氷彫刻と教育効果について
 今週のゲストは麸富・横山製麩所 代表の横山明さんです。横山さんは麩の製造の傍ら、地域社会への様々な形で貢献されてきました。
 今日のテーマは「氷彫刻と教育効果について」でお話をお聞きします。横山さんは、氷彫刻を学校現場の授業で取り上げるように運動されています。
私も横山さんのお声掛けで5月22日の江ノ口小学校での実演を見ることが出来ました。子供たちにも大きな感動があったようです。
そもそも氷彫刻を学校教育で取り上げるようになったいきさつはどのようなところなのでしょうか?
 私は補導員を最初やっていました。夜間補導などしていました。小さい時から、一つのことに取り組んでいくことが大事ではないかと思いました。
 ちょうど氷の彫刻の全国大会で優勝されました蛯名彰人さんが新阪急ホテルにおられました。そこで氷の彫刻を学校でやっていただけませんかとお願いをいたしました。
 最初は見事断れました。そこで会社の新阪急ホテル側に行きました。会社側は「是非してあげなさい。」ということになり、氷の彫刻を学校の授業としてやっていただけるようになりました。
横山明さん
 蛯名さんが新阪急ホテルのシェフとして勤務されておられた時に、横山さんとお知り合いになり江ノ口小学校の授業としてはじまったのですね。
 蛯名さんを見ていますと料理ばかりつくっておられまして、いつ氷の彫刻をつくられているのかなと思っていました。氷の彫刻をやる時間はないのではないかと思っていました。
 後からお話を聞きましたら、仕事が終わりまして午後11時とかに1人でこつこつと氷の彫刻をしていたようです。すごい偉い人だなと思いました。

氷彫刻は、始めてから終わるまでどの程度時間がかかるのでしょうか?、また子供たちは落ち着いてその様子を見ているのでしょうか?
氷彫刻は、競技は東京の百貨店の屋上で夏に行われます。制限時間は40分で、電動工具も使用せずのみとのこぎりのみで氷を削ります。大変な労力がいる作業です。
 学校でやる場合は、電動工具も使用し、約1時間で彫っていただいています。
 子供たちはどうかと言いますと、先生方は心配されていましたが、子供は集中しています。さぼる子供はいません。作る様子を見ていて「気が散る」子供はいません。
四角い130キログラムのある氷を使用し、「授業」では電動工具も使用し約1時間かけて掘っていきます。
 確かに周りを走る子供もなかにはいましたが、目線は氷彫刻を見ていました。ですので騒いでいるようデモ子供たちは集中して氷彫刻を見ていましたね。それは「技術力」ですね。1人であれだけの大勢の子供たちの視線を集めることが出来ると言うことは大変な力がある証拠ですね。
 いわばライブですね。お喋りとか、音楽活動で大勢の人を引き込むには大変な力がいることと同じです。凄い人だと思います。
子供たちは素直なものです。何も言わなくても子供たちはわかっているようです。
 授業で取り上げて成果はいかがでしょう。地元の江ノ口小学校を皮切りに、郡部の学校にも広まっているようなのですが。現在何校で実施されましたでしょうか?
 この間の江ノ口小学校で14校目になりました。成果はこれから将来出てくると思います。
郡部で一番遠いところは大正町の多野小学校へも行きました。それから早浦ダム近くの吉野中学校へも行きました。鏡川の奥の鏡中学へも行きました。

 氷彫刻を「イベント」ではなく「授業のなかで」されることを蝦名彰人さんは言われているようなのですが、その理由はどういうところにあるのでしょうか?

 やはりきちんと聞いてほしいと思うからです。私もそう思います。イベントはただ見て、その場を離れて、また外から入って見るということでは、話しを聞いてもらえませんし、集中しないと思います。
 やる以上はきちんとした形で、見てほしいし、聞いてほしいと思います。授業として学校の先生にお話しましてやっていただいています。
 私も江ノ口小学校の氷の彫刻を見せていただきました。終わってから質疑応答の時間に子供たちが大勢手を上げて質問をされていました。子供たちは触発されたのでしょうか? 蛯名さん自身が直接体験されたこと、そこから引き出された教訓を語ります。大変説得力がありまして子供たちも蛯名さんの話しをよく聞いています。先日の江ノ口小学校でも実演後の質疑応答では、多くの子供たちが手を上げて質問していました。制限しなければならないほどでした。
 子供の目線は大人とは違いますね。
 こつこつと無心で努力したら結果が伴うという話しを蛯名さんがしていただきます。ですので授業のなかで真剣に子供たちに聞いていただきたいたいのです。
 今の時代は「努力が報われない」時代です。新潟の燕市はステンレス加工の街。埼玉の川口市は鋳物の街。朝から夜遅くまで懸命に働いても報われません。為替に左右されます。
 そういう事例は多いのですが、基本的な頑張る力を子供に教えて、後は子供たちが成長した後考えるようになれば良いと思います。
完成した氷の彫刻。題名は「スーパーキャッチ」。蛯名さんが全国優勝した形を子供たちに披露いただきました。
今後の予定はどうなっているのでしょうか?
 
希望があればということで、できるだけ期待に沿えるように行きたいと思っています。
 授業参観で子供の目線で氷彫刻を見ていただいて、子供たちが何かを感じればとの思いでされているのですね。

 そうですね。こつこつ努力すること。長く続けること。そしてそうやって努力している人にチャンスが巡ってくる事。何も努力しない人にチャンスが来ることはまずない。ということを蛯名さんは経験から言われていました。
 私もそういう基本的なことが大事ではないかと思います。社会に出てもそうではないかと思います。ただ報われないこともあります。それは努力してそれぞれの人たちが開いていくべきだと思います。そう思います。