春闘は役割を終えたのか

 今日のテーマは「春闘は役割を終えたのか」です。  春闘は1956年から始まりました。労使による賃金決定方式です。各産業の労働組合が春に一斉に経営側に賃金引上げ交渉を行い、回答を引き出すことでした。  50年代後半は化学、私鉄、60年代は鉄鋼、70年代は造船,電機、80年代は電機、自動車、90年代は電力、自動車とその時代に勢いのある企業や産業界がリードしてきた歴史がありました。  ところが今年は異変が起きました。グループ全体で1兆円を超える企業収益をあげているトヨタ自動車労組が賃金引上げ要求を出しませんでした。リード役を「降りた」形になりました。春闘は役割が終わったのでしょうか?

1)終わりました。歴史的な役割は終えました。今や国際的には日本の労働 者の賃金は 世界一になりました。惰性で賃金引上げをしていては、製品価 格に反映、国際競争に 勝てないからです。

2)デフレ経済は国際分業の結果です。日本が賃金と税金がこれ以上上昇す れば、トヨ  タといえど日本にしがみつく理由はありません。それが現実の ようです。

3)長野県庁も管理職は10%、一般職も5%の賃金引下げを断行しました 。当然です。 公務員だけがこの不況に「保護される」合理性などありませ んから。

* むしろ雇用の確保を重視すべきでしょう。連合などもしっかりしてほし い。組合の枠  から出ない運動や政治活動は意味をなしませんから。

* トヨタ自動車でも問題になりました「サービス残業」。それを問題にす べきです。ちゃ  んと賃金を払えば、雇用の増加にもなるはずです。企業も 社会にたいする公益を考え るべきです。労組も同じです。

* この不況に「労働貴族」は不用です。労組は時代に即応した体制に変革 すべきです 。

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2002年3月1日