少子・高齢化社会と格闘技
 
今週のゲストはNPO法人全世界空手道連盟新極真会三好道場師範の三好一男さんです。今日のテーマは「少子・高齢化社会と格闘技」についてです。スポーツ業界全体の悩みです。スポーツ愛好者の減少にスポーツ団体全体が悩んでいます。三好道場の打開策はありますか?
私どもの道場では少年部と言いまして、子供達の入会が非常に多いですね。それと壮年部と言いまして35歳以上の会員も増加しています。最高齢が77歳の方が来ています。非常に中間層が少ないです。
77歳の人も一般の方と同じトレーニングをされているのでしょうか?
メニューを相当落としてはいますが、若い大学生や女の子や子供達も一緒にしています。
やはり気持ちの良い汗を掻いていて楽しそうですね。
「少子高齢化と格闘技」というとんでもないテーマで申し訳ありません。個人的な体験で申し訳ないですが、昨年私は2級ホームヘルパーを取得しました。私もヨットなどをやっていますので、体力には自信がありましたが、介護実習ではへとへとになりました。三好道場で鍛えた練習生が介護の現場へどんどん出れば良いと思います。
私も高知青年会議所が始めた事業で「天使の翼」に参加していました。重度の障害者を東京ディズニーランドへ連れて行くという事業でした。口で言うより自分でやるのが一番だと7年連続で参加しました。われわれ元気なものができることはと言えば、飛行機やバスの乗り降りやのときにだっこしたり、車椅子を車に載せてあげたりすることでした。
そういうことを強い人間、新極真をやっている人間が実践することで、こんな素晴らしいことをやっているんだと言うことで、また新しい扉が開くと思います。

1992年高知青年会議所により開催されました。翌年から「天使の翼」会主催で行われています。実施するたびに施設や交通機関が改善されました。富山県にも同様のツアーが誕生し、大きな経済波及効果と社会のバリヤフリー化を推進しました。

格闘技は間接の使い方などを専門的に研究しています。高齢者の運動能力低下防止の
トレーニングメニューの開発はどうなっているのでしょうか?
そうですね。それは今後の課題ですね。
三好さんの本部はNPO(公益法人)になっています。当然公益活動をされていると思  います。世界大会は「骨髄バンクチャリティ」をされています。そのほかの公益活動  があればご紹介ください。
NGOの関係で外務省を通じて、アフリカやカンボジアのほうへ、子供達に目標を与えると言うことで、指導員を派遣し、空手を教えています。現地は生きるのが精一杯という状況で、現地の子供達に仲間意識を芽生えさせたりということで、全世界に空手の指導を行っています。
それはかつて三好さんが大山総裁の指令で1人で高知へ来られたように、現地に道場をこしらえるという目的で派遣されているのでしょうか?
そうではありません。何ヶ月かの短期の派遣です。交代制でボランティで行っています。現地に場所がない国では、日本大使館の庭を貸してくれるという話も来ています。
それだけ、世界平和や国際貢献に貢献しているからですね。
それは新極真会のモットーですからね。ただ強くなるだけではなくて、プロの世界(PRIDEなど)と一線を引いているのはそういう活動をしているからですね。強さを求めながら、一方で国際交流や国際貢献の橋渡しになるような、高い次元の目標がたくさんあります。
三好道場の究極の目標を聞かせてください。
大山総裁から私が高知へ派遣される昭和59年に(1979年)よもやまはなしをしました。桂浜で寒稽古をしたいと話しました。そのとき大山総裁に私が誓ってきたことは、「極真(新極真)の道着で高知を満杯にします」と言いました。桂浜を元旦の桂浜を新極真会で満杯にします。
それは数千人規模になりますね。
人口から言ったら厳しいですが、やりたいですね。やりがいがあります。
三好さんの支部は高知と愛媛ですか?
全部で26支部になりました。各支部とも頑張っています。
テーマが「少子・高齢化と格闘技」ということになりましたので、話が大きくなりました。高齢者であっても若い心を失わない、体がしゃんとすることなのですね。
自分の孫同年齢の子供達とと一緒に汗を流して、会話して、軽い組み手をしているのを見ていますと楽しそうですね。健康のためには良いと思います。
塚の原教室が、弟子の子供達と高齢者との交流が始まっていると伺っています
内田脳神経外科の内田先生のご理解で、「さつき祭り」と言いまして、高齢者が一杯集まるところで、塚の原教室のメンバーと子供達が技を披露したりしています。
高齢者の皆さんは喜んでいるのでしょうか?
ものすごくにこにこして楽しんでいただいています。身寄りのない高齢者も多いと伺っていますが、自分の孫や、ひ孫の年齢の子供達が新極真会の空手着を着て、一生懸命修行した成果を見てもらっています。皆さんはそれを見るのがとても楽しいと伺っています。
塚の原教室のさつき祭り
地域の人達との交流も積極的にしています。
しぐさや格闘技の動きのよいエネルギーが子供達から、高齢者に伝わっているのでしょう。
それによって元気になっているのですね。
そうです。いろんなところから演舞の依頼は来ます。でも塚の原の高齢者の前での演舞は絶対に断らないようにしています。演舞の依頼は多いので困っています。
お年寄りの前で演舞する子供達に変化はありましたか?
 
やはりいつも言っているように、お年寄りを大切に、お父さん、お母さんを大切にと口を酸っぱくして言い聞かせています。お年寄り笑顔や喜ぶ姿を見て子供達もやはり感じるところが一杯あると思いますね。
* このホームページに掲載しています新極真会関連の写真は、三好一男さんの許可を得まして、掲載させていただいています。「極真魂」8月号、9月号、10月号より、掲載させていただきいました。