まちづくりへの建築士としての提案
 今週のゲストは建築設計士の福島高明さんです。今日のテーマは「まちづくりへの建築士としての提案」です。
 福島さんは建築士であり、また保護司として地域活動にも貢献されています。環境問題にも高い関心を持たれているようです。造園デザインの観点からも都市の緑化にも取り組まれています。
屋上緑化にも取り組まれています。今年は猛暑でしたが、樹木の効用は大きいと思います。シンガポールのガーデンシティを高知も目指すべきなのでしょうか?
 実際シンガポールも高知も日差しが強いですね。本当の意味でのバリヤフリーと言いますのは、段差がないということだけではありません。
 やはり高齢者の人が街へ出られて樹木の下で休むことが出来る。休んで次のところへ移動できる。そうした環境整備が必要です。
 屋上緑化に関しても、職場の中での「癒しの場」「セラピー」ということで必要であると思います。ヒートアイランド現象の緩和だけの意味ではありません。

はりまや橋商店街でのweblogサロン。無線LANにより、屋外でも気軽にインターネットが楽しめます。

気軽に簡単なホームページが作成できます。市民が従来のメディアだけでなく、自分自身がメデイァになって情報を発信する時代です。

まちづくりにもそういう要素も取り込む必要があります。

一方で福島さんは、NPOなどを通じた市民参加も大事な要素であると言われています。市民や行政のレベルは上がっているのでしょうか?

 そうですね。問題意識がある方で、プロの人が集まってくることが必要ですね。高知県は「キーマン」になる人がまだまだ少ないです。
 一緒になって取り組みが必要でしょう。
環境に配慮したまちづくりの事例はあるのでしょうか?日本でも外国でもあればご紹介ください。
 ヨーロッパやアメリカは環境に配慮し整備された都市は多いです。日本
の都市に目を移しますと、京都ですね。京都の鴨川から、鑓水で高瀬川へ流していました。江戸時代は高瀬川の周りにいろんな商業施設がありました。水と親しんでいる文化がありました。
 しかし今の時代は逆に放棄した形になっています。昔の日本人の文化を再度掘り起こして、考え直す必要性があります。

ロンドンのある店舗です。

福島高明さんの撮影です。

 京都ではかつては、五重塔以上の高さの建物をこしらえないような節度があったのに、今は京都駅なども巨大な建築物をこしらえて景観を破壊しましたね。
 二次大戦の米軍も歴史遺産に配慮して、京都を空爆しませんでした。日本人が歴史的伝統を壊していますね、嘆かわしいですね。
 日本人は「日本のなかに目を移す」ことが必要だと思いますね。
千利休がやはりそういう文化をこしらえました。国宝の泰庵落ちているですが、山の中に落ちている木を使っています。ワラの見える壁をつかったり。素朴なものを使用して空間をこしらえています。
 昔の人の考え方を「発掘」することが大事だと思いますね。

 もともと福島さんは服飾関係の店舗を経営していました。人が集まり、楽しく過ごす商いの原点はご存知であると思います。街が荒れないようにする工夫は商店街が元気になることであると思いますが。
 これからは商店街の組織の中でも、デベロッパーをされている方、テナントの方も含めた本当の意味のコミュニティを形成するべきですね。
 組織の付き合いではなくて、テナントも積極的に関わりを持つべきだと思います。
 真剣にそのなかでまちづくりを考えるべきですね。
 郊外型大型量販店の発達の一方で、中心市街地が空洞化するという1970年代の米国のような状況の高知市です。しかし一方で少子高齢化が進んでいます。高齢者に大型量販店はなじみません。なにか商店街が元気になる方策はありますか?
 
 そうですね。商店主の努力も必要です。プロを養成しまして、ビジュアル・マーチャンダイジングも必要です。まだまだ学ぶ必要があります。
 消費者の観点からも使い分けが大事です。地域を安全にするためには地元の商店街で買い物することも大事です。地元ではこれを買う。食品スーパーではこれを買う、大型量販店ではこれを買う。と言う具合に使い分けをします。
 障害者や高齢者に配慮したまちづくりはどうあるべきであると考えますか?建築家としてどう関わりを持たれますか?
 建築家が集まって考えるだけでなく、障害者や高齢者と交流して、意見交換するようなコミュニティを形成するべきでしょう。個々の障害に応じた対応を考えたらいいのです。
構想の段階が一番大切な過程です。それから具体的なプランに熟成させます。

 それが「まちづくりワークショップ」なのですね。建築士の方もコミュニティの中へ入られて。まちづくりや建築をするのですね。
はりまや橋サロンには「サムシング」があります。いろいろな立場の人達が集まってきます。ここには街づくりの基本があるからです。

 そのとうりです。
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