労働組合と社会性について
 
今週のゲストは自治労高知県職員労働組合中央執行委員長の山崎秀一さんです。今日のテーマは「労働組合と社会性について」です。
 古くはメーデーに始まり、労働時間や休暇制度、男女同一賃金などは、世界各国の労働組合が勝ち取ったものです。生活協同組合(生協)の原点も英国の労働組合活動から発生しています。今日はどのような社会性を獲得する運動をされているのでしょうか?
浅薄な見解かもしれませんが、私から見ますと県庁職員は、完全週休2日制度が確立され、賃金制度も退職金制度も高知の民間企業より充実しています。これ以上の待遇改善要求は必要なないようなのですが。
確かに現状では賃金・退職金などを含めて県職員は一定の水準にあると思います。しかし安心できる水準でもないと思います。一方で県庁本庁などを見ていただくとおわかりでしょうが、夜の12時を過ぎても電気がついていて仕事をしているのが常態化しています。その場合の残業手当は不払いが、常識的になっています。県立病院などでは人手不足が常態化していまして、勤務が過酷で若くして退職されている人もいます。患者処遇にも影響が出てきています。
民間の場合でしょうか?労働組合は会社法人同様に就労対策が認められています。労働組合が失業対策や、就労対策を実施していますが
就労条件悪化反対の運動とともに、就労支援活動は必要とは思いますが?
訪問者が絶えないハローワーク 就労支援活動労組も必要
 
公務員組合は就労斡旋事業は認められていません。私の理解の範囲ですが、労働組合の組合員が失業した際に給与のピンハネや強制労働を防ぐためにつくられた制度です。雇用対策は労働組合として重用な課題です。1労組が取り組むというよりは、ナショナルセンターと言われている連合などが取り組むべき課題だと思います。高知の連合なども取り組んでいます。
ワークシェアリングについての取り組みはどうなのでしょうか?
県庁などでも、予算編成時期ともなりますと担当部局の職員は遅くまで残業しています。残業をせず就労出来ない若者達に仕事をさせるとか、労働組合として取り組みされたらどうなのでしょうか?
ワークシェアリングは私は大賛成です。連合も提起しています。ただヨーロッパのワークシェアリングと日本のワークシェアリングは全然違いますね。ヨーロッパの場合は、賃下げをしないで、労働時間を減らして、人を増やします。日本の場合は、必ず雇用条件を悪化させる行為を伴います。あわせて雇用条件の改善をすすめるべきだと思います。とくにパートタイマーとか派遣社員、契約社員の労働条件は酷すぎます。高知県庁でも新卒の未就職者を臨時職員として雇用しています。これも雇用対策としていかがなものかと思っています。やらないよりはましと言う程度でしょう。ワークシェアリングというのなら、安定的に働ける条件が必要だと思います。
日経連の調査ですが、残業をなくすだけで10万人の雇用が創出できるそうです。経営者団体ですら言っているのですから。
現在県職労として取り組まれている社会的課題は何ですか?
DVやパワーハラスメントの問題への取り組みはどうなのでしょうか?
職場おけるパワーハラスメントの事例は増えていまして、私たちの耳にも入って来ます。
当局に対して改善の申し入れもしています。近年精神的な病、メンタルヘルスものすが増加しています。組合員相談窓口をこしらえました。自分のこと、職場のことを相談できるよろず相談所のようなものですね。
社会的な活動もされているのでしょうか?
労働組合が、第3世界の産物の販売などはされていますか?販売活動により第3世界に雇用を生み出し、結果として平和貢献活動になるような事例も聞いています。県職労として取り組まれている社会活動について、ご紹介下さい。
自治労として国際協力基金として組合カンパ活動などをしまして、アジア女性の家などにカンパなどをしています。社会的課題としましては春闘の要求しまして、地域雇用の改善、県民福祉の向上などを県当局に求めています。
県職労としては結成50周年を記念しまして、「ふれあい基金」を創設しました。社会貢献活動している団体に助成活動をしています。
ふれあい基金は審査をしたり,助成対象など具体的に伺いたいのですが
福祉分野にとらわれず、文化活動や地域おこしのような活動も含めてどの分野でもOKです。審査もわれわれだけでなく、マスコミの人達にも入っていただいて審査を行うようにしています。
今やっているのは年間50万円です。10万円を5団体に助成します。

春闘の意味についてはどうなのでしょうか?今更意義はあるのでしょうか?
本当に下火になっていまして、正直どうにかならんのかと思います。今日の地場賃金を見ていますと春闘の意味は大きいと言えます。組織された労働組合が春闘で相場をこしらえています。結果として地場の労働者の賃金向上に役立っているからです。
年金や医療という国民的課題について地域のみなさんとともに戦うという意味合いは大きいと思います。残念ながら今日の姿はそうなってはいません。今後の課題であると思います。
 
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