食文化の変化と現代企業社について
 今週のゲストはNPOこうちコミュニティシネマ理事であり、現代企業社デザイン企画室長の大西みちるさんです。今日のテーマは「食文化の変化と現代企業社」についてでお話をお聞きします。
 私などは学生時代は中心街にあるファーストなどの喫茶店に通い、社会人になり車で郊外のネレウスやゲンダイで食事をしてきました。日常の生活の中に自然に現代企業社の店舗があったようでした。
随分昔とは業態変更をされていると思います。今の店作りの中心となっている考え方は何な のでしょうか?
 現代企業社はおかげさまで現在15店舗あります。高知と愛媛県西条市にもあります。郊外のレストランもあれば、街中の喫茶店もあります。
 各店舗によりまして、考え方も店作りも異なっています。一応根本的には「地元の人たちに愛される」店作りをめざしています。
 最近高知でも道路事情が良くなり、県外資本のレストランや食専門店が進出してきています  。大西さんの会社は迎え撃つためにどのような「特色」を出されているのでしょうか?
レストラン屋根の上のガチョウ(高知県日高村)
珈琲レストラン穀物学校(高知市高須)
 郊外とかに行きますと、たくさんファミリーレストランや様々のフランチャイズのお店がたくさん出来ています。食が溢れていますね。街中にもコンビニがたくさん出来まして、簡単にお弁当も食べられますね。
 そこで現代企業社として何が出来るのかと言いますと、焦らずにマイペースで、「向うのお店にないものを」、「マニュアル化されていない」サービスや接客であったり、料理やメニューではないでしょうか。そういうものが魅力ではないかと思っています。
 お店、お店の特長を味わっていただきたいと思っています。
店舗の設計や外観、造園などにも気遣いが見られます。そのあたりも会社としての考えがあ るからなのでしょうか?
 そうですね。各お店によりましてインテリアも違いますし、店内にかかっているBGMも異なります。それはちゃんとそのお店に合ったものを用意しまして、お客様に時間や雰囲気を楽しんでいだだけますように各お店で考えています。
 先ほど大西さんのお話で「マニュアルがない。」と言われました。マニュアルがないのに(マニュアルに頼らずに)接客される場合にはどういうところに、気遣いされているのでしょうか?
 やはり何事もケースバイケース。臨機応変に接客するのが一番の接客であると思います。もちろんファーストフードも全てがマニュアル化されているわけではありません。
 型にはめられた接客をしていますと、お客様も「窮屈」であると思いますね。そういったお客様に負担をかけないような、「ゆとりのある接客」心掛けています。せっかくコーヒー一杯を飲みに来てくれているわけですね。お客様にはゆったりとした良い時間を過ごしていただきます。
 がちがちしたような接客はしないという感じでやっています。
 前日にはサッカーのお話をいただきました。いくら練習で決まりごとをしていましても、試合の局面では異なる場合があります。サッカーの場合は1人1人が局面を打開する動きが必要になります。「自由度」がサッカーの場合はありますね。
 店舗のなかにおいてもあるのでしょうか?
ガーデン食堂土佐水木(高知大丸6階) Restourant12ヶ月(高知市神田)店内の様子
 そうですね。お店によりまして、店長任せのところもあります。逆にアルバイトが中心になぅてやっているお店もあります。状況に応じて対応できるように従業員の皆には伝えています。

 確かにそうですね。サッカーの場合は試合が始まれば監督の関与することは、野球のようには出来ませんね。試合はゲームキャプテンが組み立てますね。でもマラドーナのように1人で局面を打開する人も必要ですね。マニュアル化しないということは、従業員1人1人のレベルが高いということですね。
 ジーコ監督のサッカーも「自由度」が高いですが、選手1人1人にプロ意識を求めますね。現代企業社がマニュアルがないのは、プロ意識の高い人を人をパートでも従業員でも確保されているからできることなのですね。
また現代企業社は店舗を郊外だけでなく、大橋通り、帯屋町、高知大丸など高知市中心街にも展開されています。それは理由があるのでしょうか?
 現代企業社のイメージと言いますと、郊外のレストランのイメージが強いと思います。先日お話いたしました「街に元気を」ということですと中心商店街にある喫茶やレストランも盛り上げていかないといけないということで、街の方のお店も経営させていただいています。
メフィストフェレス(高知市大橋通り)
FAUST(高知市おびさんロード)
今大西さんが企業人としてトライされていることがありましたら、おかまいない範囲でご紹 介ください。
 私の仕事である「デザイン企画室」と言いますのは現代企業社のレストランとか喫茶のメニューであったり、チラシであったり、POPであったりそういったものを制作しています。
 接客とか食事メニュー以外に自分でもっとやりたいなと言うのは、デザインとか芸術の面です。おびさんロードの上にあるファーストの上にはギャラリーがあります。そちらのほうのラインアップの充実を計ったり、大橋通のメンフィストフェレスでは3階にホールがあります。演劇やコンサートを開催しています。そういう面にも力を入れていきまして、現代企業社は芸術面でも強いのだいうのをこれから進めていきたいと思っています。
 
高知の市民に特に訴えたいことはありますか?どういう部分を食の専門家として提案されて いくのでしょうか?
 やはりこれから目指していくのは「地産池消」ということが言われていますが、お店の中で高知の食材やものを上手に調理してお店にどんどん出していければと考えています。
 スローフードやスローライフという言葉をよく聞きますが、スローな生活は大事なのでしょうか?
 そうですね。ゆったりと過ごしていただいて、気分よく食事していただくためには、そういった「スローフードの精神」というものは必要であると思っています。
 これからの社会ですが、少子高齢化など難しい要素があります。未来の現代企業社について大西さんのほうでおかまいない範囲で構想などありましたら、おかまいない範囲でお願いしたいのですが。
 少子高齢化社会という日本のなかでも、フィットするような会社にしていきたいと思っています。やはりさきほど申し上げました「スローフード」の気持ちを忘れないで、各お店を魅力を出して行きたいと思います。「現代企業社で働きたい」と思われる企業にしていきたいと思っています。
*現代企業社のホームページ  http://www.gendaikigyosha.co.jp/
 
* 店舗の写真は大西みちるさんに提供いtだきました。