介護保険制度の問題点は?
 今週のゲストは生き活きサポートセンターうえるぱ高知の下元佳子さんです。今日のテーマは「介護保険制度の問題点は?」ということでお話を伺います。
 2000年4月にスタートした介護保険制度。昨年第一回目の見直しがありました。展望によりますと介護保険料負担は増え続け、現在の40歳以上からの負担では支えきれなくなることも言われています。
 そもそも介護保険制度の目的は何でしょうか?その目的は達成されたのでしょうか?現場で見られてそのように思われますか?

 目的は「医療に関わるお金を抑える」ことと、「医療だけで支えるためには障害の程度を抑え、自立していく人をつくっていく。」ことであると思います。


 私たちも行政の介護事業だとか、実際に現場で働いてみてみますと、とても目的は達成しているとは思いません。悪化傾向にあるのではないかなと思います。

下元佳子さん
  下元さんは、居宅介護支援事業所、ヘルパーステーション、訪問介護ステーションも運営されています。施設介護よりも在宅介護のほうがより大変なのでしょうか?
 ただ単に比較は出来ません。共通して言えることは、1人1人の個人をケアしていくことには変わりはないはずです。施設ケアと言うのは、日本の場合は職員の定数が少ないですし、どうしても集団ケアになりがちです。1人1人の存在が薄くなりがちです。
 在宅介護のほうは、その方しかいません。メリット、デメリットは両方にあります。施設のほうであれば、入居されている方も「入れてもらっている」という意識があります。「世話をしていただいている」という思いがあります。
 在宅の場合は自分の家で、派遣してもらっている、自分も一部負担金を払っているということで、権利を主張される人も多いです。実際介護に携わっている人は、そういう違いを言われることがあります。
 介護の最善線におる職種のひとつはホームヘルパーだと思います。
 ホームヘルパーの有資格者は多いのに、登録して実際に働く人が少ない理由はどうしてなのでしょうか?現状では移動交通費もヘルパーの自己負担であるような事業所が多いようにと聞きました。
 訪問介護のヘルパーに聞きますと、介護施設に勤務したい人が多いように聞きましたが本当なのでしょうか?
 
 施設のほうは利用者も重度の方が多いので、たくさんの方をお風呂に入れたり、ハードな勤務はあると思います。でも経済的な面は安定しているのは、職員になったほうが安定しています。
 ヘルパーステーションというのは、常勤のヘルパーはごく僅かで、後はすべて、登録と言われているパートです。しかも時間パートではありません。1件いくらと言うパートです。この状態では経済的に安定はしません。ヘルパーの仕事で経済的安定を得られるのは難しいです。
 在宅介護を行う場合の家族の態度について、助言をお願いします。専門職のみなさんが当事者に関わる心構えについては、以前お聞きしました。家族の心構えについても、助言をお願いします。
 ご家族の態度も、専門職が関わる場合と同じです。介護してもらう側が土俵を違えるようにはなってもらいたくないですね。大事にするいあまり保護になってもいけないと思います。
 出来るところには役割を持っていただくとか。家族のなかでの位置をつくって上げるとか。大事であると思います。介護の中で家族が考えるためには余裕がないと駄目ですね。ご家族がいろんなことを抱え込んでしまうのではなくて、肩の力を抜いて上手なサービスの利用をしていただきたいですね。
 全部して上げるのが「やさしさ」ではありません。余裕を持って笑顔を作って上げることがいいのではないかと思います。

 以前ゲストに来られました高知市健康福祉部健康福祉担当参事で、医師の堀川俊一さんは「介護保険が始まりましてから、すごい勢いで認定者が増えています。当初は高知市で7000人ぐらいでしたが、1万1千人を超えています。(参考 高知市の人口は約32万人です。)
 介護保険の認定者の増加傾向には「歯止め」がかかるものなのでしょうか?
歯止めはかけなければかからないと思います。
 介護予防の体操などありますね。具体的には。介護状態を悪化させない取り組みは、堀川さんには「いきいき100歳体操」とか、「パワーリハビリ」を紹介いただきました。下元さんはどのような取り組みはされていると思います。展望などはどうなのでしょうか?
 介護予防はやることには意義があると思います。本当に介護保険に入ってしまいますと、介護保険直前の方に、介護予防の盛んにして「歯止めを」かけようとしています。
 実際関わって思いますのは、10年後、20年後のことを思いますと,40台、50台の方がたから運動習慣とか、将来像、長いスパンでの介護予防を考えなければならないと思いました。
 生活習慣病という言葉があるように、生活習慣を変えることは大変難しいことですね。介護もその生活習慣の結果出てくるのですから。
 40台、50台の人は運動習慣をつけましょうと言われましても、仕事が忙しいからしませんね。
 そうですね。自分もそうですね。でもそういう運動の習慣のない人に、70歳代になってから、突然「運動しましょう」と言いましても、レールに乗る方は少ないですね。若いときから運動習慣を持たないといけないと自分を含めて思います。