青少年教育と精神鍛錬について
 
今週のゲストはNPO法人全世界空手道連盟新極真会三好道場師範の三好一男さんです。
今日のテーマは「青少年教育と精神鍛錬について」です。三好道場と言えば、恒例の元旦の桂浜での寒稽古が有名です。9月の番組に出演された中谷前防衛庁長官も参加されています。大変寒いのではないのでしょうか?
1年の計は元旦にありと言いますね。私が19年前大山総裁の命で高知へ来まして、その年の昭和60年から初めて今年で19回目になります。高知の風物詩になりました。元旦の桂浜は新極真会で埋まるようになりました。
これはみんながお正月気分でのんびりしている時に、元旦から気を引き締めてこの1年乗り切って頑張っていこうと。受験のある子供、ビジネスのある人。何かを目指している人。心を引き締め1年間頑張ろうと言うことですね。
実際に参加された人に聞きました。海へ入って蹴りを入れたりするだけではなく、砂浜で稽古をしているとのことでしたが・・・・。
5時半からスタートします。砂浜で走ったり、鍛錬や稽古をします。最後に初日の出のときに全員で海へ入ります。
毎年元旦に行われる高知の名所桂浜での寒稽古の様子です。
それは道着で入るのですか?
そうです流れが速いので、非常に危険なので、大人が先に入って子供達が後から入るようにしています。心が洗う。清める。新たな気持ちで1年間頑張ろうということになります。
中谷さんも参加されるのでしょうか?
やっています。さすがに防衛庁長官時代は来られませんでしたが、8年間連続で来ていました。
子供も女性も参加されるのですか?
小児喘息の方も参加します。今空手着の下にトレーナーなどを着る道場もありますが、うちは一切させません。素肌に空手着を着ます。寒い中で肌の鍛錬にもなるからです。声を出して走ることによって身体も強くなります。子供達の参加が多いですが、そのあたりが参加者が増加している要因です。
青少年の場合は、入門動機は「強くなりたい」「喧嘩に負けたくない」と言うことが多いと思います。私らのころもブルワーカーとかいう筋肉トレーニング用具が流行しました。そんな動機で入門しても続くのでしょうか?今の子供達はインドア志向ですから、そのあたりはどうなのでしょうか?
すべてゲームで片付いてしまいますね。サッカーも格闘技もカーレースにしてもテレビの画面ひとつで片付いてしまいます。一番怖いのはその子供達が人の痛みがわからないことです。友達と一緒に遊んだり、喧嘩もしていないので、痛い思いをしていませんので、少年による凶悪犯罪が増加するのではないでしょうか。ああいう子供達は痛みがわかりません。ああいう子供達こそ武道をしてもらいたいと思います。
 
三好さんは子供の頃「空手馬鹿一代」という漫画に影響を受けたと伺いました。
現在の子供たちの三好道場への入門動機はなにですか?またその動機から精神論を注入するしくみは道場ではどうなっているのでしょうか?

子供達が入門したときに一番先に教えるのは、「仲間を大事にしろ、親を大事にしろ、おじいちゃん、おばあさんを大事にしろ」ということです。どういうことかと言いますと、私は昔少林寺拳法をしていました。極真本部道場へ入門するために東京へ行くとき、新居浜駅に少林寺の仲間達が見送りに来てくれました。東京池袋の道場に入門しました。
 高校出たばかりで目つきも悪かったです。道場の人から「お前何かやっていたのか」と聞かれました。「少林寺拳法をやっていました」と言いました。当時の極真は良い先輩もいましたが、虫の居所の悪い先輩もいました。正直に少林寺拳法をやってましたと言えばやられそうだなと思いました。でも「極真で頑張ってこいよ」と新居浜駅まで見送りに来てくれた少林寺の仲間を言わなければ裏切るなと思いました。結構洗礼を受けました。でも仲間を裏切らなくて良かったなと思いました。
 子供達にも入門動機が喧嘩に強くなりたいでもいい事だと言っています。そのかわり学校で言えば「番長」になれよと言います。番長は弱いものいじめはしないし、上の人は立てるし、礼儀作法ができます。学校で悪い子供がいればちゃんと止めますし。今学校の廊下を自転車で生徒が走っても先生が注意できない状態です。私が預かっている子供達が各学校で番長になり、弱いものいを助け、目上の人を立てるように強くなれと言っています。
それでみんなに番長になれと言っています。

喧嘩などには格闘技術を使用してはいけないと思います。喧嘩好きな若者をどのように諭し、道徳教育をされているのでしょうか?ヨットなどの場合は大自然が教官ですので、自己責任を思い知ることが出来ます。三好さんたちの場合は道場の中で、修練の中で友情のなかで教育されるのでしょうか。
そうですね。ですから強くなればなるほいど、弱い人、体の不自由な人を思いやる心を持ちたい、育てたいです。
本部自体がNPO法人になったのも、そういう理念があったからでしょうか?
骨髄バンクもそうですが、いろんな困っている人を、手を差し伸べられるような大きな組織ですので、立ち上がることで相当な社会貢献と国際貢献が出来ると思っています。
* このホームページに掲載しています新極真会関連の写真は、三好一男さんの許可を得まして、掲載させていただいています。「極真魂」8月号、9月号、10月号より、掲載させていただきいました。