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グローバルな観点で、高知を考える
 今週のゲストは日本銀行高知支店長の迫田敏高さんです。今日のテーマは「グローバルな観点で、高知を考える」です。かつてこの言葉は今は亡きニッポン高度紙工業の岡田盛会長が常に言われていました。
 地球規模、世界規模、日本規模の発想から、高知のことや、会社のことを考えていけば「大局は誤らない」との事を言われていました。迫田さんも国際経験も豊富ですし、日本全体から大きく物事を考察することができる立場です。
その大きな観点から、高知を見られている場合、可能性はあるのでしょうか?
日本経済の総量から言えば、高知県はなくなっても「存在感」のない経済規模なのでしょうか?
私は高知は有名な坂本龍馬や浜口雄幸を生んだ土地柄なので、スケールは大きいと思います。県民の志と実行力です。量ではなく質です。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」そんな県になればいいのではないかと思います。
迫田さんから見られて、高知の人間の特色、とくに悪いところ、改めたら良いところはどのようなところでしょうか?どんなところがまどろこしいところなのでしょうか?
良く聞かれる質問です。悪いところうんぬんということよりも良いところはなにかということを大切にしています。短所は長所の裏返しです。「明るく行動力がある」ということは「思慮がない。」ことになりますし、「スケールが大きい」のは「大雑把でアバウト」ということになりますね。「議論好き」は「言いっぱなし」になります。
 でも短所はちょっとした工夫で長所にもなります。そういう捉え方で良いのではないでしょうか。
物事は両面があるということが良く理解できました。
11月に総選挙、高知では県知事選挙と、高知市長選挙がありました。
そこでも「雇用問題」「産業振興」が大きなテーマでした。政治の出来ること、できないことはなになのでしょうか?知事や市長に経済振興を期待するのは間違いではないのでしょうか?
行政には行政の出来ること。民間には民間の出来ることがそれぞれあると思います。
なんでも行政に押し付けるのは無理がありますし、逆もそうです。
いかに両者が連携していくことが課題でしょう。従来型の行政主導ではなく、民間が主導で動いていくという新しい方向性を模索すべきだと思います。
橋本知事は「4期目はどんどん外へ出てセールスマンをする」と宣言しています。
高知の「売るべくもの」はなになのでしょうか?昨日は漫画文化と言われていましたが。他にはどのようなものがあるのいでしょうか?
小さい企業であっても優れた技術を持った企業は多いと思います。その企業が大きなシェアを取り大きな企業になればいいかといえばそうは思いません。NO1になるのは量ではなく、「オンリーワン」になることではないでしょうか。そういう企業は高知にもたくさんあると思います。
そういうものを「特化」することが、高知の今後を考える上で大事であるということですね。

諸外国や国内の先進事例で、まちづくりや産業振興で見習ったら良い事例がありましたら、是非ご紹介下さい。

私は最近思っていることは、高知県は「高齢化先進県」で大変だと言っていますね。私はむしろ最近申し上げていますのは「むしろ高齢化を生かしたまちづくり」を提唱しています。日本のなかで高齢化先進県もモデルになるべきだと思います。その参考になるのが
アメリカのフロリダ州ですね。マイアミがあり、ディズニーワールドがあるところですね。あそこは高齢者のウェートが高いですね。高知に似て気候も温暖ですし。食べ物も美味しい。全米から(所得の高い)高齢者が移り住んできています。それによって高齢者を中心とした産業.文化・スポーツが発展しています。フロリダ州自体のアメリカ合衆国での地位をひきあげています。これが良い参考事例だと思います。

自動車に脅かされなくて散策ができるまちづくりが必要です。

低床式の交通機関の導入もポイント
フロリダの場合は大リーグのキャンプも集中しています。リタイヤメントタウンですか。お金持ちの高齢者が来ていますよね。
高知も実は高齢者はそこそこ財産は持っていますよね。それが外から集まっていただけば、もっと集まって来るかもしれません。住みやすくすれば集まるでしょうね。
沖縄などはそれを意識的にしていますね。高知はあまりやっていないようなのですが・・・。
やっていなければ、やれば高知の「売り」になると思いますが・・・。
確かに教授をなさっていた人が県外から高知のある田舎町にリタイヤしてから夫婦で住んでいた人はいました。その人が言われるのに「京都なら哲学の道があり、歩いて散策できるのに、高知は、どんな田舎道でも車が入ってきて落ち着いて歩くことが出来ませんね」といわれていましたから。そのあたりのやりかたの工夫が足りませんね。
そういう面のグランドデザインといいますか、県全体の大きなコンセプトも作り上げていく努力が必要ですね。
2004年はどのような年になりそうでしょうか?アメリカや中国の動向も気になるところですが。
大きな世界経済の流れは一言では「発展の時代」になると思います。特にアメリカと中国経済は好調だと思います。日本もおそらくその「恩恵」」を受けていくだろうと思います。そういう意味から行きますと、一言で言いますと「デフレを脱却するための足場固めの年」という位置づけが出来ると期待しています。
デフレを脱却したら、それは個人消費が盛んになる可能性があるのでしょうか?
個人消費も盛んになることを前提にして企業の収益が良くなります。そうなりますと個人の所得も良くなります。そういう見込みがあるのではないかと思います。
やはり高知は「観光・コンベンション」に力をいれるべきなのでしょうか?
先進都市と比較し、なにがどの程度「足りない」のでしょうか?
よさこい踊り 夜須町の手結の盆踊り
高知は県の人口が80万人という小さな都市ですね。このなかでなにか経済を大きくしていこうと思えば、人を引っ張ってくる必要があります。そういう意味で観光は極めて重要です。これが「交流人口」で行ったり来たりの、結局帰っていく人口よりも、そのなかで何人かでも「定住」していただく人口。あるいは高齢者の話もしましたが、リタイヤした人達が労働力となって、経済に寄与できるまちづくりになる大きな方向性になると思います。
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