氷河時代の就職活動について
 
今週のゲストは高知大学理学部4回生の槙野秀俊さんです。お仲間の高知工科大学情報システム工学科4回生の五百蔵慎一さんにも来ていただきました。今日のテーマは「氷河時代の就職活動について」です。今年3月に卒業予定者の就職内定率は、昨年12月時点で、大学生が60%、高校生は30%台でした。
 就職内定がますます厳しくなっているようです。大企業でも中途採用や、派遣社員を増加され、新卒を採用しなくなりました。
槙野さんは、東京のコンサルタント会社に内定されています。地方大学からのエントリーは不利ではなかったのでしょうか?昨年の夏ごろの高知大学の内定率は、理学部で50%、人文で30%、教育で10%と伺いましたが。
槙野 言葉が通じれば「コーディネート力」は普遍だと思います。僕は全然大変ではありませんでした。東京でしか就職活動をしませんでしたが、不利だと感じたことはありませんでした。交通費の負担はハンディでしたね。高知は田舎でも特質的な部分があります。経営者クラスの人達は何かしら龍馬ファンが多く、「高知は維新か、龍馬か」と
話に乗ってきてくれます。遠くから来てくれたということで、興味を持っていただけますし、そういう意味では全然不利と感じませんでした。内定率に関しますと、高知大学の就職室とも関わりがありましたが、あまり学生の進路を把握していないように思いました。やれば就職先はあると思います。
自分でばんばん進路選択できる槙野さんのようなタイプの人には良い時代なのかもしれませんね。五百蔵さんに,お伺いいたします。高知工科大学は大学を挙げて就職活動のサポートをされているやに聞いているのですが?そのあたりはどうでしたか?
高知工科大学の構内の様子
五百蔵 そうですね。内定率を上げるために大学当局も頑張っています、僕は大学からのサポートと言うわけではなくて、個人で東京、大阪、名古屋へ行きました。槙野と同様交通費などのお金を使いました。お金を使っている分、都会の学生よりは「覚悟」を決めているので、就職するうえで良い結果が現れたのではないかと思います。
ご両人とも内定企業は、大きく見ればIT関係の業種なのでしょうか?
槙野 IT関係というよりは、「人にこだわったコーディネーターの企業」ですから、ITとは違いますね。
それと不況を反映して、在学中に行政書士とか、社会保険労務士とか、税理士とか国家試験に挑戦する学生が多いと聞いています。大学生も「キャリアアップ」する必要性があるのでしょうか?
五百蔵 新卒ですから、それほどキャリアにこだわる必要はないと思いました。中途採用とかになりますと、ある程度「超えられない壁」のようなものがありますね。資格がなければ先へ進めない。ということを感じましたね。
それは目指す業種によって異なるということですね。
槙野 税理士のように真剣に努力しないと取得できない資格なら有効でしょうが、手軽に取れる資格ならば、あまり効果はないと思います。ようはバランスの問題だと思いますね。
結局なにかしたことを、相手にどうストーリーづけるかが勝負だと思います。中小企業診断士の資格をとったり、1ヶ月オーストラリーへ行きましたでも良いんですね。したことはなんでも良いんですね。した理由とか、それによりなにを得たのか。そういうストーリーを自分でつくれるかどうか。それを他人に伝えることが出来るかどうか
結局は「コミュニケーション能力」ですね。
五百蔵 今は全国から大企業に学生が集中しますよね。就職対策マニュアルみたいなものがあるではないですか。あんなのは昔もありましたか?
ありましたよ。リクルートという案内誌は、私らの学生時代からありましたし、電話帳のような厚い情報誌を送付してきていましたよ。
槙野 リクルートは自社の新人は「一本釣り」で採用するのです。リクルートには良い学生には社員から電話がかかってきます。就職情報誌の商売をしているのですが、自社の社員はそのやりかたでは駄目だから、一本釣りでやっているのですね。
もう来年の就職戦線はスタートしています。槙野さんから後輩にアドバイスをすると
すればどんな助言がありますか?アタックする希望企業がある場合などお願いします。
槙野 就職いアドバイスは個別にしませんと難しいですね。先ほども資格の話もありましたが、「自分がなにをしてきたか」ではなくて、してきたことによって「なにを得たのか」を相手に伝えるのが一番大事であると思います。自分に対してそういうところを問いかけるのが良いのではないかと思います。
五百蔵 まず行動することでしょう就職活動など真似事でも良いですので。次にどう進むのがわかるのではないでしょうか?
「自分のやりたい仕事がわからない」と悩む若い人達は多いと聞きます。人生の目標  とか明確なものはありますか?確立されたのはいつ頃ですか?
槙野 自分のやりたい仕事はわからないというのは、仕事の内容が良くわかっていないのではないでしょうか?業界研究だ、企業研究と言いますが、それを知った上でなにを選んではわからない。またひとつ違うでしょう。わからないなりに知ろうということをやるべきではないかと思います。
五百蔵 人生の目標は決めたほうがいいでしょう。それが決まっていれば仕事もある程度絞って選択できると思います。今すぐに決まらなくても徐々に絞っていけば良いと思います。
皆さん方は専攻している学部や、学科の関係で就職が内定されましたか?学んだことを就職活動に活かしきったのでしょうか?
槙野 僕は全然畑違いですね。大卒という資格がないと受験できない企業が多いものですから、最低限の資格は取りましたけれど。自分の大学や学科をPRしたことはないですね。
五百蔵 僕の場合は会社側が、大学を見てくれて決めていただきました。あとは自分の実力であると思います。
 
会社員になれば安泰の時代ではなくなりました。なにを目標に働くのでしょうか?
将来は起業を考えられているのでしょうか?

槙野 特別あるわけではないですね。手段の一つとして考えたいですね。
五百蔵 趣味がこうじて大きなグループが出来ればそれが起業ができれば良いですね。