福祉施策のことについて
 今週のゲストは、高知市障害者福祉センターでソシャールワーカーをされています竹村利道さんです。今日のテーマは「福祉施策のことについて」です。
 福祉施策については、身近な問題ですが、意外に知られていません。具体的にはどのようになっているのでしょうか?また健常者にとっては、福祉施策に関心がない人が多いのではないでしょうか?
 障害者ですが、高知市に何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか?またその年齢構成は どうなっていますか?
約23000人いらっしゃいます。うち65%は65歳以上の高齢者です。18歳以下の若い人は500人です。ここでも高齢化が問題になっています。
障害者の種類についてです。身体障害者、視覚障害者。聴覚障害者、知的障害者、精神障害者などに別けられるのでしょうか?
身体に障害を持たれている人は15200人くらいです。そのなかで肢体障害者、視覚障害者、聴覚障害者の人がいます。知的障害者は3000人位、精神障害者は5000人くらいいます。あわせますと約23000人位ですね。高知市の人口が32万人ですから、15人に1人は障害者ということです。

高知市の福祉施策はどうなっているのでしょうか?他県と比較して特色のある施策はありますか?市役所は元気生きがい課が担当しているのでしょうか?

(高知市役所庁舎)

担当は元気生きがい課です。全国的に行われている施策は高知市でも行われています。特に特色ある施策はありませんが、全国水準であるといえます。生まれながらに障害をもたれている方は養護学校へ行かれます。卒業するまでは文部科学省の教育と言う形で、「比較的手厚い」教育を受けています。多くの方が困られるのは卒業後です。厚生労働省の管轄になりますね。教育から福祉の現場になること、社会活動の場が制限されることが問題になっています。いろんな方が卒業後の居場所づくりに様々な動きがみられてきています。
その場合どのようなところが問題になるのでしょうか?
学校は長期の夏休みを除いて、週5日は学校という居場所があります。福祉になりますとせいぜいで週2日くらい、デーサービスへ行くくらいです。残りの3日、土日も含めますと5日をどうするか。養護学校時代と比べまして、活動の時間帯が大幅に少なくなってしまうのが大きな問題です。
ちなみに障害の程度にもよりますでしょうが、就労率はどのようになっているのでしょうか?障害者が未成年の場合は養護学校へ通学できます。卒業後の進路はどうなるのでしょうか?
先日も養護学校の子供たちに会ってきました。一般のレベルで働けるという人は、5%くらいです。20人に1人です。養護学校では、介護を24時間にちかい形でケアが受けられているかたもたくさんいます。その方々にとっても仕事ではない、成人、社会人としての居場所が求められると思います。

竹村さんが勤務されている高知市障害者福祉センターはどのような役割を担っているのでしょうか?

竹村さんはソーシャルワーカーという資格を持たれています。具体的にはどのような仕事をされるのでしょうか?

高知市障害者福祉センター
 
1人1人の相談を受けまして、その方に適した福祉サービスであるとか、支援をしていくことが仕事です。ソーシャル(社会)という名前がついていますのは、1人1人の生活の背景にある社会の問題点とか、ひずみまで治療を施していく職種です。例えて言いますと1本の木をとうして、1本の木の背景にある森を見て健康的な森にしていく。そういう活動が僕らの仕事です。
国の「3位一体改革」のなかで、福祉施策は転換しているのでしょうか?また民営化などの動きはあるのでしょうか?
国からの税源の委譲などで、地域ならではの、特色に応じた施策の展開などができるのではないかという点で期待しています。ですから全国の施策のメニューばかりでなく、高知市独自の「ここに力を入れましょう」という、本当に必要なところに手が届く新しい展開が生まれてくいるのではないでしょうか。その意味でも福祉の分野でも規制が緩和され、民間が参入しやすくなりました。今までは異業種でしたが、新たに福祉サービスに参入してくることもあるでしょう。あたらしい風がはいることに期待しています。
 
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