高知を面白い街にするために
 今週のゲストはNPOこうちコミュニティシネマ理事であり、現代企業社デザイン企画室長の大西みちるさんです。今日のテーマは「 高知を面白い街にするために」でお話を伺います。
 働き、学び、遊び、生活する都市がおもしろくなければ都市は活力を失い衰退します。中心街は過疎化し、郊外に人口が増え、車社会で分散した「不便な都市」に高知市はなりつつあります。
大西さんはアメリカで学生生活をおくられました。社会スタイルの違いはありますが、日本 はアメリカの真似をしているのでしょうか?
 そうですね真似をしているわけではないでしょうが、アメリカにだんだん似てきていると思いますね。ダウンタウン(中心街)が元気がなくなり、郊外型のショッピングングモールが発展していくような、一昔前のアメリカのように今の高知はなっていますね。
 

 収録風景です。大西みちるさんは、高知の街を面白い街にするためのプログラム(モジュール)をいくつか保有されておられます。

 米国と東京での9年間の経験、地元をよく知っていることで、他人任せではない「まちづくり」の方法手段を開発されることと思います。また実践力のある人です。「話の話の人ではありません。」

大西さんはアメリカや大都市などで生活された経験があります。ないものねだりをしても仕方はありませんが、「高知に足りないもの」を何か感じられますか?
 また高知へ戻られる時「逆カルチャーショック」はありませんでしたか?
 大学時代はアメリカのボストンで4年間過ごしました。その後は5年間東京で仕事をしていました。昨年高知へ帰って来ました。
 高知へ戻ってきて感じましたのは、若者の遊ぶ場所、勉強する場所が街中になくて、若者達はどこにいて何をしているのだろうか?若者が集う街ではないではないかと思いました。
 大学とかも僕が帰ったときに「新しく大学が出来たよ」というので、どこへ出来たのかと思いましたら山田の山の上に出来ました。街中を見ていますと中高生しか歩いていません。そうしたものは寂しいなと思いました。
ボストンの街並み
大学時代の友人達
 高知のエンターティメントのひとつであるよさこい踊。大西さんは参加されたことがないそ うですが、それは「面白くない」からでしょうか?わたしも子どもの時から参加したことは ありませんし。
 そうですね。高知といえばよさこいですね。しかし一度も踊ったことはありません。生まれ育ったのは日高村でした。よさこいなんか踊らなくても遊び場がいくらでもありました。山だったり、川だったり、グランドでサッカーをしたりとか。よさこいは僕のなかでは、テレビで見るニュースだけのものでした。
 今年初めてよさこいを身近に感じました。踊ってはいませんが。よさこいは大変盛り上がりますが、終わった時の空しさなど、商店街の人のやる気のなさを感じまして、どうにかこの祭りのときの熱気で365日元気のある街に出来ないか。逆に燃えて来ましたけれも。
 一過性のもので、年に1回の「スーパーイベント」ですからね。よさこいは。準備なんかも大変ですし。それが終わった時は後でかくっときますのでその落差がすごいものですね。

 そうですね。燃え尽き症候群ではないでしょうが、8月の中旬で「もう夏は終わった」と言われている人が多いので、これは良くないのではないかと思いました。観光客が言われるのであればいいのですが、商店街で生きている人たちがそんなこと言っていてはいけないだろうと思っていますね。

 

(よさこい祭りの風景)

 高知の都市をどうすれば面白くなるのでしょうか?大西さんが考える構想をご披露下さい。
 どんなものにするかと言うことですが、自分がいろいろやっていることをかき集めようと思っています。高知コミュニティシネマが主催する映画祭をやったり、ちょうど明後日(9月18日)におかなわれます「ら・ら・ら音楽祭」と一緒にやるとか。
 同じく9月18日に企画していますおびさんマルシェのイベントも一緒に出来ないかと思っています。
 これを1週間や2週間にスパンで、映画祭あり、音楽祭あり、マルシェもあり、あとよさこいの後半戦もあれば良いと思っています。あとストリートダンスも高知は盛んです。そうしたブレークダンスもやるとか。
 そのイベントをトレーンナーレでくくって、1週間か2週間やります。息の長いイベントにして行きますと、県外いや海外の人が高知へ行ってみようということになります。
ボストンは学生の多い街で、若者が集まっていました。 卒業式の風景でしょうか
 それは凄いことですね。一過性のイベントは単発性ですね。よさこいもスーパーイベントですが期間が短いですね。「一極集中」になってしまいますね。それで関係者はものすごく準備して、終われば虚脱状態になってしまいますね。
 よさこい祭りもあれだけ踊りの水準が高くなりましたら、1回だけでなく何回も見てみたいとは思いますね。あれほど大規模でなくても小規模のものを見せるとか。先ほど言われていましたアアートのある商店街とか。メニューはたくさんありそうですね。
 街とかも高知の中心商店街の再開発とか言われていますけれども、できればアートとかに合うようなモダンなところと、レトロなところとか、お城の下にある城下町風とかがミックスされて、似合う街になれば、イベントも根付いていくでしょう。 
 そういうことで周りの皆に呼びかけまして、高知を面白い街にしていきたいと思います。
 おびさんマルシェは 9月18日午前11時から午後5時までおびさんロード(中央公園西口から大橋通りまで)
 開催します。雨の場合は1週間順延です。
*詳しくは大西みちるさんのblog http://jedirock1976.blog.ocn.ne.jp/kccinema/
*ボストン関連の写真は大西みちるさんに提供いただきました。
9月番組に戻ります