有機農法は広まるだろうか?

 現在私たちの食卓に上がっています野菜や果物は、ハウスで栽培され、農薬が多く使用されているものが殆どです。収穫後に農薬を振りかける「ポスト・ハーベスト」問題や、遺伝子組替え作物も問題になっています。

 
また近隣アジア諸国をはじめ、生鮮野菜の輸入も増加しています。農業を取り巻く情勢も厳しいものがあります。「後継者不足」や「就労者の高齢化」もあります。

 
今日のテーマは「有機農法は広まるだろうか?」です。どうなんでしょうか?

  • 実は高知県は有機農法が盛んなところです。米や野菜ばかりでなく、お茶なども栽培されています。しかし残念ながら高知県内での消費は少なく、殆どが大阪などの消費者団体に送られているようです。
  • 高知の消費者はスーパー好きです。その消費者は野菜に土がつくことを嫌い、きゅうりも真っ直ぐでなければ売れません。せっかく消費者に安全な手間隙のかかる有機農法が盛んな地域でありながら、意識が低いのはまことに残念です。だいたい野菜に土がついていれば長持ちします。またきゅうりはまがっているのが普通です。消費者の病的な「清潔志向」が農業を歪めています。台所から発想する人が多いですが、足元から見直す必要があります。
  • 有機農法は、農薬を使用する農業の何倍も労力がかかります。後継者不足もあり、このままではあと10年もしないうちに高知の有機農法農家は消えてしまいます。

※最近は微生物を使用した有機農法(たとえばEM)などが出てきました。水耕栽培もあり、全然可能性がないとは言えないでしょう。

※有機農法の野菜は虫が食べています。消費者も逆に安全だと認識を変えるべきでしょう。

※高知は過去50数年施設園芸でリードしてきました。しかし農薬を使用し、重油を使用し、農業用ビニール(塩化ビニールで低温で燃やせばダイオキシンが発生します)をふんだんに使用してきました。廃棄物処理で多大のコストがかかります。農業指導者も従来の観点を変えて、有機農法に真剣に取り組んでいただきたいと思います。

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2002年3月1日