デザインをめざす心意気とは
 今週のゲストはイラストレーターの中平順子さんです。今日のテーマは「デザインをめざす心意気とは?」でお話しをお聞きします。
 中平さんはイラスト制作を続けながら国際デザインビューティカレッジにて講師もされています。
デザイン志望の若い人に中平さんが指導されるポイントはどのようなところなのでしょうか?
 専門学校なので、技術や知識を教えるのも大切なのでしょうが、私はなるだけ、学生個々がもっている個性や感性を伸ばせるようなアドバイスをするように気をつけてます。
 グラフィックデザインはクライアントがいて成り立つ仕事なので、自分の個性よりのクライアントの意見を重視しないといけないことがほとんどだと思います。ただ、その中で自分の持っている個性やセンスを少しでも活かす事ができたらもっと作品をよくすることも可能だと思ってます。

 デザインの仕事は締め切りがつきもので、とても忙しくて、自分の作品を作ったり勉強したり、お互いが刺激しあったりして自分の感性を高めて行くということば出来なくなってしまうことも少なからずあると思います。

 働き出したらなかなかできなくなることを学生のうちに十分体験してもらいたいと思ってます。その1つの手段としていろんなコンペやイベントへの参加も促しています。それから作品をつくる楽しさも忘れないでいてほしいですね。

中平順子さん
 学科の目的は「 ビジュアルコミュニケーションの手段としてグラフィックデザインの表現分野はポスター・カタログ等の印刷媒体からWebデザイン、コンピュータグラフィックス等の映像媒体まで広く多様です。本学科では、デザイナーの原点である感性を養うとともに、創造力・企画力・表現力を身に付け 、バランスのとれたデザイナーの養成を目指します。」とありますが、感性は どのようなところで養われるのでしょうか?
 そうですね。ただぼうとしていても感性は身につきません。
なるだけ、いろんな作品を見ること。たくさん作品をつくること。友達と競争しあうこと。そして普段の生活の中でもアンテナを張るといろんなところに刺激をうけることがたくさんあると思います。
 映画を見に行ったり、遊びにいったり、展覧会にいったり、本を読む事。今の学生は自分の興味のあるもの以外は目を向けないという人もいますので、いろんなところに目を向けてもらいたいです。
 中平さんご自身はどのようにデザインやイラストレーターの技術を取得されたのでしょうか?またこの分野は資格。試験はあるのでしょうか?社会的な評価はどのようにして決まるのでしょうか?
中平順子さんのキャラクター・デザインです。
 私は現在講師をしてる専門学校に入学してデザインを学びました。ただ、学生のうちは友達と遊ぶ方が楽しかったので、たくさん勉強したというより、いっぱい遊んだという思い出の方が強くあります。よく先生に怒られましたね。
 デザインの分野には特に資格や試験はありません。自分の技術を高めるための検定などはありますが、これがないとデザインができないというものはありません。ただ、いろんなコンペなどにチャレンジして賞を取ったり作品が採用になると、自分の自信や次のステップアップにつながります。そして自分の作ったものが印刷されていろんな人の目にふれると、いろんな評価をしてもらえるので、よいですよね。

 デッサンなどもきっちりやらないといけないものなのでしょうか?
 デザイナーと言うのは、「見る力」が大事です。デッサンをしますと「書く力」もつきます。いろんなものを観察する力もついてきますね。
 国際デザインビューティカレッジでとくに力をいれられていることはなにでしょうか?学生達が「二科展」に入選されたようにホームページなどで掲載されていましたけれども。
 基礎的な技術や知識を習得してもらうことが一番です。「二科展」や「県展」など、各コンペへの積極的な参加もおこなっています。専門学校を卒業しますとすぐ社会人ですので、基礎的なマナーの習得、それから、校訓でもある感性や想像力、個性を磨いてもらうことだと思っています。
イラストレーターとして中平さんの夢はどういうものですか?おかまいない範囲にてご披露下さい。
自分の作ったキャラクターやイラストが世の中にあふれるとよいですね。そのためにはいろんな苦労をしないといけないと思うのですが、結構怠け者なので、現在は中途半端な感じになってます。まだまだ頑張る力が足りてないのでこれからは本気で頑張っていきたいです。
中平順子さん制作のキャラクターのほんの一部です。とにかく多作な方です。
 デザインの力はどのようなところにあるのでしょうか?ロゴマークとか、キャラクターとか、印象づけるデザインは大きな力があるように思いますが。企業が採用しますと大量に売れ、販売単価も上がると言われているのですが・・・。
 そうですね。広く知れ渡ってるロゴマークやキャラクターなどは、会社名がなくて、それだけでも、○○の会社感じで世間に認識されるので、とても強みになってますよね。
 キャラクターが先に人気が出て売り上げにつながったというものもたくさんあります。以前はやった NOVAうさぎなんかはとても成功してますよね。あのキャラクターのおかげで受講者が増えたようですよ。
 あとキャラクターの商品もぐっと増えたし、NOVAぬいぐるみが高値でオークションにかけられたり。
 中平さんは絵お描くことや、イラストを書くことは、子どもの時からなりたいと思われていたのでしょうか?成長していく過程で、若い人たちに「こういうことをすればよい」というアドバイスがあればお願いしたいのですが・・。
 そうですね。小さい時から、画家になりたいとか、イラストレーターになりたいとかは思いませんでした。ただ小さい時から絵は好きで、ノートの端っこに書いたり、落書きをしたりしていました。
 今の若い人には、先ほども言いましたが、いろんな人の作品を見ることが一番です。なるだけ足を運んでください。でもたくさん作品を見すぎると疲れることもあります。そのなかで自分の心に中に「びびっと」来るものがあると自分の探究心が出てくると思います。
 美術館とか個展とか、いろんな作品を見ることですね。
中平順子美術館コーナーは  こちら  から