麩は健康づくりの源
 今週のゲストは麸富・横山製麩所 代表の横山明さんです。横山さんは麩の製造の傍ら、地域社会への様々な形で貢献されてきました。
 今日のテーマは「麩は健康づくりの源」でお話をお聞きまします。高知ではただ1軒の麩の製造所である横山製麩所。横山さんの麩作りに対する取り組みをお話いただきます。
麩の歴史について。原料は小麦粉なのでしょうか?ゆばなどとともに本場は京都なのでしょうか?私などは味噌汁に具として添えるという印象しかないのですが。
 麩の歴史ですが、奈良時代や平安時代に僧によって中国から伝わってきたっと言われています。麩の原料は小麦粉です。今は麩にしても、ゆばにしましても生産地は分散しています。
 味噌汁の具に添えるというイメージで言われていますが、実際は麩を粉にしまして、ハンバーグのつなぎとしてパン粉の代わりに使っています。溶き卵で出し巻卵のような使い方とか、そのような使い方も広まってきています。
 
横山明さん
 製造工程は、「小麦粉(強力粉)を水で練って何度も洗うと澱粉質が落ちグルテンと呼ばれるものが残ります。これが麩の原材料のようです。グルテンに小麦粉を練り合わせたものが焼き麩。グルテンに餅米粉を練り合わせ、茹でたり蒸したりすれば生麩ができます。」他に添加物はないようなので健康に良いのでしょうか?
 添加物は、膨張剤として炭酸を使っています。使わないのもあります。他は何も入れません。小麦粉とグルテン、生麩の場合は餅粉を使います。
 パンなどと比べますと添加物は殆どないといえますね。大変健康的な食品であると言えますね。
 はい。淡白なんですけれど、何も入れていませんので、健康で食品としてはぴったりではないでしょうか。
横山さんは長い時間作業をされているとのことですが、何時からされているのでしょうか?すべて自分の工場で製造されているのでしょうか?夏は暑くて焼き麩は大変なのではないでしょうか?
麩の製造の様子のイラストです。
横山製麩所です。
 1日の工程は午前9時から午後5時までとか言うのではなくて、注文によりましては夜中に製造したりとか、昼間に製造したりとか様々です。注文に応じてや、自分の仕事の都合によって製造する場合がありますね。
 夏は焼麩は本当に暑いですね。私は今は焼いていませんけれども焼いている者は大変な作業です。
 焼麩の工程を説明をお願いします。製造して、パッケージするまでかなりの工程ではないでしょうか。
 そうですね。焼麩の場合は、グルテン(小麦のたんぱく質)と小麦粉を混ぜ合わせて練りまして、それを今度は細かく小分けし裁断します。それを水へ漬けましてそれを電気釜へ1本1本貼り付けていきます。
 それで水をかけまして、蓋をして8分から10数分で焼きあがります。それをまた乾燥し、少し寝かします。そして裁断します。それを袋に詰めます。それで出来上がりという風になります。
花麩です。
くじら麩です。

 前半の麩の歴史の中で中国から由来したように伺いました。
 外国産の麩などはありますか?そことの競争などもあるのでしょうか?また麩は日本人だけの食生活などでしょうか?外国へ広まる可能性はないのでしょうか?
 外国産の麩は聞いたことがありません。ひょっとしたらあるかもしれませんね。日本人も世界各地へ行っていますので、麩の食生活をしているかもしれません。外国へ広まることは大いにあるのではないでしょうか。
 アメリカなどは和食ブームです。将来は輸出ということも考えられるのではないのでしょうか。
 大いにあるかもしれません。洋食から和食への見直しが行われていますので大いに可能性はあるのではないかと思います。
 パンなどに比べますと麩は添加物が少ないし。パンなどは砂糖と塩の塊が入っていますし。製造工程を見たことがあります。砂糖を入れませんとイースト菌が働かないそうです。発酵しないそうですし。麩の場合は健康食品とて優れていますので、ブームになる可能はあると思います。
 そうですね。小麦グルテンは高脂血症の人に良いそうです。繊維質が2%ぐらい麩にはありますので、血圧を下げる役割もあると聞いています。
横山製麩所の店内の様子です。珍しいタイプの麩が陳列されています。