施設園芸のあり方について

 昨年(2000年)、高知市八反町の県営住宅建設予定地から高濃度のダイオキシンが検出され、大変な騒ぎになりました。この付近は高知駅周辺の連続立体交差事業計画地で、鉄道高架にともなう土地の収容、買収が高知県によって行われています。

 問題になった土地は、以前に農業用ビニール・ハウスの加工や裁断をしていた農業用資材販売会社跡でした。高知県は周辺住民への説明会を開催し、地下水などの調査もしています。

 今日のテーマは「施設園芸のあり方について」です。高知県は日本有数の施設園芸の盛んな県です。どうなのでしょうか?

  • 高知県は施設園芸農業のメッカです。ピーマン、シシトウ、ナス、きゅうり、トマト、セロリ、スイカ、メロン、ねぎなどが栽培され、全国各地の市場へ出荷されています。
  • 露地野菜の栽培できない季節に、施設園芸野菜やくだものは栽培されています。高値で取引されてきました。しかし最近は近隣アジア諸国(韓国、台湾、中国などからの生鮮野菜の輸入が急増しています)の台頭もあり、展望は明るくありません。
  • 施設園芸は豊富な石油の存在があって成り立っています。ハウスを覆う農業用ビニールは、大部分が燃やすとダイオキシンが形成される塩化ビニールです。その量たるやスーパーで使用される、あるいは家庭用のラップなどと比較などできない圧倒的な量です。環境問題を考慮するなら、施設園芸のありかたも再検討すべきでしょう。

展望を開くことはできるのだろうか

※施設園芸でこしらえる野菜は露地の野菜に比べ、栄養面で見劣りすると言われています。今後は消費者の健康志向が高まると思います。有機栽培も含め、検討すべきでしょう。

※農業用ビニールを塩化ビニールからポリエチレンに変えるべきでしょう。そうすれば焼却灰のダイオキシンは心配ありません。

※近隣アジア諸国との競合を考慮すれば「安全で」「栄養のある」野菜づくりが産地農業の役目でしょう。

※農業は健康を提供する産業です。その観点で栽培の方法や、施設のありかたも研究し、開発していただきたいと思います。

*小中学生の学習支援サイト「よみうり博士の学習ノート」のご参考ください。

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2002年3月1日