本当の木質バイオマスとは? 
 
西村 今月の「けんちゃんの今すぐ実行まちづくり」のゲストはNPO土佐の森救援隊で間伐作業をされている中嶋健造さんです。
 今回のテーマは「本当の木質バイオマスとは?」でお話しをお聞きします。今まで木質バイオマス地域循環システムのお話を伺いましたが。自然生態系の中での循環システムである。とお聞きしました。

 実際に地域社会の中で地域経済が循環していく。そのようなシステムになっている。そういうことを中嶋さんに聞いたことがあります。そのあたりの話しをお聞きします。

 林地残材という木材としては商品価値のない材を収集し運搬する。あるいは農家が兼業でされる。零細な林業家の人が収集運搬していく。運んで持ち込んで。終わり。と思いますけれども、それだけではない。実はその先にストーリーがあるやに聞きましたけれども。

(仁淀川町の温浴移設「ゆの森」。熱源は木質バイオマスボイラーです。)
中嶋  この仁淀川町の木質バイオマス地域循環システムは国から補助金を貰ってやっているシステムです。時期がきますと当然補助金は打ち切られます。

 その後補助金がなくなっても持続可能なシステムであるかどうかがポイントです。当然地域経済として廻る形。そうでなければいけないのです。そこでひとつアイデアを出しました。

 実際今実験をしています。ほぼそれはうまくいっています。実は仁淀川町は林地残材を収集運搬してきた人に対して、1トンあたり3000円支払っています。この値段は林業界でいいますと非常に安い値段です。

 いつまで持続できるのかどうか不安です。実際に木材チップの業者などではトン当たり4000円程度の値段で取引されているようです。これは安い。安けれども今は出ている。これを持続可能になるためには、なんとかしないといけない。

 木質バイオマス地域循環システムは、実は大きな要素に森林整備がセットになっています。森林整備をすることによって、CO2の吸収効果を高めるということが1つです。

 それが燃料になって、石油などの化石燃料の代替になること。CO2の排出削減になること。それが2つめです。その2点がセットになりまして、地球環境保全を実施している。ということが言えると思います。

 
 それを成り立たしていただいている林地残材を収集運搬していただいている人に対して、環境保全、地球環境保全の「直接支払い」をお金ではなく「地域通貨券」で出すことにしています。(デカプリング政策と言えます)

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 実は土佐の森救援隊は以前からモリ券を発行そいていました。地域通貨券もどきです。これをモデルにしまして仁淀川町に提案しました。現在のトン3000円はそのままにして、それとは別に環境支払いとして地域通貨券を発行したらどうだろうか。仁淀川町側はそれは面白いのではないかということになり、今実験中です。