自衛隊のイラク派遣問題をどう考えますか?
今週のゲストは日本共産党高知県委員会委員長の佐竹峰雄さんです。今日のテーマは「自衛隊のイラク派遣問題をどう考えますか?」というテーマです。
 以前この番組に出演いだだきました前防衛庁長官の中谷元さんは「自衛隊は人道支援活動に行くのです。戦争をしにいくのではありません」と言われていました。銃砲を持った「人道支援活動」なのでしょうか?
 まず伺いますが、今回のイラク戦争は大義があるのでしょうか?国連決議もされずに
戦争が開始されました。ロシアやフランス、ドイツは強硬に開戦に反対しました。国際世論が分裂したままの戦争でしたが・・・
大量破壊兵器がイラクにあることを掲げての戦争でしたが、未だに見つかっていません。そしてアメリカは最初からイラクを「悪の枢軸」と決め付けていました。それで先制攻撃をしました。国際世論が反対したのは当然です。多くの国々が反対しました。全く大義なき戦争でありました。「嘘をついて戦争をした」ということで、米国のブッシュ政権やイギリスのブレヤ政権は国際世論、国内世論でも」厳しく批判されています。
 政府は「人道支援活動」と言っています。従来のPKO活動などから言えば、はるかに逸脱しているように思いますが・・・?また外国メディアの報道では「派遣」ではなく、「派兵」だとされています。「日本の軍隊がイラクに派兵されてきた」と報道されています。それについてどう考えられていますか?
「大義なき戦争への、大義なき参加」であると思います。これは実際は「人道支援」と言っていますが「米英両国のイラク占領支配支援」に行っているのは明白です。武器を携帯していくのですから人道支援とはほど遠いものです。だから人道復興支援するのであればもっと民間の手でやるべきです。今現実にNGOやNPOで行かれていまして支援活動をしています。そこへ自衛隊が占領支援に派兵されるということになりますと、せっかく従来日本が中東の国に一度も戦争を仕掛けた国ではなく、軍隊を派兵しなかった国として親近感を持たれていました。そういう信頼を根底から損ない、人道支援そのものを妨げるということになると思います。

国会での議論は十分されているとは思われませんが?

 

(共産党のポスターです。)
国会に対しても政府は十分な資料も出さずに「安全だ。安全だ」と一方的に発言してきました。自衛隊の先遣隊の情報なども大きなごまかしがあったことが、国会審議のなかで明らかになりました。これは問題です。イラクからは出来るだけ早く、撤退すべきだと思います。国会での議論は大変不十分です。「見切り発車をした」と言わざるをえません。撤兵することは困難だと言われますが、このたび総選挙で誕生しましたスペインの新政権は「イラクから撤退する」「国連中心のイラク復興支援でないと撤退する」とはっきり声明を新首相が出しています。
国連の決議に従い、「人道支援活動」をするのは理解できます。そこに軌道修正は出来るのでしょうか?
これはなんとしてもその方向に切り替えなくてはなりません。酷く憎しみの感情を植えつけすぎたと思うからです。これは困難がともないます。
先般イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者をミサイル攻撃で暗殺しました。これにより中東地域全般が危険地帯になりました。イラクは大丈夫なのでしょうか?
佐竹峰雄さん

これはまさに国家的テロですね。中東情勢を考えた場合全面戦争に向かいかねません。

私たちはテロそのものにはずっと反対してきました。一時期はPLO(パレスチナ解放機構)なんかが無差別にイスラエル市民を無差別に攻撃していた時期には、日本共産党は明確に反対してきました。

一時期PLOと関係が断絶していた時期もありました。
 今回のイスラエルの行動は国家的テロですので、許せませんね。

日本は過去はアラブ諸国との関係は良好でした。武器も輸出しなかったし、軍事占領もしませんでした。大変アラブの人達には日本は友好的に見られてきました。今回のイラクへの自衛隊の派遣。共産党のお立場では「イラク派兵」により、どう変化するのでしょうか?
共産党はイラク派兵に反対しています。それはその後に日本国憲法の改正があるからなのでしょうか?またその方法手段はあるのでしょうか?
イラク派兵そのものが大義がありません。なによりも反対であることがあります。同時に今回のイラクへの自衛隊派兵を通じて、日本国憲法で禁止しています「集団的自衛権」を推し進めようという動きを感じます。いつでも自衛隊が海外派兵できる道を開くいう意味合いからも今回のイラク派兵は重大な意味合いがあります。
有事関連法案に関しまして、中谷元さん(前防衛庁長官。衆議院議員)は、自衛隊を治安出動、災害出動をさせる法的根拠がなかったから、ちゃんとした法的根拠が必要ですから整備したと言われています。そのあたりの見解はいかがでしょうか?
自衛隊の災害出動訓練
有事法制そのものが、「戦争国家に道を開くものだ」ということで明確に反対です。
わたしたち国民が行動するとすれば、何をすれば良いかと思われますか?共産党は何をどう国民に提案しているのでしょうか?
さる3月20日にイラク戦争開戦1周年の反戦集会が全世界数百万人を参加して開催されました。集会やパレードをしました。大事な点は「自衛隊がイラクへ送れれたのだから反対してもしかたがない」と「追認」」してしまうことはいけないと思います。草の根から粘り強く国民世論を起していくことが大事です。
政府はアメリカに対して「同盟関係である」ことをことあるごとに強調しています。それは北朝鮮問題があるからと言われています。?北朝鮮の軍事的脅威はいまでもあると思われますか?またどのような対応が良いと考えですか?
北朝鮮は核は放棄すべきである。また北朝鮮は拉致問題を始め、数々の不法行為をしてきたこともすでに今日明らかになっています。これを非難する立場です。北京での6カ国協議(中国を議長国に、北朝鮮、ロシア、アメリカ、日本、韓国が参加)問題も含め、国際社会が話し合いで、理性的に解決すべきだという方向が示されています。
 だからいたずらに経済制裁を走るとか、そういうことではなくて、理性的に解決する。その方向で外交努力を重ねていただきたいと思います。