絵を描くする心とは?
 今週のゲストはイラストレーターの中平順子さんです。今日のテーマは「デザインする心とは?」でお話しをお聞きします。
 中平さんは「心や頭の中でぐるぐるしている気持ちや考えは、言葉では表現できません。何でもないようなことでも私には楽しくてしようがないことや、やりきれないことがたくさんあります。それを形にして、いろんな人たちに見てもらうことで気分がすっきりします。そしてまたいろんな刺激をめいっぱい吸収して、一気に爆発させたいと思います。」と述べられています。
生活の中でどのような時に、絵をを思いつくのでしょうか?誰かを観察されているのでしょうか?モデルなどはあるのでしょうか?
 いくつかあるんですが、 一番多いのは言葉から絵を連想すること。むつかしい言葉とかではなく「ビリビリ」とか「しゅーしゅー」とか「もやもや」とか「りんりん」「もくもく」などといった擬音から連想することがあります。
 今スペイン語を勉強していますので、スペイン語会話集から連想することもあります。
 普通にテレビを見たり、道を歩いたりしてて、自分にピンとくるものがあれば、それを形にすることもあったりします。。
 もちろん、人や動物を観察してそれを絵にすることもあります。ただし私の場合は空想することが大好きなので、見たものをそのまま絵にするとこはあまりありません。こうなったら面白い…などといったものを加えて絵におこしたりします。
中平順子さん
 映画や音楽、雑誌,メールのやりとりなどからヒントを得る事もあります。
でも、やっぱりいつもアンテナをはっておかないと、せっかくの良いものがすり抜ける場合もあるので、いつも絵のことを考えてることが多いです。 クライアントがあるイラストの仕事の時はテーマやこんな感じに描いてほしいという意見があるので、それを元に描きおこすことが多いです。現実の世界の人や動物がモデルになったりする場合もあるし、自分の空想の中のキャラクターがモデルになる場合もあります。
 イラストを作業される時間帯は決まっているのでしょうか?「創作タイム」はご自身で 決められているのでしょうか?
 普段は仕事をしてるので、自分の作品の制作時間は、平日の夜か通常の仕事が休みの日に制作します。でも怠け者なので、締め切りが迫ったり、追い込まれないとエンジンがかからないタイプなので、ギリギリになって後悔しながら徹夜することも多いです。
 県展などへ応募する作品などは、どの程度の時間をかけて制作されるのでし ょうか?
 最近は個展やグループ展などで忙しく、県展にも出品していません。制作する時は私の場合、一気に描きあげることが多いので、パネルへの実際の制作時間は早い時で数時間、物により下地や加工したりする場合は4.5日かかる場合もあります。でも絵のもととなるスケッチのアイデアを固めるのにすごく時間がかかります。その部分が一番苦しいです。
 画像での表現は、言葉とは異なる表現です。中平さんの作品は「メッセージ」も含まれているのでしょうか?
中平順子さんの作品。人物編でしょうか。
 メッセージがある場合もあるし、ほんとに自分の描きたいものを描く場合もあります。絵から感じるものというのは人それぞれに違うと思うので、その人なりに解釈してもらっても良いと思います。でもその絵を描いた時の気持ちを少しでも共感してもらえるとうれしいこともあります。
 年齢と共にイラストの「画風」は変化するものなのでしょうか?最近取り組 まれているテーマはなんでしょうか?
 年齢で変わっていくというより、自分がその時描きたいものによって画風が変わる場合もあります。ただ、あまりころころ変わると統一性もないし、中途半端な感じになったりすることもあるので、なるだけ同じ画風で描くことが多いです。
 いろんな技法にチャレンジしたくなるのでいつも個展などでは実験的な作品を展示する場合もあります。今年の私のテーマは「ソスペチョソ」スペイン語でいかがわしいとかあやしいとか容疑者などといった意味があります。そういうものが好きなんです。今年は「ソスペチョソ」をテーマに絵を描いています。
 絵を描く心は、若い世代の方が、鋭いものなのでしょうか?中平さんが最近こだわられている事柄などありますか?差し支えなければお聞かせ下さい。
中平順子さんの作品の一部です。
 スポーツは小さいときからしてないといけないと思います。
 絵を描くのに年齢は関係ないと思います。確かに若い世代から新鮮なものが伝わってくることも多いし、刺激を受けることもあります。ただそれは年齢に関係ないと思います。お年寄りの絵からものすごいパワーを感じたりすることもよくあります。
 一番大事なのはいろんなものを見たり、感じたり、刺激を受けたり、吸収したりして、感性をみがき自分の作品へ反映させることなのではないかと思ってます。
 最近こだわっていること…とくにこだわっていることというのはありませんが、いろんなところから絵のヒントを探すように心掛けています。12月におっさんをテーマにグループ展をする予定なので、そろそろ、おっさんに注目していこうかなと思ってます。
中平順子美術館へ
 おっさんに注目と言うことを言われましたが、私もおっさんなのですが、何が面白いのでしょうか?わかりませんけれども。
 
 結構おっさんは人によっては煙たがられたりしています。もっとおっさんをつきつめていって、おっさんの良さを表現してみようかなと思っています。12月に参加メンバーを5人ですが、イラストはは私で、ライターやカメラマン、デザイナー、漫画家と一緒になってやる予定です。
 おっさんに注目する。今までにない企画ですね。

 ない企画ですのでやってみたいと思っています。
 暑苦しいおっさんとか、脂ぎったおっさんとかいると思います。前例の面白い企画であると思いますね。ただ面白いおっさんを探し出すのが大変そうすね。
*イラストは中平順子さんに提供いただきました。    中平順子美術館コーナーは  こちら  から