地震や災害に強い住宅とは?
 今週のゲストは積水ハウス高知営業所所長の山野友彦さんです。今日のテーマは「地震や災害に強い住宅とは?」でお話を伺います。
 昨年は新潟中越地震がありましたし、阪神・淡路大震災から今年は10年経過しています。スマトラ沖地震による津波の災害も大変なものでした。
まず伺いますが、地震に強い住宅とはどのような住宅なのでしょうか?基礎なのでしょうか?構造体が強いのでしょうか?
地震に対する関心が高知ではひじょうに高いです。家を建てられる人の関心の第1位になっています。
 当社でも昨年高知工科大学の先生を講師にお招きしまして、セミナーを開催しましたが、200組を上回る人達が参加いただきました。
 現在は地震につきましては、住宅性能表示の中で、「耐震等級」というのを表示するようになっています。これは等級1から3まであります。
山野友彦さん
 等級1は数百年に一度の震度6から7の地震の力に対して、崩壊しない程度をいいます。等級2は等級1に対して、1・25倍の力に耐えるようにしています。
 等級3は等級1の1・5倍の力に耐えられるような基準です。クリアーしていれば大丈夫です。規格が出来ましたのが2001年です。今は等級が出来たおかげで皆さん安心いただけるようになりました。
 各メーカーは必ず出しますので。それのない時代ですが1995年の阪神・淡路大震災ですが当社は関西で地震を体験しましたが、1件も全壊や半壊の住宅はありませんでした。ひじょうに自信を持って、お客様に住宅を提供しています。
 基礎か構造体とかいう質問ですが、これは「一体」のものです。当社では独自のシステム工法で、基礎や外壁の取り付け工法も地震に強い工法になっています。標準で一番高い等級を採用しています。
耐震住宅とか、免震住宅とか言われています。違いがわかりませんが、どのようなところにあるのでしょうか?工法に違いがあるのでしょうか?
 1995年の阪神・淡路大震災。積水ハウスの物件は全壊、半壊住宅は皆無でありました。
 
 住宅にはその観点からいきますと3つあります。一つは「非耐震」です。2番目が「耐震住宅」。3番目が「免震住宅」です。
 非耐震住宅と言いますのは、筋交いとかの補強がない住宅です。昔の住宅は多いですね。
 最近の住宅は耐震住宅ということで、工業化住宅はすべてそうなっています。震度7程度では倒壊しません。各社ともそういう住宅をこしらえています。
 それから免震住宅に当社は力を入れています。特殊な装置と構造によって地震の力が建物に伝わらないようにしています。ですから、揺れが大きいのが低減されますし、気持ちの上でも安心できます。
 私も山口工場に実験できるところがありますので、体験しました。安心できるなと思いました。
 よく起震車などでコップなどを置いて「震度6」とかやっていますね。揺れが少ないのでしょうか?
 そうですね。水槽などをおきまして装置の中にありましても。全く違います。
 建物のなかの人間も安心だということですね。家は崩壊しなかったが家具の下敷きになると言う事例もありましたし。免震住宅はそういうことがないのですね。
 震度7が、震度3ぐらいになるのですね。揺れているのはわかりますが、びっくりするように揺れではないですね。
非免震住宅の様子。家具などが散乱しています。
免震住宅。家具や調度品も安定しています。
 
高知は台風災害があり、地震も来るのではないかと言われています 。お奨めする住宅の特色を今一度説明をお願いします。
  当社では「住宅防災宣言」を社長がいたしました。これからの住宅は「シェルター」であるという発想の元に様々な提案をさせていただいています。
 防災自立仕様というものがあります。一つは、生活空間の確保です。倒れない壊れないことですね。
 2番目が水や食料の確保ですね。ライフラインが全滅しますので、数日分は確保する必要があります。雨水タンクや浴室の排水利用システムもこしらえています。食料品を貯蔵するシェルターもこしらえています。

 それからエネルギーの確保の観点から太陽光発電と蓄電システムです。こういう3つの観点から「防災自立仕様」を提唱しています。

 一般の住宅で救助が来るまでの間、生活が出来るような仕組みを開発されているということですね。
 実際に罹災された人から伺いますと、トイレの浄化槽の水を流すのも大変であったということです。僅か200リットルの雨水タンクでもひじょうに重宝になるのではないでしょうか。
 数百年の1度の災害に備えた住宅ですね。住宅を販売する立場にすればなかなかそれがどんどん出るものではないですね。

 そうですね。凄い関心のある方は免震住宅まで検討されますね。関心のない方は、「その時はなんとかなる」と考えられていますし。わりと関心が少ないところではないですね。
 地震には関心がありますが、雨水タンクなどにはあまり関心がありません。
 災害地には水道や電気の復旧が大変であるといわれています。
ホテルや病院などでは自家発電装置というのは聞きます。個人住宅 では、どのようなことが考えられるのでしょうか?
 太陽光発電には皆さん関心があります。高知は日照時間が長いので太陽光発電と蓄電システムが有効に利用されるのではないかと思われます。
  *写真は積水ハウスパンフレットより転載しています。