平和運動への取り組みについて
 今週のゲストは高知市職員労働組合執行委員長の野田裕張さんです。今日のテーマは「平和運動への取り組みについて」でお話を伺います。
 日本の伝統的な反戦平和運動は労働組合が担ってきた部分は大きいと思います。高知市職員労働組合の運動方針案のなかにも平和運動の項目は盛り込まれています。具体的に現在展開されている平和運動はどうなっているのでしょうか?

 具体的な運動展開は、現在目に見えにくくなっています。独自で言うよりは、平和運動センターや共闘できるそことの横との繋がりがあります。そこへ市労連や市職労が入っていきまして一緒にやっています。
 独自にやることも必要ですし。組合員や市民に「なぜ平和が必要なのか」を。平和という言葉は皆さんよくご存知です。当然戦争は駄目ですよと、言葉では理解していると思います。


 一方でそのことをこちらが発信してきたかと言いま
すと手薄になってきたのかなと思います。もともと公務員が召集令状という赤紙を市民にやってきたと言う歴史的経過があります。それを二度と繰り返さない。
 そういう思いで、労働組合の議案書などにも反戦平和運動をこれを守っていこうと位置づけています。

2004年11月6日に開催されました「安田純平さんイラク現地報告会」高知市職労にも参加協力いただきました。
 平和運動センターという組織があります。具体的に活動はされているのでしょうか ?
 平和運動関係の議長は、現在高知市水道労組の役員がやっています。そこに市職労も常任幹事という形で入らせていただいています。そこを中心にして、護憲運動や、原発反対運動やら、人権、環境、平和、を一緒にやっている団体です。
 自民党は日本国憲法の改正案を結党50周年の今年国会に出す予定と聞いています。それに対する高知市職員労働組合の立場はどうなのでしょうか?
 自民党を狙っている憲法の改正の本音はどこにあるのか?ということです。結党50年ということもあるでしょうが、狙っているのは憲法第9条の改正であるならば、全く反対です。
 そして彼らの言っている「時代に合わなくなった」という言い方、自民党の中にもハト派とタカ派がいます。ハト派は「改憲すべきではない」と言っています。あまりに小泉首相は改憲論議を進めています。その背景は何であろうか?アメリカ追随だけではないでしょう。
 「戦争が出来ない国」から、「戦争が出来る国」に変えてまで、憲法まで踏みじにる。それに対しては怒りを持ちます。
昨年(2004年)参議印選挙にて地元候補者応援に来られた小泉首相と安倍幹事長(当時)2人とも熱心な改憲論者である。
 組合大会のスローガンのなかにも、「憲法改悪と有事法制の具体化を許さない」とあります。やはり、一貫した市職労の運動方針案としてあるのでしょうか。
 全く憲法議論はするなとは申しません。確かに新聞その他の報道では、世論は改憲を含めた思いを持った国民の比率は高くなっています。ただその事は「情報がきちんと」降りていません。そのなかで一方的に「派遣は必要ですよ」「自衛隊が必要ですよ」「軍事は必要ですよ」ということで議論を進めようとすることに危惧しています。
 イラクへの自衛隊が「復興支援活動」とされ継続派遣されています。それについて、労組の立場はどのようになっていますか?またどのような行動をされていますか?
 私達の組合としましては、自衛隊のイラクへの派遣には反対です。情報が十分に伝わっていない中で、一方的に「人道支援」と言われています。その裏で彼らが何をしているのか。マスコミを含めた情報が一方的過ぎるのが問題であると思います。
 本当にそうなのかと言えば、違うのではないかと思います。実態は国民が知っていると思っていることと違うのではないでしょうか。そういうことを含めた議論がされていないことが問題であると思います。
 数の論理で「特例法」をこしらえ、その議論も十分にしない。イラクへの自衛隊の派遣問題は非常に問題であると思います。
 平和運動への取り組みについて、若い組合員の関心はありますか?またどのような 啓発活動をされているのでしょうか?
 若い職員は、特に「子育て世代」になっている若い職員は憲法の問題、平和の問題に関心が高まっていると思います。だからといって何をして良いかわからない。組合のほうも提起もしていないのも問題です。その意味でも関心をきちんと集めて、持った情報をきちんと集めて、そこでの議論をしていきたいと思っています。
 以前に有事法制の時に、街角で署名運動をしました。その時に学生さんから。社会人の方から多くの署名を頂きました。あのひとつ、ひとつの声が本心だと思います。
 その意味できちんとした情報を出しながら、きちんとした意見も出す。これからの日本をどうするか。そんなレベルの話が出来る。

 安田純平さんイラク現地報告会は、「安田純平さんを高知を招く会」(現在サロン金曜日)代表の松尾美絵さんら有志の市民が中心に企画・運営されました。

 松尾美絵さんも高知市職労の組合員です。


 労組のなかには、民主党、共産党、社民党などの支持者や、支援地方議会議員もいると思います。政党間の対立はないのでしょうか?組合内部での平和運動はうまく協調ができているのでしょうか?
 政党間の問題はひじょうに難しいですね。私たちは政党ではなく労働組合ですので、協力、協働することはあります。ただあの政党がこう決めたから、労働組合がその党利動くということはありません。
 そういった政党と労働組合の関係を保ちながら、私達の運動のスローガンである平和については、幅広い戦線をつくりながらやれば良いと思います。組合内部も特定の政党を支持するのではなく、幅広い政党と話が出来る、手を結ぶ方向でやっています。
 あまり特定政党とはどうのこうのとはありません。ただ協力できる政党とはきちんとやっていく方針は持っています。

毎年8月に行われる「反核平和リレー」室戸市と土佐清水市から出発。労働組合委員がトーチを繋いでリレーをします。

8月6日の高知市での反核集会がゴール地点です。

(写真は高知県職員労働組合中央執行委員長の山崎秀一さん提供)