平和の風を巻き起こそう
 
 今週のゲストは高知での平和ネットワークづくりに参加されている平和資料館草の家事務局長の金英丸(キム・ヨンファン)さんと、Wind of peaceとsaladのメンバーである渡辺鈴予さん、植田二朗さん、安部文章さん、内村瞳さんです。
 今日のテーマは平和の活動を巻き起こそう」でお話しをお聞きします。
東アジア共同ワークショップ」などにも参加され、多彩な活動をされているようにお聞きしています。どのような活動をされているのでしょうか?
金英丸さんのサポートもあり韓国へも行かれているようですが、現地での交流はいかがであったのでしょうか?感想文では「歴史観が変わったように」とも書かれているようですが・・。
渡邉  日本人、韓国人、在日コリアの人で、一緒になって東アジアの歴史を学ぶことが出来ました。個個が持つ歴史観を知りえたことは貴重な体験であったと思います。そして日本側からの歴史の見方だけでなく、韓国からの見方、在日の方からの見方も出来るようになってと思います。
日本では歴史教育は主要な科目ではなく、選択科目です。それも現代史は3学期に教えられ、入試にあまり出題されません。「暗記科目」という印象があり、歴史が嫌いな若い人も少なくありません。そのあたりの意識は韓国の人たちとは大きく異なることではないでしょうか?
渡邉   

はい。異なっていると思います。現に韓国での「近現代史」の授業のテキストは1冊の本にまとまっています。学びがいがあるのに対して、日本はそうではないという現状があります。


 それは意識が持てない現状であり、それは韓国のワークショップへ行ったときに在日の方や韓国の学生と話したときにすごく自分に知識がないなと感じました。

みなさんは、韓国での研修旅行をされたわけですが、行かれる前と帰国後ではご自身の意識の中で変化はありますか?またそのなかで今後自分は何をしようと思われていますか?
植田  

そうですね。韓国に行きまして在日の人や韓国の人に会いました。韓国側の歴史的な認識と、自分達が学んできた日本の歴史。そういうもののギャップを感じました。


 やはり同じ年齢の若者同士で、交流をしあって歴史をもう一度見直そうではないかと凄く感じました。韓国でも友人もできましたので、今後交流を続けて行きたいと思います。

 最近では平和の意味が、戦争と戦争との合間の「休戦」状態のように思えるようにもなりました。日本国憲法改正の動きも総選挙の結果加速するのではと予想されます。そのあたりはどのように思われますか?
高知市帯屋町パラソル付近での平和行動の様子です。

 日本国憲法がどうしてつくられたか。日本がそうして平和憲法を持つようになったのか。それを考えるべきだと思います。それは第二次世界大戦の反省、それと加害者、被害者のたくさんの命が、日本の軍人、アジアの人々も、原爆や空襲の被害を受けた人々の命が入っていると思います。


 それを60年経って、実際にイラクで戦争が行われている地域に日本の自衛隊が行っています。そういうことを今考えて、日本国憲法がどうしてつくられたのか。原点に戻って1人1人が平和の意味を考えるべきであると思います。

イラクの子ども達を支援されている高遠菜穂子さんの活動は日本国内で広がりが出てきているのでしょうか?一時期ほどメディアでは報道されてはいませんが・・。また「心無い」誹謗中傷をした連中についてはどのように思われますか?
植田

 高遠さんは日本各地で講演などをされています。イラクの現状をメディアなどを通じてなかなか伝わって来ません。そういう高遠さんのことを知りたいと言う人が多くいると思います。


 高遠さんたちが解放され、帰国した時、一部のメデイァ、政府の対応は本当に酷いものでした。僕も覚えていますが、「自己責任」と言う言葉が、テレビや新聞などでも連日流れていました。
 でもその「自己責任」という言葉が、イラクでの支援活動をされていた高遠さんたちにあてはまることなのだろうか。すごく疑問に思われました。

 イラクの人は前から日本人を嫌っていたわけではありません。どちらかと言えば、高遠さんやNGOの人達が支援活動をしている方たちを歓迎していました。
 しかしイラク戦争が始まり、日本はアメリカを支持し、「人道支援」だということで自衛隊をイラクに派兵しました。それがイラク人にどう写っているか。
 そして高遠さんはイラクで支援活動をしていたから拘束されたわけではありません。日本人だから人質にされたと思います。その意味を僕たちは考えていかないと駄目だと思います。
平和のネットワークづくりについて伺います。立場の違いはあれども日本国民は平和を願っていると思います、なかなか手を携えれない原因はどのようなところにあると思われますか?
 私も韓国から高知へ来まして平和活動で3年目です。いろん人たちに出会いました。みんな「戦争より平和が大事だ」と皆言っています。
 イラクのことであっても、「どこに行けば自分が参加できるのか。どこで活動が出来るのか?」。やはり組織されていない個人個人が生きる場所をつくることです。
 例えば「私は戦争に反対する。平和憲法を守ることが大事だ。」と思われましたら、自分が持っている組織や立場を超えて、目標に対して一緒に活動することです。なにより分散されている人々が集う機会をこしらえることが大事であちゃんを招いた集会(10月26日)、イラク戦争のドキュメンタリー映画「リトル・バーズ」(11月17日)や、フリージャーナリスト安田純平さん講演会(11月26日)
を開催します。
 それに対して、歴史に対して心を持っている市民の皆さん、若者と連帯して高知でこうした平和の為の試みをやってみたいと思います。ぜひたくさんの皆さんのご参加をお願いします。
10月22日(土曜) 
「消せない記憶」旧日本軍「慰安婦」被害女性
朴玉仙(パク・オクセン)さんも証言集会

高知県民文化ホール 午後2時半 入場料1000円

11月10日(木曜) 

「命に国境はない」高遠菜穂子さん講演会

高知県民文化ホール 午後7時 入場料 500円

11月17日(木曜)

映画「リトル・バーズ」(綿井健陽監督作品)

          高知県立美術館ホール 入場料1500円
          午後2時、4時 7時 上映。

11月26日(土曜)

 「JUNPEIが語るイラクは今」
  
フリージャーナリスト安田純平さん講演会

高知新聞文化ホール 午後2時 参加費1000円

 収録後の記念撮影です。約2時間半の奮闘でした。途中構成を変えたり,何回も取り直ししました。

でも「ばらける」こともなく、最後まで緊張して収録しました。若いパワーが炸裂しましたので。

(高知シティFM Aスタジオです)