まちの未来は子供たちに
 
 今週は高知県都市計画課計画班の高橋大助さんにゲストで来ていただいています。今日のテーマは「まちの未来は子供たちに」です。高知広域マスタープランの予測では、平成32年の高知県人口は74万人、高知広域都市人口は45万人です。現在から17年後の想定です。私などは高齢者になります。現在の小中学高校生が社会の中堅になります。未来を託すのには子供たちです。子供たちへはPRされていますか?
 現在、小学校や中学校にはPRしていません。実際ご指摘のとおり20年後には社会やまちづくりの主体となるわけですので、意見を聞くのは大切と思っています。このためマスタープランの文章自体も、中学生で理解できるようなわかりやすい文章にしたつもりですし、パンフレットの街頭配布では、中・高校生にもお配りしました。
 学校教育現場での取り組みは必要でしょう。「総合学習」の時間がありますから、取り組みはできます。講師に県や市町村の担当者が行き、子供たちに広域マスタープランを説明すべきでしょう。国の担当が来ても良いと思います。
 学校でまちづくりの勉強を行うには、例えば環境学習の一環で、まちづくりに取り組んでいけるようになれば良いと思います。このようななかで、我々も参加して、都市交通の問題などを話させていただきましたら、「パーク・アンド・ライド」もきっと根付くことと思います。
 そのためには模型(4回目提案)や、副読本の制作が必要があると思います。
作文や絵画の募集もすべきであろうと思います。利害や利権にとらわれない子供たちの発想を取りいれるべきです。
 おっしゃるとおり、模型を作れば誰でもが将来のまちの姿を見ることができます。小学校ではよく図画の時間に、「こんなまちに住んでみたい」というテーマで子供たちが理想のまちの絵を描きますよね。まさしくこれが将来の都市像なわけで、マスタープランに反映できれば理想的です。
      今後の都市計画やまちづくりでも、小学生が参加できるようなシステムを考えていくことは、人材育成やまちづくりのしくみを理解していくうえで大切なことと思います。
 高知市の市民憲章推進委員会では、市内の小中学生に「僕らの夢」のような課題で図画や作文のコンクールもかつてしていました。描かれた未来都市は市内の中心に森があり虫取りをし、清流が流れ魚採りをしている絵が多数ありました。自然共存型のまちづくりが主体ですね。
 小・中学生に限らず、マスタープラン検討委員会の意見も「自然環境を保全し良好な住環境を創っていく」ことが大切だという意見が多くありました。昔のような自然環境をいかにして取り戻していくかということも、私たち都市計画に課された課題だと思っています。
 NPOや町内会組織、青年会議所などまちづくり運動の担い手との交流などはどうですか?
 今までは県の都市計画課としては、残念ながらほとんどありませんでした。今後は都市計画の情報を提供しながら、支援していくことが「みんなでつくるまちづくり」を実現していくうえでも大切であると考えています。
ただ、まちづくりの人材育成は重要と考えています。私共の事業になりますが、「まちづくり女性リーダー育成事業」というのを平成14年度より実施しております。これは、まちづくりに多くの方に参加していただき、それぞれの地域でまちづくりに参加していけるようなきっかけづくりを目的としています。この育成事業も本年度より学校が休みであります土曜日に実施したいと思っていますので、学生や先生方にも参加していただきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
 説明パンフはやや難解すぎるかなと思いました。中学生にも理解できるように、説明文も加え、用語の解説も加えるべきだと思いました。
 中学生でもわかるように作ったつもりですが・・・。原稿が出来た段階で、実際中学生に見てもらってもよかったかなと反省しています。
 高知広域マスタープランに関する意見の募集をされています。意見は集まっていますか?おかまいなければお披露目できる意見などをご紹介ください。子供たちからの意見もありましたか?
 子供達からはきてはいませんが、現在、約50通届いています。例えば、
      土地利用では、
     ・乱開発は規制すべき
     ・土地利用制限をすべきであるが、区域によってはある程度の緩和もおこなうべき
     交通問題では、
・パークアンドライドは重要で、県民が真剣に考えるときにきている
     ・市街地への、マイカーの乗り入れを規制する
     まちづくりに参加するためには、
     ・県民がまちづくりに参加するためのテレビ討論会や広報活動が更に必要である
     ・住民参加の機会を小地域で開催してはどうか
 県外からの意見も収集すべきであると思います。
 確かに、県外にいても「ああいうまちに住みたい」と思えることは大切ですが、まだその域に達していません。先ずは、自分たちのまちをどうするか、どうしたいかという観点からはじめましたので、今回は県外には直接には聞いていません。
 ただ、情報化の時代ですので、インターネットやパンフを見て、県外からも意見をいただくこともあろうかと思います。