公共にめざめる時 その2
 

今週のゲストは、高知県下でまちおこし事業にとりくまれている企業経営者でもある野村裕さんです。今日のテーマは昨日に引き続き、「公共性にめざめる時 その2」です。
 学生時代の話を昨日は主にうかがいました。経歴のなかで野村さんは自衛隊ー航空管制官という職務をこなされています。一般にはなじみのない仕事なのですが・・・・

「イラク特措法」とか、自衛隊の海外派兵問題も国民的な関心ごとです。自衛隊勤務時代は、「公共性」という感覚はどのようなものでしょうか?

自衛隊については国民の一部に誤解や偏見があるのが残念です。
 入隊時に宣誓をさせられます。「政治に関与せず、日本国憲法を遵守し、危険をかえりみず、国民の負託に答える義務を負います」という文言がありました。宣誓に賛同して初めて自衛隊への入隊が認められます。
海上自衛官時代の野村裕さん 練習船かとりの見学です
海上自衛官時代の野村裕さん
練習船「かとり」の見学
 教育や政治勢力のなかで、「自衛隊は憲法違反」というイデオロギーの影響に私などもありました。高知県の教育界などは「革新勢力」が強く、自衛隊を認めない、憲法違反という認識で、子供達にも「政治教育」を実施してきた歴史があります。そのあたりは野村さんはどう思われますか?
 憲法違反だと言うは易いですね。では現実に北朝鮮が攻めてきたらどうするのか?批判される人たちは答えがありません。ちゃんとした議論をしないと駄目だと思いました。
憲法違反だという議論で終わっています。永世中立国のスイスは、有事の時1時間で国民総動員で国境に100万人の軍隊を動員できる体制をとっています。
 スイスは周りを大国に囲まれています。日本もまわりを海に囲まれています。防御しにくい点では同じでしょう。
私も自衛隊に対する「偏見」はありました。しかし昨年の高知国体でのセーリング競技(ヨット)の救助活動で共同チームを海上自衛隊の人たちと組みました。実に真摯  に仕事をされる人たちでした。偏見はなくなりました。

 組織だって救助活動をする。チームワークも良好。救助部は海上自衛隊、大学ヨット部、われわれ社会人ヨット愛好者の混合部隊でしたが、自衛隊の人たちのおかげで、国体は順調に消化できました。

問題を先送りしたのが国会審議でも残念ですね。
 真正面から、議論をすべきでしょう。すぐ憲法改正という議論をするのではなく、自衛隊のありかたの論議を国民各位が深めるべきでしょう。
航空管制官という仕事は、空域航空機の「交通整理」の複雑で神経を使う仕事です。
  時間や空間の制約に追われる仕事であったと思われます。
  野村さんが、航空管制官の仕事で得られたことはなにですか?
航空管制官時代の野村裕さん
小銃訓練をしています。

航空管制官時代の野村裕さん

京都舞鶴での教練の様子です。
個人の能力や技量が、航空機各位の安全に関わるという現実の厳しさを感じました。技量が低ければ皆の安全に関わる。それを管制官時代は叩き込まれましたね。
 航空管制官の不都合があれば、航空機は衝突、墜落してしまいます。
 
 沖縄の米軍基地も日本を防衛し,牽制する具合であれば法外な規模と装備です。自衛隊は専守防衛で日本の防衛のみが担当です。自衛隊であれば沖縄の基地はいりません。そうした議論もすべきだと思います。