ドイツと高知の環境対策の違いとは?
 
今週のゲストは内田洋子さんです。今日のテーマは「ドイツと日本の環境対策の違いとは?」です。内田さんは「くらしをみつめる会」会長でもあり、長年量販店のプラスチック包装資材の削減運動に取り組まれて来ました。
 また環境対策先進国でもあるドイツを訪問されたこともあります。高知市も町内会単位での不燃物処理ステーションなど先進的な面もあります。ドイツと比較してどうなのでしょうか?
特に不燃物ステーションへ瓶などを持参するときに感じることがあります。ソースやポン酢などのプラスチック製の内蓋が取れにくいですね。規格が全然統一されていません。
ドイツなどは統一されていますか?
詳しい数字は忘れましたが、ドイツは確か2〜3種類の規格に統一されています。そのほか瓶などはかなり高い負担金をメーカーは支払わなければなりません。ようするにリユースしやすいように瓶に規格化する必要があります。
冗談で言われていますが、日本人は字が読める国民なのだろうかと思うときがあります。ドイツでは瓶の形が同じでもラベルで区別できている。日本は形を変えないと何が入っているのかわからないのだろう。瓶で個性を出して売らなければならないのかという疑問がありますね。
メーカーの規格統一やリユース、リサイクルなど再利用を前提とた社会に日本の場合はなってはいなかったということなのでしょうか?
そういう仕組みが崩れていますね。ビール瓶などよりも、缶になってきていますね。
香川県は、知事が中心に容器の「デポジット制」を導入しようとしています。しかし産業界などの反応は不況もあり、冷ややかなようです。ドイツも日本同様不況だと思いますが。可能性はあるのでしょうか?
八丈島のように孤立して入ってくる経路が限られている地域ならデボジットは可能ですね。
いろんなところで購入できる地域では、デボジットをしても「損する」形にになり、徹底は難しいでしょう。
東京都杉並区のスーパーバック税がどうなったか知りませんが、別に杉並で買わなくても、隣町で買って持ち込んだら言い訳ですからね。1自治体単独では難しいですね。四国全体でやるとかでは無理ですね。
日本全体でやらないと駄目ですね。製造するのは本州で持ち込んできます。北海道の人とも話していますが、ごみも本州で処理してもらいたいと言うことですね。ドイツはペットボトルもリユースしています。
ドイツ人が環境対策に予想以上に熱心なのは、ナチスの台頭に対する反省からだということを言われる人もいました。そうした面は感じられましたか?現在政権政党である社会民主党と環境政党である「緑の党」は連立しているようですし。
レジ袋を削減して植樹
レジ袋を削減しての植樹作業の様子
同じく植樹作業の様子です。
それはあまり感じられませんでした。公害対策があったからですね。ルール地方の経済発展が敗戦後ありました。経済は発展しましたが、公害もひどかった。「ルールに青空を」という環境問題をスローガンを掲げた候補者が首相に当選して、対策をしたことが発端になったんだと聞いています。そのときに参考にしたのが、日本の参考にしたのが日本の公害対策だと言われています。
 その後のドイツと日本の環境対策の差についてはどう思われますか?
それはドイツ人と日本人のキャラクターの差ではないでしょうか。なにごとにも徹底するドイツ人だからでしょう。理論で追い詰めていく民族性なのでしょうか?
レジ袋削減運動への高知県下の量販店
レジ袋削減運動への高知県内の参加量販店の取り組み
誰が原因で公害が発生したのか。誰が加害者なのかをつきつめていくことですね。
容器のリサイクルはデンマークが先行していました。EUのなかで、輸出入の関係がありますね。デンマーク国内で使い捨ての容器は販売してもいけないし、使用してもいけないという法律がありました。
ミルクなどをドイツは使い捨て容器で販売していました。デンマークの法律が貿易障害になるからとドイツはEUの裁判所に訴えました。ところが、環境政策は貿易障害より勝るという判決を下しました。それからドイツの環境政策が始まったと言われています。まずは経済からということですね。
経済的の利用も含めてドイツは先進事例になった理由は理解できました。日本の場合はどちらかと言うと使い捨て万能な「アメリカ型社会」のようです。改善される見込みはありますか?
わたしたちの目指す目標が何なのかを明確にしなければなりません。私たちは「持続可能な地域」を目指します。持続可能な地域にするためには何をしなければならないかを問われますね。個人の生活もまた「持続可能な生活」にしなければなりません。
個人の思いを積み上げている仕組みづくりが必要だと思います。