けんちゃんのどこでもコミュニティ
高知まんがランド構想について
 今週のゲストは日本銀行高知支店長の迫田敏高さんです。今日のテーマは「高知まんがらんど構想について」です。日本銀行高知支店のホームページ(http://www3.boj.or.jp/kochi/)を拝見しますと、「高知まんがランド構想」というコーナーがございます。
 迫田さんは土佐経済同友会・観光振興委員会の「まんがによるまちづくり実行委員会」にて活動されておられます。
具体的な活動としましては、はりまや橋の旧とでん西武百貨店跡の建物に、高知県にゆかりのある漫画家の作品パネルを設置されました。夜はライトアップされています。実現させるまでには、大変ではなかったのでしょうか?
正直言いまして時間との戦いでした。短い時間で。特によさこい祭りの50周年に合わそうと活動したものですから。またお金がないなかで、どうやって素晴らしいものをつくるのか。そのあたり大変でした。
旧高知西武百貨店跡地。高知にゆかりのある漫画家のパネルが飾られています。偶然フクちゃん電車も。
ほかに高知には、香北町のあんぱんまんミュージアム(やなせたかし氏)や、南国市のはらたいらとオルゴール館、高知市の横山隆一記念まんが館などもあります。
高知県出身の漫画家はなぜか多く、高知県なども高校生による「まんが甲子園」大会を支援しています。高知はまんがが広まる風土なのでしょうか?
私は高知へ来まして1年半以上経ちました。やはり高知には漫画文化が育ちやすい「明るい、元気な風土」があると思います。これを是非素晴らしい財産として世界に情報を発信をしていっていただきたいと思います。
日本銀行とまんが。イメージ的にくっつきません。迫田さんが漫画にこだわられる理由はなになのでしょうか?個性のない日本人と言われていますが、漫画やゲームなどは「日本人の独創性」として諸外国では高く評価されています。その理由と関連はあるのでしょうか?
まさにそのところです。私の仕事の関係でいけば、「地域経済をいかに活性化していくか」ということになります。そのためにはやたらお金をかけるんではなくて、今ある財産をどう活用していくかが大きなポイントです。その意味で高知に漫画ありを、どんどん生かして行くべきですね。そういう発想ですね。
漫画がキャラクターになり、普及すれば、大変な経済波及効果があることは理解できます。迫田さんが関わられる運動は、「高知にオリジナルキャラクターをこしらえる」ことなのでしょうか?
そういうことが出来れば、高知の「売り」材料になります。必ずしもそういうことが出来なくても、市民生活がうまく漫画の文化を取り込んだ社会になって行けば、それだけで高知は「漫画の街」と言うことになり、とくにキャラクターがなくても宣伝していけるのではないかと思うからです。
具体的には、漫画の標識にするとか、街に漫画のキャラクターを溢れさせるとか、アンパンタクシーやバスを見かけますが、ああいう具合に広がればいいのでしょうか?
いろんなイメージが広がってきているのだと思います。市役所の方の名刺を見ても、漫画があります。建物にも漫画が書かれています。帯屋町商店街にいきますとフラフにも漫画が書かれてあります。いろんなところに漫画を取り込んでいけば、そこに生活している人も楽しくて良くなっていくのではないでしょうか。
ごめん・なはり線が健闘していますのも、やなせたかしさんの功労が大きいと思いますね。実際にアンパンマンのぬいぐるみも乗車してきますし。
JR四国もそうですね。「アンパンマン列車」がありますから。
確かに飛行機の「ポケモン・ジェット」も人気がありますからね。あれに乗りたい。いつ来るんだという問い合わせが飛行機会社にあるそうですので。キャラクターの影響は大きいようですね。
大きいですね。そんなにお金がかかるものではないですし。
キャラクターがヒットする確率は低いようですね。「3000分の1」とか言われていましたから。
でもそのヒットする「元」になる人を高知はたくさんかかえていますから、可能性は高くなりますね。100人ぐらい漫画家がいましたら、1人ぐらいは出てくる可能性はありますから。
フクちゃんなんかはどうなのでしょうか?横山隆一さんの鎌倉の私邸を高知へ移設しようという運動をされている人にも番組ゲストに来ていただきましたが。
フクちゃんキャラクターの数々です。(カリノ美工制作)
