都市交通問題の解決方法は?
 
 今週は高知県都市計画課計画班の高橋大助さんにゲストで来ていただいています。今日のテーマは「都市交通問題の解決方法は?」です。通勤・通学時間帯ともなりますと、高知市郊外方面や周辺市町村から自動車やバイクなどが多数中心街へ押し寄せています。
交通渋滞の根本的な解決策はありますか?
高知市葛島付近。朝夕は通勤の自動車で渋滞しています。
 むつかしい質問ですね。あると言えばあるし、無いと言えばない。いや、私たちみんなの知恵で、改善に向けて取り組んでいきたいと思います。
 例えば、平成12年度から高知市高須地区など5箇所で実施しているパークアンドランド事業も概ね増加するなど公共交通機関へ乗り継ぎが進んでおり今後もこの取り組みを進めていきたいです。
パークアンドライドのモデル地区である高知市高須。現在85台の駐車が可能。将来は拡大する方向で検討している。
 また、警察等関係機関との連携により、バス専用レーンにおける公共交通のスピードアップや定時制確保などの取り組みも行っています。諸外国では市街地への流入にナンバー規制や市街地に入る車に課金を行うなどの施策をしているところもあります。
 よく「パーソントリップ調査」をされています。何年も前から調査はされています。その調査結果で何か対策はされましたか?具体例はありますか?
 平成9年度に人の動きをアンケート形式で調査したパーソントリップ調査を行いました。範囲は東は夜須町から西は佐川町までのいわゆる1時間圏内の区域です。平成10年度に交通量分析・予測、平成11年度に総合交通計画の提案を行っています。
  前回は昭和55年に調査を行っており、当時は道路などの都市施設の絶対量が不足していましたので、道路などの施設整備を重点的に整備する内容でしたが、20年後の今回は道路などの都市施設の整備もある程度進み、なおかつ渋滞が解消されないことから、今ある施設・・・特に公共交通機関・・・の有効活用を推進しながら、円滑な都市交通の確保を図るものとしています。
  このために、高知駅への路面電車の乗り入れや、パーク・アンド・ライドなどの施策を実施してきました。
「パーク・アンド・ライド」政策は、高須地区と伊野町伊野で実施されています。この政策を拡大する計画はありますか?実際の効果はどうなのでしょうか?
 「パーク・アンド・ライド」は現在高須地区、伊野地区の他にも一宮地区、後免地区桟橋地区の5箇所で実施しております。利用者は特に高須の美術館通り(85台)と一宮の五台山道路の高架下(30台)の利用が多くなっています。
ただし、これだけでは交通に与える影響も少ないと考えられますので、今後は例えば郊外のスーパーとの連携や、交通結節点で行政で大型駐車場を設置するとかの新たな対策が必要ではないかとおもいます。当然、災害時での避難場所としても兼ねることができるのではないかと思います。
 よさこいぐるりんバス、1コインバスは活用方法はあると思いますが?
 よさこいぐるりんバス現在2系統運行しています。今は停留所での乗降ですが、先日の新聞に試験運行が出ていましたように随時の場所で乗り降りできれば更に利便性が良くなると思います。
 また、ルートも旅館を回るコースも設定できれば、観光客に喜ばれるのではないかと思います。
 新たな公共交通のしくみとして「カーシェアリング」が最近注目されています。1台の車を何人かが共同利用するしくみです。土地が有効に活用される可能性があると思いますが?
 いわゆる普通乗用車の乗り合いですが、通勤で私用するのには日本ではまだまだ時間がかかるのではないかと思います。しかしながら、市内の営業活動では、車両基地を地区ごとに設置し、そこから徒歩や自転車、2輪で得意先を回るようにすれば地球にやさしい交通システムになると思います。
自転車の有効活用はどうなのでしょうか?健康にもいいようなものですが
 自転車は、今言われている「健康」や「スローライフ」にぴったりの移動手段です。
実際、高知市はパーソントリップ調査でも自転車の利用は多いですし、西村さんもお考えのように、自転車の活用は今後益々必要になってくるでしょうし、例えば、30分移動県内は自転車を使用するとか、私共行政も自転車駐車場の整備とかを真剣に取り組んでいかなければなりません。
 また、公共交通との連携のうえでも、駅や電停、バス停には駐輪場の整備がかくことができません。高須の文殊通りの電停には駐輪場があり、学生さんを中心に多くの利用者が電車に乗り換えています。
 交通バリアフリー法により、低床式のバスや路面電車が導入されています。
 今は数は1台前後でしょうが、拡大するためには県の支援も必要だと思いますが。
 今後は少子高齢化社会となりますので、特に高齢者の方、身体障害者の方が気軽にまちに買い物や遊びに行ける必要があります。このためには低床電車や低床バスの導入が必要不可欠です。この費用をどうするかということですが、外国の都市では市民の合意のうえで交通税を導入し、低料金で利用できる公共交通の整備を計っているところもあります。今後も皆さんに大いに公共交通を利用して頂きまして、台数を増やしていくようにしたいものです。
 私個人としましては、特に路面電車は都市のステータスと思っておりまして、いつまでもこのまちにありつづけてほしいと願っています。
 
 路面電車の延長、ループ上に繋ぐことにより、採算面の向上になると思いますが。薊野方面、一宮、高須から五台山、三里、長浜、桟橋とつなぎ山手線のようにすれば良いと思いますが。
 路面電車は地球環境にもやさしく、おっしゃる通りと思っています。ただ、建設費に多額の費用が必要となりますので、現在の経営環境の中で企業が建設することは困難ではないかと思います。公設民営或いはPFI事業ではできないかなど検討していく必要もありますし、そのためには県民の合意を得ながら、交通税などの財源確保も必要ではないかと思います。