演劇の目でまちを見ると
 
 今週のゲストは大橋通り商店街フルーツ大橋屋の鍋島恵那さんです。鍋島さんは大学でも演劇を専攻され、県外でも演劇活動をされていました。
 演劇は自己表現力そのものであり、見る人も演じる人も人生に活力を与える芸術でもあります。「パフォーマンス学」という専門分野もあるそうです。
鍋島さんはどのようなきっかけで演劇をされるようになりましたか?

 何か目立つ事がしたくて、高校時代に演劇部に所属した事がきっかけになりまし。
その時に高知の劇団の芝居にも2度ほど参加させていただきました。
 今はその劇団はもうないのですが、あの当時は今のような小劇団自体がなかった状態なので大変有難い経験でした。


 大阪芸術大学に入るきっかけは、実は担任の先生のおかげです。
 推薦状の〆切当日になっても動かなかった私に「お前、今日〆切やのに何してるっ!!今すぐ早退して手続き行って来い!!」との一喝下さいました。
 あの時先生の言葉がなかったら、演劇生活は高校で終わっていたかも…ありがたい一言でした。そう思うと先生には感謝してもし足りないぐらいです。推薦が無事決まり、友達と2人でメフィストにて芝居を打ち大阪へ向かう事になった訳です。。

鍋島恵那さん
 演劇はいろんな「流派」「グループ」があるようですが、どのような活動内容で あったのでしょうか?
 さまざまなジャンルや名称が在り過ぎて一口には語れません。
 表現すると言う事自体が無法地帯な訳ですし、今は本当にさまざまな物があるので大きなカテゴリでしか分けられません。
 その中でも私が大学の活動以外で大阪で行っていたのは、一般で言うメジャーな小劇というジャンルです。
 小さな小屋で演るから小劇と呼ぶのだと私は思ってますが、実際のところは分かりません。団員皆でセットや衣装やチケットを作り、一人一人にチケットノルマがあり…小屋代が高いとチケットノルマも必然的に上がるので大変な思いをしてやっていました。
 演劇をされているときは、どのような役割を鍋島さんはされていたのでしょうか?
また公演活動はされておられたのでしょうか?
 主に3の線でありボス系ですね。
 女王様やら娼婦やら、主人公をいじめる系は大得意でした。
 でも影の主役だったり、存在感のある美味しい役が多かったです。とても得をしていたと思います。
 得意分野と外見があってるもんで、違うと感じる役に当たる事は少なかったです。
大学以外では、先輩つながりとかで外で芝居をしてました。
演劇の世界は奥深いものがあります。鍋島恵那さんの母校大阪芸術大学の学校案内2006より
 最近高知へ戻られたのことですが、高知の演劇の状況はいかがでしょうか?
高知での活動はされておられるのでしょうか?

 思っていたよりも、演劇というジャンルの目が向けられていてびっくりしました。
 私達が高校の頃は劇団自体がないといっていい状態でしたから、現在の劇団数の多さにもびっくりしました。今一つ観劇自体が広まってないとは言え、演劇ラリーやこの前のヘッダガブラー等の取り組みは(内容の良し悪しは別として)素晴らしいと思います。!
 ただ帰って来てから実際に小屋に足を運んだのは一度きりなので、高知の演劇は全然語れませんので、申し訳ないです。


 自分自身の活動に関しては、何か1本芝居を打とうと立ち上げ中です。高校演劇時代の仲間と最近相談していたのですが、先日偶然にも昔芝居を一緒にした男性とバッタリ会いまして。3人で芝居談義をしながら飲む事ができたので必ずやりいと思っています。
 今年中には打つ予定ですが、あせらずにゆっくりいい仲間と芝居を模索して行きたいと思います。

大学時代の鍋島恵那さん。主役を演じられています。(写真は鍋島さんから提供いただきました。)
 演劇では腹の底から大声で発声練習をします。健康にも良いのではないでしょうか?また自己表現力や、プレゼンテーションの練習になるのではないでしょうか?
 演劇の呼吸は腹式です。腹式呼吸は間違いなく体にいいと思います。、発声練習は姿勢や立ち姿も美しくしてくれると思います。自己表現の練習に…うーん…人によりけりではないでしょうか。でも感情を表現すると言う事においては、必ずプラス作用はあると思います。
 短い時間で自己PRするためには、演劇には様々なノウハウがあるように思います。服装や、話し方、態度振る舞い。音楽など。現実の生活にも役に立つのではないでしょうか?

 先ほどの話と被りますが、やはり人それぞれではあるとは思います。
大勢の他人の前で演じるという事は自信や度胸へとつながる気はしますが、舞台を下りたとたんに消極的で気弱な人に戻る役者さんもいますし…。
 私自身、何度やっても緊張で顔が引きつったり、アドリブの弱さも健在です。
 でも自分の見せ方を知るという点においては、勉強になります。
役者は自分を見せる点だけに集中したお人形さんでしかありません。しかし演出家、照明、音響、衣装さんはその役者や舞台を見せる為の作り手側ですね。。
 彼等から学ぶ事は本当に多いですし、もし学ぶノウハウがあるのだとしたら彼等からではないでしょうか。
 何だか質問の回答にはなってませんね。
演劇は音響や照明。道具など演ずる人を支えるしくみやスタッフがしっかりしないと成り。立ちません
 演劇されている立場で見られた高知の街について率直な感想をお聞かせください。
またどうすれば、今以上に高知の街は「面白く」なるのでしょうか?

 パフォーマンスやアピールしている人達の使い方が下手だと感じます。
路上のダンスチームや路上のアーティスト達、演劇人しかり。
 本当に若くて熱い人材がたくさんいるのに、実際にその存在を知る人々はほんの1部でしかないですよね。凄く凄くもったいないと思います。
 こういった自由な精神で伸び伸びと活動してる若者達のパワーを貰えばもっといろんな可能性が高知に広がると思うのに…ダンスはかなり有名になってきてますが、私の周りは全然知らない人ばかり。こういうアーティスト達をたくさん集めて、街ぐるみでの定期的なイベントを打ち出して欲しいです。
 おびさんマルシェなんかがその類になるのではないでしょうか。もっともっと若者のアート力に目を向けていただきたいし、活用していただきたい。
 大河ドラマのイベントにアートやダンスがぶつかっても全然おかしくない。
 そういう意外性や突拍子のない事こそが、土佐の面白さじゃないのかなぁと感じます。
 高知へ帰られて活動を再開することを前半に聞きました。そのあたりはいかがでしょうか?
 もう一度演劇をしてみたいなとは3人で話してはいます。3人では出来ません。照明や音響さんなども集めないといけませんし。そういうノウハウが高校時代の先輩のほうにありますので、そのノウハウをいただきながら3人でいい台本を選ぼうとしています。それで模索している途中です。いろんな本を読むように今はしています。
演劇活動をされたいた頃の鍋島恵那さん。(写真も提供いただきました。)
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