指導者が「情緒的」になれば危険
 

安田 ひじょうに「情緒的」になってきています。小泉首相が昔から言い続けてきた「郵政民営化」をそこまで覚悟してやるのなら、やらしてあげても良いのではないか。というのが、国民の多くに感情があったようです。


 やらしてあげる。とやったら彼は首相を辞めたらすんでしまいますね。その後の事に責任を持つわけはないですね。その後は自分らの生活に関わってくるのに、ひじょうに他人事として見ている部分があるのではないか。はっきり言って小泉さんがずっと言い続けて来てやれなかったとして、それでどうなるかと言いますと、郵政民営化によって大変な目に遭うかもしれない人たちのリスクに比べればなんて事はないんですね。彼が困るわけではありませんし。 


 そんな「情緒」で(政治を)やっていいのかと思いますね。日本人的といえば、日本人的ですが、それはそういう論議に使わなくてもいいんではないかと思いますね。

安田純平さん
 各地の安田さんが講演にいかれましたが、市民の反応などはいかがでしょうか?
高知の反応と他所の反応の違いなどあるのでしょうか?

安田 今日はひじょうに皆さん遅くまで残っていただき、わたしの話が長くなったにもかかわらず、ずっと残って聞いていただき、質問もしていただきました。
 反応がひじょうに熱くてありがたいですね。
講演会終了後安田さんニ質問する学生。 参加者は熱心に聴講されていました。
 私たちは組織をもっているわけでもないので、動員したわけではありません。1人1人が意識を持って来ていただいた人たちだと思います。いろいろ考え方が異なるでしょうが。そのあたりは主催者の松尾さんはどう思われましたでしょうか?
松尾 それはそのとうりです。私も仕事は保育所の保育士ですので、自分の職場でも入場券を買ってくださいとか、チケットを売るのに、それぞれのお友達に5枚ずつ勝ってもらうとか言う売りかたでした。組織だってそうこうということがなくて、市民、いろんな層、いろんな年齢を居り交えて、不特定多数の市民の集まりであったと思います。 松尾美絵さん
 確かに組織的な利害といいますか、上から降りてきて動員されているということが、選挙も含めて弱くなっているように思いますね。動員力が見かけほどないのですね。だから危機感を持った市民が支持政党同士の考え方は異なっても、自分で自腹を切って参加していただいていましたね。自腹を切って参加した以上は真剣に聞いていただけますね。そういう部分はプラス要因かなと思います。ただそれを今後どのように意思表明につなげていくのかがわかりませんね。
 従来型が破綻しましたので、こういう現状を招いています。では新しい方法での方法手段についてはわからないのが現状です。安田さんのほうでヒントになるようなことはございませんか?
安田 そうですね。最終的には選挙でしかないでしょう。選挙があるにしても、同じような候補者ばかりですとつまらないですし。もっと立候補しやすくするとか。選挙を含めて政治的に運動をすると変なムラ意識のようなものがあります。
 その辺が変ってしまうような立候補者が出るとか。あの人と喋ってられないぐらい立候補者が出てしまうとか。がらっとイメージが変ることがあったほうが良いですね。
松尾 お金が今の選挙がかかりすぎます。立候補する側にとっても。そこのあたりの選挙制度も、一般大衆のいろんな年齢、各層が自由に立候補して、自分の主張を述べるような制度が出来ないといけないでしょうね。

安田 お金を払わないと真剣にやらないんじゃないか。あるんでしょうね。
 国民以上、市民のレベル以上のリーダーは出ない。ということが言われています。今のリーダーのレベルが低いということは、今の日本国民のレベルが低いということです。
安田 地域社会づくりですよね。商店街をなんとかしようというのでも良いのですね。景気が悪いからとかなんとかではなくて、地域社会をちゃんとつくろうとやっていこうとしますと、なんでこんな制度になっているんだろうと。自分達の課題が見えてきますね。それを仲間と一緒にやるんですね。
 その目の前の地域社会作りがもっとも大事なのではないでしょうか。
高知市の中心商店街であるはりまや橋商店街では行政の補助に頼らない市民の創意工夫ある事業がトライされています。

堀川 今回は僕はこういう活動に初めて参加したわけです。いきなり個人のレベルから大きなことはやっぱりそれはちょっと虫の良い話です。実際は極端に言えば、電車で隣に座った人とコミュニケーションを取るというかそういった部分からすこしずつ周りから働きかけることによってゆくゆくは大きなことに繋がっていく。

 自分たち個人がちょっとずつ出来ることをしていかないと結局は、大きな事を変えることもできないと思いました。
 そんなもので、ちょっとずつ働きかけのきっかけを今回の講演会にこれだけの人が来ていただきまして、その人達が、そのちょっとずつに応えていただいたことに、僕はとても嬉しく思っています。

堀川友さん
松尾 今回は安田純平さんを招いて高知では2回目の講演でした。前回は彼自身が拘束されたことの中味が中心でした。今回はイラクの北部やヨルダン、シリア等等の情報でした。
 私たちはイラクの情報を自爆テロなどの情報でしか知ることは出来ません。安田さんがイラク北部のクルド自治区の地域における課題や歴史的な問題を具来的に市民レベルでの話し。市民レベルでの宗教や民族レベルの話もありまして、いくらかイラクの情勢が幾層にも重なって見えてきたような気がします。
安田 わたしの場合は現場に行って、現場を見たい。という個人的な欲求です。そういう場所であるからこそ面白いから行っています。今回のように講演会にお金を出して聞いていただく皆さんに、どれだけのものが提供できているかどうか。
 そこは大事なところでして、それが出来て初めて個人的な欲求で行っているのではなく、社会的な行為になります。
 ということで、こういった講演会がありますとそういう部分を意識することが出来ます。ひじょうにありがたい機会でありました。そう思っています。
 どうもみなさんお疲れのところ長時間の収録ありがとうございました。
 今日は特別番組としまして、フリージャーナリストの安田純平さん。「安田純平さんを高知へ招く会」の代表の松尾美絵さん。メンバーである堀川友さんに出演いただきました。みなさんどうもありがとうごいざいました。

安田純平さんホームページ  http://homepage3.nifty.com/jumpei/
安田純平さんのblog   http://jumpeiblog.air-nifty.com/atama/
サロン金曜日のblog   http://blog.livedoor.jp/kt1541/
松尾美絵さんのblog     http://blogs.yahoo.co.jp/kinyousaron
 収録後記念撮影しました。 安田純平さんにサインもしていただきました。

運営スタッフとの交流会を収録後にいたしました。

高知流の「おきゃく」です。

その様子は サイトに報告しています。

2月番組に戻ります