頑張っている高知のパン屋さん

 今日日本人の食生活にはパンは欠かせません。米の消費は減少しているのにパンの消費は増加しています。パンはスーパーでもコンビニでも、パン屋さんでも販売されています。

 パン業界は製造大手である山崎、敷島、タカキなど全国展開しているメーカーの占有率が高いとされています。高知でも15年くらい前、県内最大手であったイート食品が山崎に、二番手の高知スーパー製パンが敷島に買収されました。

 しかし大手の占有率が高い中、業界関係者によりますと高知は「リテールショップ」と言われる製造販売のパン屋さんが頑張っているそうです。今日のテーマは「頑張っている高知のパン屋さん」なのですが。

  • 2年前義弟が沖縄で全くしろうとからパン屋さんを開業するというので、三日間高知へ見学に来たことがありました。パンの食材や資材、機械、店舗設計などをされている専門商社丸三の岡内社長様のご協力で、頑張っている高知のパン屋さんを見学させていただきました。
  • 店舗の見学ばかりでなく、普段は立ち入りできない厨房もみせていただきました。また経営者のみなさまとも対面させていただきました。
  • パンはイースト菌の発酵時間が必要です。粉からパンの生地をこしらえるか、既成の生地を使用するか、あるいは冷凍の出来合いレシピを使用するか。様々な形態があることを知りました。「焼きたてパン」と言いましても、製造から自家製か、店内のオーブンで焼いただけなのか、いろいろあることがわかりました。
  • 焼きたて直後では、粉から製造する(業界用語でスクラッチと言います)パンも、既成生地でこしらえたパンも、冷凍のできあいのパンも味に差はそれほどありませでした。ただ時間が経過しますと、自家製造、既成生地、冷凍の順番に味はなるようです。
  • こみベーカリー、ベークショップ(ベルゲンなど)、ロマンドなどは、個人経営のパン屋さんで大健闘しています。全国各地から同業者のパン屋さんの視察があるそうです。

※専門商社の方によりますと、高知市民一人のパン屋へ来店し購入される単価は800円だそうです。大変厳しい状況です。沖縄は更に厳しくその6割で、500円だそうです。

※最近コンビニやスーパーなどでも焼きたてパンを宣伝しています。しかしそれは冷凍か、出来合い生地からこしらえられたものです。店でオーブンで焼いただけです。それでも「焼きたてパン」であることに偽りはありませんが。厨房が狭いので、粉から練っていないことはすぐわかります。

※パンは発酵食品で「生き者」であることが理解できました。頑張っているパン屋さん、こみベーカリー、ベークショップ、マロンドは広い厨房があります。作業場も広いです。それだけのスペースがないと、粉から生地を練り、発酵させ,焼くことが出来ないことがわかりました。

※高知の人たちはある面贅沢なのでしょう。近所のこみベーカリーは常時買い物客が群れています。陳列ケースにはたくさんの種類のパンが並び、また新製品も開発されています。パンの種類が多いのも支持者が多い理由でしょう。

※最近ではコンビニでも一日三回パンの配送があります。パン分野に力をいれているようです。

※頑張っている高知のパン屋さんを観察していますと元気がでます。量販店の進出でピンチになっている小売店の手本になっていると思います。豊富な種類、独自の味。こだわり、品質。それらが成功要因と思います。

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2002年3月1日