これからの地方自治をどう創造されますか?
 今週のゲストは、高知市職員労働組合執行委員長の野田裕張さんです。今日のテーマは「これからの地方自治をどう創造されますか?」でお話を伺います。
 最近地方自治体を取り巻く状況は厳しく、高知市は前市長時代の「箱物公共投資事業」により財政が極度に悪化しています。
 岡崎市長は「リストラ策」ばかり出されています。削減ばかりで大丈夫なのでしょうか?市職労の立場ではどうなのでしょうか?
 岡崎市長もこの財政危機を乗り切るために、歳出を抑える動きを強めています。その事は、最初に申し上げましたが、職員の賃金カットなどもその一つの現れです。
 この背景は歳入が低下し、収支が合わなくなって赤字再建団体に陥った場合に、何が一番被害を蒙るかということになります。

 そこで働く職員もそうですが、生活されている市民にも非常に過酷な試練を与えることになります。結果的に赤字再建団体は国の直轄下に置かれます。議会も市長も関係ない。すべては高いレベルの負担を市民に強いることになります。そういう自治体はあるべきではないと思います。高知市も新財政健全計画と言うものも、向こう3年間の収支の見通しを立てて、182億円足りません。その一環としまして、職員の賃金カット、事務事業の見直しをし、絞込みをしています。

 市民へのサービスも一定切らざるを得ません。ただ岡崎市長にののぞみたいのは、単に切るだけなら誰でも出来ます。メリハリをつけることが必要です。今の高知市では何を守っていくのか。不要不朽の事業はないのか。停止や廃止も含めて、市長判断で出来うることを推進し、それについて説明責任をした上で、決定していくべきです。
 いずにしても岡崎市長はしんどい思いをしていると思います。
 

 高知市長岡崎誠也氏。厳しい財政再建の渦中にある。

 しかしその思いは市民には伝達されないでいます。

 

 市職労は高知市が入っている住民基本ネットワークからの離脱を要求されています。その理由は何でしょうか?

 1人1人に番号をつけることになりますね。管理はしやすいでしょう。実際そのことが「乱用される」恐れもあります。長野県の実験で、危険性があることが実証されました。そういう危険性があることがわかっていて進んでそれに高知市が参加していくのはいかがなものかという考え方です。
 市職労は、国際環境規格であるISO140001からの高知市役所の離脱を要求されているようなのですが、その理由はなにでしょうか?企業などは積極的に取り組んでいるようなのですが・・。
 そうですね。高知市もISO14001を取得しました。管理マネジメントシステムと言う意味合いもあります。管理する側をきちんとします。例えば昼間は電気を消しましょうとか、設定温度を守りましょうとか、コピーは両面使いましょうとか。
 ただこんなことは、当たり前の話ですそのことの対費用効果はどうなのか。3年ごとに更新しますが、それに対する事務の多さ。更新時に150万円以上の費用がかかります。
 そのことが単に取得することが良いのか。そんなことはあたり前なので、金のかからない方法を取りましょうと言うことを提案しています。
 土佐山村、鏡村と合併の影響はどうなのでしょうか?
工石山(土佐山)
棚田の風景(鏡)
 
 まず面積が大きく広がりました。これは大きなメリットです。鏡川水域が全て取り込まれました。全国的にもめずらしいことです。環境に取りましても大きいです。
 違った自治体が一緒になりましたので、広域になったものですから、インフラ整備をきちんとすると言うことも含めて、道路も水も直すことも含めていろんな課題はあろうかと思います。
 ただその意味で合併して広がったから良かったではなくて、そこの住民が新高知市になってよかったと言う風になっらないといけないと思います。いろんな産業を含め、山間部を含めてチャンスは広がったと思います。
春野町との合併も想定されています。その影響はどうなるのでしょうか?
 まだ正式に決まったわけでないので想定です。春野町は一定の人口を抱えた自治体で海にも面しています。それもチャンスかなとは思います。
 一つの行政としては、地元の住民の皆さんの合意が必要です。そのあたりをきちんとされて、そういう方向(合併)へ進むのか、進まないのかを議論する必要があると思います。
 市職労の議案書のなかに、自治研とか自治体改革地域改善とか言う項目がありました。自治研究所のような組織があるのでしょうか?
高知市幹部と市職労との団体交渉の様子(写真は野田裕張さん提供)
 
 研究所を持っているわけではありません。自治研究部というものを持っています。これはこれからの高知市を考えていく上で、単に労働条件を守っていくだけではなくて、政策とか、高知市にあるべく制度を研究し、検討していくような部です。

 そういう意味で言えば、旧態依然とした運動よりは前進した運動です。内容的には取り組みたいなと思います。2月か3月に自治研究集会を内部で行い成功すれば、外部へも打って出たいと思っています。
 あまり欲張らずに一歩、一歩やっていきたいなと思っています。

 今までお話を伺いました。市民との協働を含め市職労も運動をしていく必要性があると思いますが。野田さんのほうから最後にお願いします。
 当然私たちは高知市で働く労働者でつくる労働組合ですから、市民との協働は必要です。組合としても市民とともに歩む展開をしたいと思います。いろんな情報も頂きたいと思います。
2月番組に戻ります