子です。職業や年齢もまちまち。様々な人たちが参加されておられるようです。
高知トーストマスターズクラブ http://kochi.freetoasthost.com/index.html
3月番組に戻ります