映画鑑賞のポイントについて
 今週のゲストは四国文映社の田辺高英さんです。映画についていろんな角度からお聞きしようと思います。今日のテーマは「映画鑑賞のポイントについて」でお話を伺います。
 当然田辺さんは仕事の関係で映画にも関わっておられますし、趣味のひとつも映画鑑賞であると伺いました。
映画を見る位置とかあるのでしょうか?スピーカーの位置などから映画鑑賞に適している席はどのあたりと考えればよいのでしょうか?
 最近の映画館の上映会は音がいいですので、それを一番堪能できるのは真ん中かなと思っていますが、それもむちゃくちゃ広い会場でないのであまり変わりなく、個人個人の好き好きですので、自分が好きなところで鑑賞されたらいいと思います。
 シネマサークルの上映会(グリーンホールなど)を、映写技師で上映していますが、いつも鑑賞に来られる方は大体座る席が決まっていて、前のほうにいつも座る人もいれば、後ろのほうに座る人もいる、ほんと好き好きです。
目的の映画を鑑賞する場合、事前に調べる必要はありますか?また上映の際販売されている映画のパンフは購入したほうが良いのでしょうか?
 会社での田辺高英さん。流石に映画会社。映画のポスターが壁一面に貼られています。
 事前には私は調べたりはしません。知りすぎると面白みもありませんし。
 パンフレットは、ほんとはぜひ買ったほうがいいんでしょうが、お金のかかることですし…。
作品によります。
パンフレットには、その映画の解説、製作日誌から、監督、スタッフ、出演者の過去の作品などの履歴、また、関連情報などが載ってますから、気に入った作品なら買って、監督や、出演者の別の映画をDVDで観たりします。
 また、チャン・ツイィのように好きな俳優さんのパンフは買ったりしますね。
 最近の韓流映画の場合は、見る用・保存用と2冊買う方もいるようですし、とにかく、数年後、数十年後映画を観たときの自分を、その映画の映像とともに思い出したりして・・・。
 
 映画評論について。チェックしておいたほうが良いのでしょうか?評価の基準などもわかりませんし。
 評論のようなものは、その映画の製作会社・配給会社の意向にそったものもあるでしょうし、あまり気にしていません。ネット上の純粋な感想が書かれているものとか、お勧めなどは少し見ます。
 最近の映画でヒットした映画は何でしょうか?興業的に成功した映画はどんな映画なのでしょうか?
  交渉人真下正義 電車男、エピソード3、宇宙戦争、ロボッツなど、テレビドラマと一緒に展開してる作品や、ハリウッド人気シリーズ、メジャー系の作品は宣伝力も強いですからお客さんも入りますし、興行的にも成功していますね。

 韓国映画も、強いです。(でも、ラブ・ストーリーでないといまいちです。)大手の宣伝のきいた作品が強いです。テレビで話題になってるとおり。


  四国文映社の作品で言えば、昨年のおやこ映画会の「キリクと魔女」。これはフランスのアニメーションで好評でした。


  今年5月の 「スーパーサイズ・ミー」も上映しました。これは、話題性もありましたが、いろんな団体がもりあげてくれました。

良い映画、悪い映画選別について。田辺さんはどのように定義されていますか?なにか評価基準はあるのでしょうか?
 

 収録の様子です。田辺高英さんは、豊富な映画の知識を話していただきました。映画鑑賞のポイントだけでなく、映写技師としての苦労などもお話しいただきました。

 また日本の映画界の現状にも強い危機感を持っていることがよく理解できました。

 映画には、いろいろな形態があり、それぞれ何かしらの意図を持って製作されているので、良い、悪いの定義はないですが、その映画がどのような場で上映されるかなどで、映画を考えることはあります。
 一般興行やイベントと、学校総見では、やはり紹介する映画や違ってきます。   
 また、映画に限りませんが、キャラクター商品などの販売につなげたり、それに添ってないとまるで流行に遅れているような、それをもってないとだめなんじゃないかと思わせるようものがありますが、そのようなものは四国文映社ではとりあげていません。
    
    「いつまでも心に残る作品」がいい映画かなと思っています。

 以前番組に出演されました外京ゆりさんが、実行委員長をされました「東京原発」という映画県民文化ホールで見ました。とても面白い映画でした。

 しかしシネコンなどで上映されないようです。その理由はそういうところにあるのでしょうか?

東京原発の映画会風景。講演会の様子です。
 企業ですので、いろんなスポンサーとのつながりは密接ですし、いろんなしがらみが
あります。四国文映社で5月に上映しました「スーパーサイズ・ミー」もファーストフードの問題点を指摘したドキュメンタリー映画です。これも全国的には映画館で上映されませんでした。
 テレビと異なりまして、映画といいますのは、作品に対する資金さえ集めることが出来ましたら、いろんな形の作品がつくれます。ですのでテレビでは取り上げられないドキュメンタリーが、映画でいろんなものが制作できると思います
。例えばイラク戦争のドキュメンタリー作品などもたくさん日本に入って来ています。
 そういった作品は映画館などでは上映していません。ですので外京さんのようにグループで実行委員会をこしらえて上映運動をされたりとか、高知県は盛んにされています。そういう上映会に、移動映画会、映写技師という形で、四国文映社は小さい会社ですが、小さいなり支えていけたらなと思います。
 小さな会社ですから、小さいからできることも多いです。
映画の会場はどこもとてつもなく広くないので、自分の見たい位置で自由に鑑賞すれば良いとのことでした。
*映画会の写真は田辺高英さんに提供いただきました。