理想の人間社会とは?
 今週のゲストは福祉住環境コーディネーターで、建築士の笹岡和泉さんです。
今日のテーマは「理想の人間社会とは?」でお話を伺います。
 戦争だ、テロだ。不況だ。就職難だとか、年金減額とか言われています。高齢化社会の日本という印象も何か暗いようなのですが・・・・。
 まず伺いますが、笹岡さんにとって「理想の人間社会」というのはどういう社会なのでしょうか?あるべき社会とはなにでしょうか?
 大きなテーマですね。私は目指すのは「誰もが幸せになれる街」だと思います。高知の街で暮らしている誰もが幸せになれる。それを目指しています。みんなが幸せになるなんて無理ではないかと大概の人は言います。
 やはり生活されている人も、経済状態や、生活環境や、価値観でものの捉え方も違うとは思います。みんなが幸せになりたいというのはみんなの共有の思いなのです。障害を持たれている人は、、自分の障害でこんなこんなに困っているところがあるとか、障害に対しての情報を発信していって、街のなかではこういう風に改善できるよとか。ここまでは出来るけれど、ここまでは出来ないとか。みんなで協力しようとか。それぞれの価値観や持っているものを出し合って、目標のところには「みんなが幸せになるところの街に」というところが「共有」出来ていれば、みんなで一つの意見に答えが見つけれると思います。
声がけが気軽に出来る街がいいですね。
福祉の用語で「ノーマライゼーション」という言葉があります。この言葉と「ユニバーサルデザイン」とは同義語なのでしょうか?
 おおもとの意味は同じだと思いです。
 ノーマライゼーションは障害があってもなくても、社会的権利としてあたりまえに生活できることがノーマルなんだという考え方、それを社会が目指しているというものですね。大きな理念ですね。
 ユニバーサルデザインはデザインなので、それを物に落としたということですね。具体しますと商品であったり、建物であったり、道路や交通機関であったりするわけですね。
 高齢者や障害者の社会参加を促進する仕組みづくりが大事であると思います。移動の
問題、買い物の問題。人間としての市民生活を自然に過ごせる社会が「理想の社会」であると思いますが。まだまだ実現するためにはバリヤ(障害)があると思います。一歩でも近づけるために笹岡さんたちはどのような活動をされていますか?
 そうですね高齢者、障害者の社会参加という点では、活動されていますOPEN HEART(重度重複の障害のある子供たちが豊かな地域社会を送るために必要なことを実現する会)を見ていましても、自分達の枠のなかで、一生懸命されていたりしています。
 そういう人達に昼間は時間があるから手伝うよと言って、高齢になって、退職しているから時間もあるし、備長炭の作品づくりであれば手伝うよという人も、繋がばたくさんいるのではないかと思います、まだまだ繋げてはいません。
 本当に困っている人と、時間も思いもある人を繋ぐことが出来ましたら、うまくいくのでしょうが・・・。自分達の活動のなかでの繋ぎ役をしていきたいと思います。
 私も西宮や吹田市の施設は見てきました。本当に重度の障害の人達の施設は街中にあります。どんどン街へ出て行っています。それには関わるスタッフのサポート体制も意識の高いものがあってと思います。
 居酒屋であろうが、カラオケであろうが、美容院であろうが、どんどん出かけています。そういう場が街中にあって、施設もタクシー会社も理解があって協力していただいています。施設が街中にあるからこそ可能だと思いました。誰もがその場に訪れる場であれば良いと思います。
西宮市の施設です。
吹田市の施設
 確かにそうですね。以前出演されました竹村利道さんも言われていましたが「消防署とか、めったに行かない市役所などがバリヤフリーになってもしかたがない。やはりみなさんが行かれる商店街とか、カラオケやパチンコ店などがバリヤフリーになるべきだ。」
 だれもが利用しやすい環境になることが、理想の人間社会になることではないかと思います。
 そうですね。障害の持っている人も美容院へは行きたいし、美味しいものも食べたいのです。生活に必要な場面が、理解が深まってくれば良いと思います。
 いろいろと伺って来ましたが、笹岡さんのほうでどうしても言いたいことがあればお願いしたいと思いますが。
 福祉住環境コーディネーターのことに戻ります。検定に合格しましてもなかなか生かせる場がない。情報がないとかその思いがあるのにそういった場にどうつなげたらいいのか?という声もよく聞きます。
 なかなか検定に合格したからといって、就職やビジネスに直結するものではありません。今本当に超高齢化社会という状況になってきまして、福祉住環境コーディネーターで勉強した知識が必要とされている場はたくさんあります。
 一般の人や行政や、企業や、NPOを繋ぐ、まちづくりやコミュニティ作りを繋ぎ役、リーダー役としての活躍の場は広がってきています。
 まだじぶんたちで資質を向上し行く段階です。繋がってネットワークを組んで活動したいと思っています。
車椅子利用者の海水浴です。
障害者ヨット教室も開催されています。
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