フクちゃんはフクちゃんで人気があります。ただ、フクちゃんは古いですね。しかしある種の普遍性があれば、漫画は「時代を超えること」が出来るものです。鉄腕アトムがそうですね。誕生したのは40年前ですよ。未だに世界中で「アストロボーイ」でやっていますね。それと同じですね。「おしん」がいつまでたっても繰り返されるのと同じで、フクちゃんもある意味で日本的要素を持ったキャラクターで評価される可能性があります。
小津安二郎の映画が、外国人に高く最近評価されていますね。あのちまちました「四畳半映画」がと思いましたが。フクちゃんも可能性はありますね。
アンパンマンはそうですけれども、どうしても年齢層が低いですからね。中学生は飛びつきませんから。高知は漫画家が多いのですが、その「財産価値」を地元の人が認めていないのが残念ですね。他所の人は認めているのに。今回の西武跡のパネル絵にしましても、やなせたかしさんも、はらたいらさんも交渉しましたら「地元のためならと」無料で描いていただきました。中央で頑張っている漫画家の皆さんもそういう気持ちがありますね。でも一部の人以外に地元と交流がないのは残念だと思いました。地元で使わないからいけないのですね。高知の外では評価されていますのに。
漫画は書籍の形もあれば、キャラクターでも製品化というので、経済波及効果が生ま  れます。子供だけが愛好者でなく、キティちゃんなどは、今や若い女性たちで成人し  てからも愛用されていますし。高知を「売り出す」場合でもオリジナルキャラクターが  あれば、高く売れるとは思いますが・・・・。それを支援しバックアップする体制も必要であると思いますが。
そうですね。バックアップするうえで大事なことは、高知に住んでいる人が漫画を大切に、楽しく思っていることですね。そこが重要です。県民に支えられたものが一番広がりがあると思います。そのために1人1人の人が漫画を使って楽しめばいいのではないかと思います。
例えは異なりますが、香川県のうどんなども、香川県の農家の人達がそれぞれ誇りに思っていたうどん文化が爆発しましたね。生活に密着していませんと広がりませんね。
アンパンマンが良い例だと思います。アンパンマンは高知出身のやなせたかしさんが描かれています。しかし高知発の漫画ではありません。なぜかと言いますとアンパンマンミュージアムもアンパンマン列車もあるけど、どこにもある状態ではないですね。アンパンマンってどこかな東京かなになりますね。もっともっと使うべきですね。そうなれば「高知へ行けばアンパンマンに会える」ということになりますね。
高知県などが支援しているまんが甲子園 やなせたかし氏協力のパンフレット
アニメや動画、グラフィックスなども可能性は高知にあるのでしょうか?
しかしその制作現場は東京近辺です。任天堂なども最初から英語が出来るデザイナーを雇用しているようなのですが・・・・・。
そこが非常に重要なポイントですね。漫画とかグラフィックとか、アニメなどは別に工場で生産するものではありません。高知にあってもおかしくないですね。さっき英語がわかるうんぬんがあって多少どうかというところはありますが。漫画は機械とかものとは違う、ソフトな産業ね。今注目していますのは高知工科大学の動向です。アニメ産業とかフィルム産業とか、ソフトの分野に力を入れていこうとされています。このあたりと上手く「共同」して産業化に向けて行けば良いと思います。
アニメやフィルムなどは物凄い情報量ですね。世界的に蔓延する可能性があると考えておられるのでしょうか?
漫画、アニメの世界は普遍性があります。日本発の必要性がありません。世界中に通用するものが作れるのです。そのなかでも日本はそういうものを作り上げる技術やアイデアを持っている分強みだと思います
単なる観光資源ではなく大きな産業を創出する可能性があると考えれば良いのでしょうか?
世界に通用するビジネスであり、産業です。日本自体もそういう方向に向けて今取り組んでいく最中です。
日本人のオリジナリティをそれによって発露させるひとつの方法手段に、漫画文化はなるということですね。
 
そうです。広い意味でソフトビジネスになるということです。成長産業になりうるのですから高知工科大学は可能性がありますね。制作から、脚本づくりまでトータルになります。
 アニメグラッフックスの技術に特化していて、高知工科大学へ来て撮影するようになるかもしれませんね。
トップページに戻る